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フォルクスワーゲンが新しいソフトウェア部門を設立【フォルクスワーゲン グループ ジャパン】
2019年6月27日
● 2025年までに5,000人を超すデジタル専門家を「Car.Software」部門に配属
● 2025年までに自動車関連ソフトウェア開発における内製率を現在の10%未満から60%以上に
引き上げることを計画
● ソフトウェア開発のためのプラットフォーム戦略:今後、車両の標準OSを「vw.os」に一本化し、
「Volkswagen Automotive Cloud」を全グループ車両に活用
● 2025年までに、グループ内のすべての新型車種がソフトウェア プラットフォームを共有
2019年6月18日、ウォルフスブルグ: フォルクスワーゲン AG は、2025 年までに、5,000 人以上のデジタル専門家を、グループ全体の車両関連ソフトウェアを担当する新たな部門、「Car.Software」に集約する計画です。フォルクスワーゲンはまた、車載および車両関連サービス用ソフトウェアの社内開発を促進し、内製率を現在の 10%未満から、2025 年までに 60%以上に引き上げる方針です。将来的には、すべての基本機能を備えた統一ソフトウェア プラットフォームが、グループの全車両用に開発されます。このプラットフォームは、車両 オペレーティングシステム(OS)の「vw.os」と、「Volkswagen Automotive Cloud(フォルクスワーゲン オートモーティブ クラウド)」から構成されます。2025 年までに、フォルクスワーゲングループのすべての新型モデルは、このソフトウェア プラットフォームを共有します。このソフトウェア プラットフォームをベースにした最初のモデルは、今年のフランクフルト国際モーターショー(IAA)で世界初公開される 「ID.3(アイディ.3)」1)です。現在、2 万人以上の潜在的なお客様が、このモデルを事前予約するために登録しています。
「私たちは、ハードウェアのプラットフォーム開発に関しては既にプロフェッショナルですが、蓄積してきたノウハウを現在ソフトウェア開発の分野に移行しているところです」と、フォルクスワーゲンブランド デジ タルカー&サービス担当取締役のクリスティアンゼンガーは述べています。「私たちは、全グループ ブランドで共有できる基本機能を備えたソフトウェアを開発する予定です。これによって、グループ内のシステムやバージョンの複雑さを大幅に簡素化できるため、中期的に、グループ全体としてスケールメリットの恩恵を受けることとなります。特にソフトウェア分野においては、こうした共有化が効果的で、 大幅なコスト削減に繋がるでしょう」と、クリスティアンゼンガーは付け加えています。
現在、200社の異なるサプライヤーから提供された最大70種類のコントロールユニット(および制御用ソフトウェア)が、フォルクスワーゲンブランドの車両には組み込まれています。さらに、グループ内には、 インフォテイメントやナビゲーションなど、似たような機能を持つ異なるシステムが存在しています。全ブランド用に同じ基本機能を備えた標準OSを開発し、全グループ モデルが「Volkswagen Automotive Cloud」を使用することによって、こうした現在の状況が大幅に簡素化されます。
同じような共有化を、車両関連サービスを提供するために使用する「デジタル エコシステム」についても目指しています。なぜならば、基本的なサービスはすべてのブランドが必要としているからです。例えば、 フォルクスワーゲン乗用車部門で「We Charge」と呼んでいる充電ステーション検索です。特に「近くの 充電ステーションを検索する」、あるいは「さまざまな支払方法」といった基本的機能は、すべてのグルー プ内ブランドで統一できます。
この標準ソフトウェア プラットフォームによって、フォルクスワーゲンは大きなスケールメリットを実現することを目標としています。将来的に、車両フリートには、年間1,000万台以上の完全なコネクテッド機能を備えた新車が含まれることになり、1台当たりのソフトウェア統合に必要なコストが大幅に削減されます。 同時に、コネクテッドカーの数が急成長を遂げることによって、デジタルエコシステムは、新規に参入するパートナーや新しいお客様にとって、ますます魅力的なものとなるでしょう。 ソフトウェア開発能力の強化と最新型のデジタル開発方式への方向付け
新しい「Car.Software」部門では、専門家が5つの主要な分野に取り組み、
グループ ブランドの垣根を超えたパッケージを開発
フォルクスワーゲンは2025年までに、ソフトウェア開発、電動・電子開発、コネクティビティ、自動運転、ユーザー エクスペリエンス(UX)、クラウドアーキテクチャー、電子商取引といった分野における5,000人以 上の専門家を、柔軟な組織として作られる「Car.Soft-ware」部門に配属する予定です。彼らは、5つの主 要な分野に分かれて働き、グループ ブランドの垣根を超えたパッケージを開発することになります。
その目的は、革新的なソフトウェア開発能力を備えた部門をグループ内に設立することです。そのため、フォルクスワーゲンは、柔軟なワーキング モデル、最新のコラボレーション テクノロジー、そして素早い 協力体制の構築に取り組んでいます。年内には、約500人の専門家が「Car.Soft-ware」部門で共に仕事をすることになります。2020年までに、その数は約2,000人に増加する予定です。
フォルクスワーゲンは、グループ内のブランドや会社の専門家を一つの部門に配属することに加え、 新たに外部から専門職を募集したり、資本参加や戦略的パートナーシップを通じて、人材確保を進めていきます。今回ソフトウェア部門を新たに設立したことは、特にITおよびテクノロジー関連の専門家にターゲットとした人材マーケットにおいて、積極的にアピールしていきます。
「私たちは、世界最高のデジタル専門家とともに、デジタル化された車両とクラウドプラットフォームのための力強い組織を構築したいと考えています。フォルクスワーゲンは、ソフトウェア開発を会社の中核的な能力にすることを目標にしており、達成できることを確信しています。」と、クリスティアンゼンガーは述べています。
注記: クリスティアン ゼンガーとのインタビューの内容が、 https://www.volkswagen-newsroom.com/en/stories/define-own-software-standards-5094 に掲載されました。 1) 未販売車両
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