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車載用3~6セルバッテリー監視IC「S-19192シリーズ」を発売【エイブリック】
2018年12月3日
車載用3~6セルバッテリー監視IC「S-19192シリーズ」を発売
シンプルな構成でバッテリーをスタンドアロン監視、自己診断も可能な車載用IC
エイブリック株式会社(社長:石合 信正、本社:千葉県千葉市、以下:ABLIC)は本日より、車載用3~6セルバッテリー監視IC「S-19192シリーズ」の販売を開始しました。
バッテリー監視ICは、主にリチウムバッテリーの状態監視に用いられるICです。
従来、自動車やバイクで用いられる12V系電源には、鉛バッテリーが多く使われてきました。しかし、環境規制の強化により、鉛バッテリーに代わる電源としてリチウムバッテリーへの期待が高まっています。また、車の各種電子制御技術が発達する一方で、重要な制御機能用の電源が喪失するといった万が一の事態に備えるため、より確実なバックアップ電源を装備しておく必要性が高まることも予想されています。
今後、ハイブリッド車や電気自動車の普及が加速し、自動運転技術がさらに発達すると、搭載されるバッテリーの数の増加は必至です。車載バッテリーおよびそれらを監視するICには、高い品質が求められるだけではなく、故障発生時の万全な安全対策も喫緊の課題となっています。
新製品「S-19192シリーズ」は、車載用3~6セル直列バッテリー監視用ICで、(1)マイコンソフトウェアに依存しない強固なスタンドアロン監視が可能であること、(2)車載BMS(※1)のセカンダリ監視ICとして使うことでシステムの安全性向上に貢献できること、(3)偶発故障を検出する自己診断機能を搭載していること、などが特長となっています。
これらの特長により、堅牢な車載BMSをシンプルな構成で実現し、なおかつ、故障などのトラブルに対してもより高い安全性を確保することが可能となります。
ABLICは、今後も車載バッテリー監視ICにおいて高い安全性を実現するため、さらなる高精度化・高機能化を目指すとともに、より多くの車載アプリケーションに対応できる製品展開を図っていきます。
【主な特長】
シンプルな構成でスタンドアロン監視し、自己診断による故障検出も可能
マイコンによる制御を必要としないスタンドアロン動作で、バッテリーの過充電・過放電を常時監視し続けることが可能です。また、外部からリセット信号とクロック信号の2つの信号を入力するだけで、IC内部の故障を検出することが可能となる自己診断(セルフテスト)機能を搭載しています。ICを一定期間以上使用した場合に発生する可能性のある「偶発故障」により、もし過充電・過放電監視機能が損なわれた場合でも、セルフテスト機能を使ってシステムに監視機能の故障を通知することが可能です。
2. 車載BMSのセカンダリ監視ICとして使うことでシステムの安全性向上に貢献
「S-19192シリーズ」をBMSのセカンダリ監視ICとして使うことで、プライマリ監視ICが故障した場合にもバッテリーの監視を継続することが可能となり、より安全性の高いBMSを実現することが可能となります。また、「S-19192シリーズ」は動作時最大18μAと低消費電流動作が可能なため、暗電流制限要求の厳しいシステムにも使用可能です。
S-19192シリーズがシステムの安全性に与える影響分析をサポートするための機能安全分析に関するドキュメントを用意しています。詳しくはお問い合わせください。
(※1)BMS = “Battery Management System”の略
【主な仕様】
・過充電検出電圧:2.50V ~ 4.50V ±20mV
・過放電検出電圧:1.50V ~ 3.00V ±80mV
・動作時消費電流:18uA max.
・最大定格:28V
・動作温度:-40℃~+105℃
・パッケージ:16-Pin HTSSOP
・AEC-Q100対応(※2)
・PPAP対応可能
(※2)詳しくはお問い合わせください。
【用途例】
・車載BMS
【S-19192シリーズの詳細】
https://www.ablic.com/jp/semicon/datasheets/automotive/automotive-lithium-ion-battery-protection-ic/s-19192/
【Webサイト】
https://www.ablic.com/
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