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Audi e-tron GT conceptをロサンゼルスで発表【アウディ ジャパン】

2018年9月20日

ロサンゼルスモーターショー2018でデビュー/電気自動車の4ドアグランツーリスモ/生産は2020年後半に開始

2018年11月28日、インゴルシュタット/ロサンゼルス:アウディは、ロサンゼルスモーターショー2018でAudi e-tron GT conceptを発表します。映画の都、ロサンゼルスで初公開される4ドアクーペの電気自動車、Audi e-tron GT conceptは、e-tronファミリーの第3弾となるショーモデルです。このコンセプトカーの量産モデルは、約2年後に登場する予定です。

Audi Japan Press Center: https://www.audi-press.jp/

既に生産が開始されているAudi e-tron SUV、2019年に登場する予定のAudi e-tron Sportbackに続く3番目のモデルが今回発表されました。フラットなフロアアーキテクチャーを備えたこのクルマは、エキサイティングなプロポーションと低い重心を特徴としています。このクルマは、434 kW(590 hp)の最高出力により、スポーツカーに匹敵するパフォーマンスを発揮します。駆動トルクは、トルクベクタリング付きquattroフルタイム4WDシステムを介して4輪へと伝達され、アウディのダイナミックなスポーツモデルにふさわしい性能を実現しています。このコンセプトカーを、量産モデルへと移行する作業は、アウディのハイパフォーマンスモデルを開発している子会社、Audi Sport GmbHが担当します。

風洞実験室から得たインスピレーション:デザインとボディ

フラットでワイドなボディ、そして長いホイールベース。これらは、典型的なグランツーリスモの特徴です。全長4.96m、全幅1.96m、全高1.38mのAudi e-tron GT conceptは、まさにこの特徴を完璧に備えています。軽量な4ドアクーペのボディは、マルチマテリアル構造を使用して製造されています。この構造は、カーボン製のルーフ、数多くのアルミニウム製コンポーネント、そして高強度鋼から製造されたサポートエレメントから構成されています。このテクノロジーは、ポルシェと密接に協力して開発されましたが、そのデザインとキャラクターは、完全にアウディのDNAを受け継いでいます。

リヤエンドまで流れるような弧を描くAudi e-tron GT conceptのルーフラインは、アウディの美しいデザインを象徴するSportbackのスタイルを反映しています。このラインは未来に向けてさらに進化を遂げ、アウディのデザイン言語を次の革新的な段階へと引き上げています。現在のアウディモデルと比較した場合、リヤに向かってキャビンが大きく絞り込まれたデザインが際立った印象を与えます。ホイールアーチとショルダー部分には立体的な造形が施され、電気自動車には珍しいフラットなフロアとともに、Audi e-tron GT conceptの低い重心とダイナミックなポテンシャルを強調しています。幅広いライン、ボディに設定された数多くの機能エレメント、ホイールアーチのエアベント、そしてソリッドなリヤディフューザーは、風洞実験室から生み出されたものです。燃料消費量を削減する優れた空気抵抗係数と低い揚力係数が、このクルマのデザインの視覚的特徴となっています。

前後ホイールアーチ間のシル部は、外側に張り出しており、キャビンと独特なコントラストを醸し出しています。このシル部は、Audi e-tron GT conceptのエネルギー源であるバッテリーが、この位置に搭載されていることを暗示しています。5本ツインスポークのホイールデザインも、視覚的な統一が図られています。ダイナミックなデザインにより、空気抵抗を削減しながらも、ブレーキディスクを冷却するためのエアフローを最適化しています。サイドビューでは、285/30サイズのタイヤを装着した22インチホイールが明確な存在感を放っています。

アウディデザインを象徴するシングルフレームグリルは、フロントセクションの中央に設置されています。これまでに発表された2つのe-tron SUVと比較すると、そのアーキテクチャーは、より水平基調になっています。グリルの上部には、ボディカラーで塗装されたカバーが装着されています。その表面構造は、Audi RSモデルのグリルに採用されているハニカムパターンを想起させます。Audi e-tron GT conceptに採用されたこのフロントグリルは、このクルマがAudi Sport GmbHの未来のモデルであることを示しています。

ボディのエアフローを調整したことに加え、フロントに設置された大きなエアインテークによって、各種アセンブリーやバッテリー、ブレーキが効果的に冷却されます。ボンネット表面を流れるエアフローは、アウディが発表した最新のショーモデル、AiconやPB18 e-tronを想起させます。エアフローがボディ全体を包み込むように流れるため、望ましくないスワール(渦流)の発生を抑えています。

フロントセクションの矢印の形状は、レーザーハイビームを備えたマトリクスLEDヘッドライトの存在を示し、たとえ静止していても、Audi e-tron GT conceptのダイナミックな存在感を強調しています。既にVision 系のモデルで示されているように、ライトにはアニメーション機能が組み込まれ、水平方向に広がる波をイメージした短いシーケンスによってドライバーを出迎えます。これは、将来的には市販モデルに搭載される予定の新しいビジュアルシグネチャーです。

リヤビューでは、ライトストリップが車幅全体を横切って延びています。このライトストリップは、外側に向かうにつれて、ウェッジシェイプのLEDセグメントを配したリヤライトユニットへと融合されていきます。このアーキテクチャーは、e-tron GTと量産モデルのe-tron SUVを視覚的にリンクし、たとえ夜間でも、このクルマがアウディの電気自動車であることを一目で認識することができます。

ボディカラーには、キネティックダストと呼ばれる、チタニウムにも似た暖色系のダークカラーが採用されています。このカラーは、光の角度や動きに応じて、ボディ表面に美しいコントラストを生み出します。ウィンドーフレームとホイールに採用された、暖色系の艶消しアルミニウムエレメントによって、この光の効果がさらに強調されています。

