設計情報の漏えいを防ぐ世界最速3次元CAD「iCAD V7L2」新発売【富士通】

2012年5月10日

セキュリティ技術の開発により、海外含む全拠点で設計情報をより安全に共有が可能

当社は、世界最速の3次元CADエンジンを搭載した、機械装置設計向け3次元CAD「iCAD V7」の最新バージョン「iCAD V7L2（アイキャドバージョンセブンレベルツー）」を本日より販売開始します。

本製品は、データの処理改善による軽量化やメモリ使用量の削減を行うことで、3次元CADエンジンの処理性能を従来の約2倍（注1）に向上させ、数万から数十万部品にも及ぶ大規模データを用いたさまざまな設計検討・検証を迅速に行うことができるほか、より多くの設計情報を一元化することが可能になります。また、データの複製や出力を抑制するセキュリティ技術の開発を新たに行い、これまで情報漏えいのリスクにより、国内外の協力会社に対しデータを送付する時などに、意図的に制限したり紙や口頭で伝達していた設計情報を、安全に共有することが可能になります。

これらの技術開発により、データ変換や紙や口頭で伝達することによる設計情報の欠如を防ぎ、海外など他の拠点へ素早く展開・共有することが可能です。リアルタイムに全ての拠点で設計情報をそのまま活用することができ、現地での設計・生産・保守などの作業をスムーズに実施し、開発期間の短縮と品質向上を図ることができます。

なお、本製品は、東芝エレベータ㈱様（本社：東京都品川区）に先行導入頂き、ご活用いただいています。

［関連リンク］ iCAD V7L2紹介サイト

近年、製造業のお客様においては、新興国への市場拡大を狙い、現地ニーズに合わせた新機種の市場投入のため、国内拠点で開発し、それを海外拠点で設計・製造するといった展開が進められています。しかし、国内で検討された設計情報のデータ量が膨大なうえ、情報漏えいの危険性もあり、海外拠点と共有する情報を意図的に限定するケースがよくあります。そのため、現地での設計・製造時に情報の食い違いによる手戻りや修正が発生し、スムーズに海外展開が進まないことが課題となっています。

こうした課題に対応するため、当社はデータ処理性能のさらなる向上とセキュリティ技術を搭載した3次元CAD「iCAD V7L2」を提供いたします。

なお、本製品は、5月17日（木曜日）、18日（金曜日）に東京国際フォーラム（東京都千代田区）で開催される「富士通フォーラム2012」に出展します。その他、「iCADフォーラム 21st」（5月23日に東京、5月31日に愛知、6月6日に大阪）と、「第23回設計・製造ソリューション展」（6月20日から22日に東京ビッグサイト）にも出展します。

本製品の特長

1．世界最速！3次元CADエンジンのデータ処理性能を向上
データの処理改善による軽量化やメモリ使用量の削減を行うことで、従来より搭載している3次元CADエンジンの処理性能をさらに向上させ、移動・コピーなどの操作処理で従来比約2倍、ファイルロード処理で約1.5倍の高速化により、世界最速を実現します。数十万部品の大規模な3次元データであっても、設計者を待たせることなく、迅速にさまざまな設計検討や検証を実現できます。また、データの軽量化により、より多くの設計情報を一元化して表示することや、膨大な設計データをすばやく転送することが可能になります。

2．データの複製や出力を防止する新セキュリティ技術を実装
従来、国内の設計外注や、海外の拠点に設計や加工・組立を依頼するために渡す設計情報は、情報漏えいの危険性があるため意図的に情報を制限したり、電子データではなく紙や口頭で指示を出したりしていたため、情報伝達のズレやミスの原因となっていました。今回、依頼先にセキュリティキーを発行することで、設計情報の複製や他の形式や紙などへの出力を、セキュリティキーの保持者に限定することが可能です。これにより、情報漏えいの危険性を最小限に抑え、設計や加工・組立に必要な設計情報を安全に共有することができます。

本機能は、東芝エレベータ㈱様に先行導入いただき、国内外の拠点間でのデータ共有を安全かつ容易に行い、設計・製造のグローバル展開の促進にご活用いただいております。