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IoT向け通信規格「LTE-M」を活用して運搬車両の運行状況を見える化【NTTドコモ】

2018年2月14日

IoT向け通信規格「LTE-M」を活用して運搬車両の運行状況を見える化
~米国でIoTソリューションの実証実験を開始~


 株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、人工知能を活用したドコモのリアルタイム移動需要予測技術※1で未来のタクシー乗車需要を予測するサービス「AIタクシー®」を、2018年2月15日(木曜)より法人企業向けに日本全国で提供を開始します。東京23区、武蔵野市、三鷹市では東京無線タクシーが1,350台、名古屋市ではつばめタクシーグループが1,150台のタクシー車両で、「AIタクシー」を活用した運行が順次開始されます。

「AIタクシー」は、現在から30分後までの未来のタクシー乗車需要の予測結果などのデータをオンラインで配信するサービスです。タクシー運行データ※2や気象データ、周辺施設(POI※3)データなどの多様なデータに加え、ドコモの「モバイル空間統計®」のリアルタイム版(以下、人口統計データ※4)を活用し、日本各地の性別や年齢層など、属性ごとの人数分布の移動による変化をリアルタイムに把握しながら、各データを人工知能で分析することにより、乗車需要を10分ごとに予測します。広域で人数分布の移動による変化をリアルタイムに把握できる人口統計データと、人工知能を活用したタクシー乗車需要予測のサービスは、世界初※5となります。

 ドコモでは、2016年度から東京23区、武蔵野市、三鷹市や名古屋市における実証実験を通して、リアルタイム移動需要予測技術の確立に取り組み、一定の効果を確認することができました。そして、大阪市、福岡市などの他のエリアにおいても試行運行を進めてまいりました。

 「AIタクシー」の提供価格は、営業区域※6数とタクシー車両台数により異なりますが、初期導入費用は30万円から、月額利用料は車両1台あたり900円前後※7で提供します。また、導入を検討しているお客さまにもお試しいただけるように、初期導入費用0円の利用期間限定のお試しプランも提供します。

 近年、海外からのお客さまも含め、観光需要の高まりで移動需要が伸びていく一方、人口減少や超高齢化社会に直面する日本において、ドライバー不足や交通空白地といった交通課題は切実な問題です。また、企業における働き方改革や生産性革命の実現が求められています。

 ドコモはAI×IoTにより、未来の移動需要を見える化し、移動需要に応じた最適な移動手段の供給を可能とすることで、タクシーをはじめ、様々な移動手段の効率的運行による交通全体の最適化に取り組んでおります。この取り組みにより、交通課題の解決、移動の利便性の向上、および生産性の向上に貢献してまいります。

 株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と米国現地法人であるNTT DOCOMO USA,Inc.(以下、ドコモUSA)および、伊藤忠ロジスティクス株式会社(以下、伊藤忠ロジ)と米国で物流業を展開するITOCHU LOGISTICS (USA) CORP.(以下、ITOCHU LOGISTICS USA)は、IoT向け通信規格「LTE-M」を活用して、傭車※の運行状況を見える化するソリューション(以下、本ソリューション)の実証実験(以下、本実証実験)を2019年5月1日(水)から、米国で開始します。

 配送事業の需要が増える一方で、傭車を使用した運送においては、運行状況を把握するIoT機器の常設が難しいという課題がありました。本ソリューションは、低消費電力通信が可能な規格「LTE-M」を利用して、バッテリーやソーラーで駆動する、取り外しが可能なIoT端末を傭車に設置し、運行状況把握の自動化を図ることで、効率的な運送管理をめざします。  

 傭車に設置したIoT端末から、「LTE-M」により、位置情報や急ブレーキの頻度などの運行状況を自動収集します。これまではドライバーへ電話確認で到着確認を行っておりましたが、本実証実験では専用のポータルサイトで、位置情報や急ブレーキの頻度を表示しリアルタイムで閲覧できるようにするほか、傭車が配送先に近づくと配送先のお客さまと伊藤忠ロジにメールで通知し、運行状況の見える化を図ります。メール通知がされることで配送先のお客さまは配送状況を把握できるため時間を有効活用することができます。本実証実験では、ITOCHU LOGISTICS USAの配送ネットワークを活用し、運送の位置管理や安全管理の有効性を検証します。伊藤忠ロジが取得可能な情報として、他にも温度や湿度、明るさなどもあり運送するものに合わせたニーズに対応可能なため、傭車を選択する際に役立てることができます。

 本実証実験は、法人のお客さまのIoT製品のグローバル展開のために、ドコモがグローバル回線・オペレーション・コンサルティングをワンストップで提供するマネージドサービス「Globiot™(グロビオ™)」および 伊藤忠ロジの物流ソリューションの一環です。今後は、本ソリューションを米国以外に日本およびアジアでも展開していくことをめざします。

 ドコモとドコモUSAおよび、伊藤忠ロジとITOCHU LOGISTICS USAは今後もIoT事業における取り組みを推進し、法人のお客さまの生産性や付加価値の向上をめざしてまいります。

※傭車とは自社保有ではない運搬車両です。
*「Globiot」、「グロビオ」は、株式会社NTTドコモの商標です。

別紙
本実証実験概要

1.目的
 傭車の運行状況を見える化するソリューションにおいて、必要な機能や各種センサーの最適閾値(いきち)を検証し、「LTE-M」を活用したソリューションの有効性を評価します。

2.実証実験期間
2019年5月1日(水)~2019年6月28日(金)

3.実証実験イメージ

4.検証機能
(1)目的地到着時間の履歴閲覧機能
  配送先のお客さまと伊藤忠ロジは、対象の荷物が目的地に何時に到着したか、履歴をポータルサイトの画面から24時間閲覧が可能。

(2)目的地への配送状況のリアルタイム把握機能
  配送先のお客さまと伊藤忠ロジは、現在の荷物の位置(5分ごとに更新)をポータルサイト上でリアルタイム に把握可能。

(3)設定エリア圏内への到着通知機能
  配送先のお客さまと伊藤忠ロジへ傭車が目的地に一定距離まで近づいたらメールで通知。

5.実証実験で使用するIoT端末の仕様
(1)内蔵センサー
  GPS位置情報、明るさ、温度、加速度、湿度、バッテリー残量、気圧 

(2)省電力
  LTE-M/NB-IoTのデュアル対応
  3,400回の通信が可能(1日1回更新の場合、約10年利用可能※)

(3)防水防じん
  IP66 Rugged & dust / water-resistant enclosure

(4)サイズ
  高さ約123mm×幅約81mm×厚さ約32mm

(5)端末イメージ

6.各社の役割
 ITOCHU LOGISTICS USA
  ・傭車における本ソリューションの利用
  ・本ソリューションで使用する専用端末の設置と管理
  (各種センサー閾値の最適化への協力を含む)
  ・本ソリューション利用に関する運送会社や配送先顧客からのフィードバックをドコモUSAに提供
 ドコモUSA
  ・本ソリューション(専用端末、ポータルサイト含む)の提供と各種設定
  ・専用端末の各種センサー閾値の調整と変更
 ドコモ・伊藤忠ロジ
  ・本ソリューションの日本およびアジアでの展開を検討

※ 今回の実証実験では約10か月の利用が可能。








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#2019年4月18日