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Visio.Mプロジェクトがスタート: 都市圏向けの電気自動車を量産可能に【ビー・エム・ダブリュー】

2012年5月9日

ミュンヘン発:
電気自動車は、再生可能エネルギーにより発電された電力を駆動源とする場合、都市部や近郊を移動するのに魅力的なモビリティーである。しかしながら、従来の電気自動車は、車体が重い、価格が高い、市場の安全水準に達していないなどが、現状の課題として浮かびあがっている。このほど、ドイツのミュンヘン工科大学(TUM)の研究者と自動車産業界の技術者は共同で、リサーチ・プロジェクト「Visio.M」を発足し、効率性と安全性に優れ、また製造コスト削減にもつながる電気自動車のコンセプト開発に着手した。BMW AGは、このプロジェクトのリード・マネージャーを務める。また、このプロジェクトにはドイツ連邦教育研究省(BMBF)により総額1,080万ユーロの予算が投入される。

電気自動車は、静かで走行中に排気ガスを発生しないため、都市部や近郊における将来的な個人用モビリティーの重要な選択肢になると考えられている。しかし、現実性のある電気自動車を実現するまでには、大きな技術的ハードルを越える必要がある。従来の電気自動車では最低限の車両安全性の提供にとどまっており、そのため、マス・マーケットに十分に対応できていなかった。ガソリン駆動モデルをベースに設計された電気自動車の場合、通常、車体が重すぎるため、大きくて高価なバッテリーが必要となっている。

共同リサーチ・プロジェクト「Visio.M」では、ドイツ自動車産業界の大手企業とミュンヘン工科大学の研究者が連携し、マス・マーケットにおいて一定のマーケット・シェアを獲得できるようなリーズナブル、小型、高効率かつ安全性に優れた電気自動車の生産法が研究される。ビジョナリー・モビリティ・コンセプト(Visionary Mobility)に基づいて開発される車両は、最大出力15 kW、最大乾燥重量400kg(バッテリーを除く)、欧州で規定されているクラスL7eの要件を満たす予定である。

プロジェクトに参加する組織は、ミュンヘン工科大学が開発した電気自動車「MUTE」の基本技術を利用して、量産の枠組みの下で実用化できる、車両安全性、駆動、エネルギー蓄積、操作コンセプトの革新的技術・新技術の開発に取り組んでいる。特に注目すべきは、安全技術面の設計である。Visio.Mでは、最大限の軽量化にもかかわらず、一般的な内燃エンジン搭載車に匹敵する安全性が実現される。

Visio.Mプロジェクトには、自動車メーカーのBMW AG(リード・マネージャー)およびDaimler AG、研究機関パートナーのミュンヘン工科大学のほか、Autoliv B.V.& Co.KG、ドイツ連邦道路交通研究所(BASt)、Continental Automotive GmbH、E.ON AG、Finepower GmbH、Hyve AG、IAV GmbH、Innoz GmbH、Intermap Technologies GmbH、LION Smart GmbH、Neumayer Tekfor Holding GmbH、Siemens AG、Texas Instruments Deutschland GmbH、TÜV Süd AGが参加している。本プロジェクトは、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の重点プログラム「STROM(電気自動車向け主要技術)」の一環として実施される。


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