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ポルシェ初のフル電動スポーツカー「タイカン」ローンチに向けた2019年前半の取り組み【ポルシェジャパン】
2019年6月28日
ポルシェ初のフル電動スポーツカー「タイカン」は、2019年9月初旬にワールドプレミアを予定しており、日本国内においては年内の発表に加え、2020年の販売開始を予定しています。自動車の電動化の潮流が世界的に加速している中、2019年1月から6月のポルシェが電動化に向けた取り組みについてまとめました。
■ 『ゼロインパクト・ファクトリー』というビジョンの追求
ポルシェAGは、「ゼロインパクト・ファクトリー」の実現に向けた動きを進めています。この「ゼロインパクト・ファクトリー」は、二酸化窒素を吸収する表面技術を外壁部品に用いた工場で、タイカンを生産する新しい工場で初めて採用されました。使用する外壁部品はアルミニウム製を、表面には二酸化チタンのコーティングが施してあります。このコーティングが触媒となり、吸収した汚染粒子は、太陽の光と大気中のわずかな湿気にさらされることで、水および硝酸塩という無害な物質に分解されます。たとえば、車両10台分の駐車スペースに、木が10本あった場合と同程度の吸収効果を生んでいます。
熱とエネルギーを自社生産する「コージェネレーションプラント」もドイツのツッフェンハウゼン工場(シュツットガルト)で稼働を開始しました。これはバイオガスで稼働する環境にやさしい工場設備です。ヒートプラントとパワープラントは、どちらも出力約2MWで、バイオガスと、有機廃棄物から生成される残余生産物のみで稼働します。エネルギー生産に伴って生成される熱を環境に放出するのではなく、この熱も加熱のために利用します。熱が常時必要なエリアの近くで稼働させることで、効率を最大限に高めることができます。たとえば、安定した加工熱が求められるペイントショップやその浸漬槽、乾燥エリアの近くなどです。生成される熱の約90%は、約1万2,000人が働くポルシェのツッフェンハウゼン拠点のオフィスと工場への暖房と温水供給のために利用されます。新しいコージェネレーションプラントの総合効率は83%を超えます。ポルシェの拠点ではこれまで、2つの天然ガスプラントが使用されていましたが、今回のコージェネレーションプラントにより、このすでに実用化されている熱と電力の生成ソリューションは、いっそう完全なものになり、既存のプラントもバイオガスに切り替えられる予定です。
ポルシェでは『ゼロインパクト・ファクトリー』というビジョンを掲げ、CO2ニュートラルなゼロエミッション車を生産することだけではなく、それを生産する工場設備でも環境対策の追及をしています。
■ タイカンのテストが最終段階に突入
タイカンは、現在、量産に入る前の最終テストドライブを終えようとしています。北極圏からわずか数キロメートルのスカンジナビアでは、雪と氷の上でのドライビングダイナミクスに関するポテンシャルを証明しています。南アフリカでは、パフォーマンステストに加えて、連続的なパフォーマンスと再現性に関する最終調整を、ドバイでは、高温気候での耐久走行を実施し、過酷な条件下でのバッテリー充電をテストしています。マイナス35℃からプラス50℃に及ぶ世界の30か国でタイカンはテストドライブされ、内燃エンジンを搭載するスポーツカーと同じ厳格なテストプログラムを受けています。早い時期から、コンピュータシミュレーションと包括的なベンチテストが実施されたことで、この過酷なテストプログラムは最終段階に到達しています。
タイカンのテスト段階におけるもっとも重要な項目:
•総走行距離:約600万km。うち200万kmは耐久走行距離
•実施国:米国、中国、アラブ首長国連邦(UAE)、フィンランドを含む合計30か国
•気温:-35℃~+50℃
•湿度:20~ 100%
•標高:海面下85m~海抜3,000m
•充電サイクル:世界中の様々な充電技術を用いて10万回以上
•開発チーム:約1,000名のテストドライバー、技術者、エンジニア
■ 日本国内へ150kWの急速充電器を設置
ポルシェジャパンは、タイカンの国内導入にむけて、2020年半ばより、ABB製の急速充電器を全国のポルシェセンターと公共施設へ設置します。これは、まだ日本にはない150kWでの急速充電を可能とする次世代CHAdeMOとなり、タイカンの80%充電を30分以内に済ませる能力を備えた、国内最高レベルの急速充電器です。ABBは、CHAdeMOおよびCCSの充電規格協会の創設メンバーの一社であり、EVインフラのリーディングカンパニーで、現在、73カ国に10,500台のABB 製DC急速充電器が公共の場所等に設置されています。
ポルシェ初のフル電動スポーツカー「タイカン」は、4ドア、4セパレートシート、600PS(440kW)以上の最高出力により0-100km/h加速タイムは3.5秒以下を実現し、最大航続距離は500km以上(NEDC準拠)に達します。2020年には派生モデルのクロスツーリスモの導入も続きます。
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