現代的で持続可能な素材:インテリア

4ドア、4シーター、そして2.90mのホイールベースにより、Audi e-tron GT conceptのインテリアは、上質な雰囲気とともに、日常ユースにおける高い実用性を提供します。ここでは、インテリアの中心的要素として、運転席に視覚的な焦点が当てられています。センターコンソール、トップセクションの大型タッチスクリーン、ドアレール及びコックピットのラインがドライバーを取り囲むように設置され、各種機能やインフォテインメントをはじめとする操作系は、人間工学的に最適化されています。センターコンソールとインストルメントクラスターは、まるで宙に浮かんでいるような印象を与えます。インストルメントパネル上部には明るい色が採用され、フロアに向かうに従って徐々に暗くなっていきます。これによって、幅広い印象が生み出されています。フロント及びリヤに採用され、モータースポーツからフィードバックされたスポーツシートは、高速コーナーでも理想的なラテラルサポートを提供します。

インストルメントパネル中央のディスプレイと、センターコンソール上部のタッチスクリーンは、ブラックパネル調仕上げとなっています。これらのディスプレイは、水平基調のインテリアを強調すると同時に、広々として落ち着いた雰囲気の創出にも貢献しています。ドライバーの好みに応じて、バーチャルアナログ表示にしたり、航続距離と共にナビゲーションのマップを拡大したり、インフォテインメント機能のメニューを表示させたり、様々なレイアウトに変化させることが可能です。これらのレイアウトは、触覚フィードバックを備えたタッチスクリーンで操作します。

このコンセプトカーにおいて、デザイナーは、一貫して持続可能な素材を意図的に採用することで、現代の自動車に求められる明確なメッセージを発信しています。Audi e-tron GT conceptには、動物由来の素材は一切使用していません。インテリアの素材は、すべて植物由来のものです。シート地やトリム地には、洗練された合成皮革を使用しています。シートクッション、アームレスト、センターコンソールには、リサイクル繊維で作られたファブリックを採用しています。ヘッドライニングとウィンドーピラーのトリムは、マイクロファイバー素材によるものです。ディープパイル起毛のカーペットでさえも、ECONYLと呼ばれる、使用済みの漁網で作られた再生ナイロンを使用しています。

2つのラゲージコンパートメントを備えたAudi e-tron GT conceptは、グランツーリスモとしての優れた積載能力を提供します。ここでは、コンパクトなドライブユニットを搭載した電気自動車コンセプトの利点を最大限に活用しています。大型のテールゲートを備えたリヤコンパートメントは、最大450 ℓの容量を提供します。さらに、ボンネットの下にも、100リットルの収納スペースが用意されています。

性能と航続距離:駆動システム

434 kW(590 hp)のシステム出力は、電気自動車としては非常に印象的な数値です。前後のアクスルには、個別の電気モーターが搭載されています。どちらのモーターも、永久磁石式同期電動機(PMモーター)です。Audi e-tron GT conceptには、quattro 4輪駆動システムが搭載され、モーターが発生したトルクは、4つのホイールを介して路面へと伝達されます。電動式のquattroは、前後のアクスル間に機械的なリンクがないため、極めて精密に作動します。電子制御システムは、前後のアクスル間だけでなく、左右のホイール間の駆動力も調整します。これによって、最適なトラクションが得られます。スリップは、それが望ましい場合にのみ許容されます。

将来的に、このクルマは0~100km/hを約3.5秒で加速し、200km/hにはわずか12秒で到達することになるでしょう。航続距離を最大化するために、最高速度は240km/hに制限されています。このクルマが、多くのライバルとは一線を画している点は、連続してフル加速を繰り返すことができるポテンシャルを秘めている点です。通常の電気自動車であれば熱の問題によって出力が制限されるような状況でも、Audi e-tron GT conceptは、その洗練された冷却システムによって、モーターとバッテリーのポテンシャルをフルに発揮させることが可能です。

このコンセプトカーの航続距離は、新しいWLTPモードで400kmを超えています。必要な駆動エネルギーを供給するリチウムイオンバッテリーは、90kWh以上の容量を備え、そのフラットなデザインによって、フロント及びリヤアクスル間のフロア下全体に設置されています。このデザインの利点は、クルマの重心がAudi R8に匹敵するほど低いということです。これは、スポーティなハンドリングの面において、大きなメリットをもたらします。この低い重心に4輪操舵システムを組み合わせることによって、非常に優れたコーナリング性能とともに、スポーツカーを彷彿とさせる俊敏性と精度が実現しています。

この電気自動車は、回生システムによって最大で30%航続距離を伸ばすことが可能です。これは、Audi e-tron GT conceptのようなスポーティなクルマにとっても、不可欠な要素です。回生システムは、2基の電気モーターを使用し、電気油圧的に統合されたブレーキコントロールシステムを活用しています。ここでは、3種類の異なる回生モードを組み合わせて使用しています。それらは、シフトパドルのマニュアル操作によって起動するコースティング回生、予測効率アシスト経由で自動的に起動するコースティング回生、そして電気と油圧による減速をスムーズに移行するブレーキ回生です。0.3G以下の減速では、エネルギー回生は電気モーターだけが担当し、従来型のブレーキは使用しません。これは、すべての減速シナリオにおける90%以上に相当し、実質的に通常のブレーキ操作においては常に、エネルギーがバッテリーに戻されることになります。通常のホイールブレーキは、ドライバーがブレーキペダルを踏んで、0.3Gを超える減速が発生したときにのみ使用します。Audi e-tron GT conceptには、ブレーキ性能が低下することなしにハードブレーキングを繰り返すことが可能な、高性能セラミックディスクを装備しています。

充電時間を短縮:800V充電システム

Audi e-tron GT conceptのバッテリーは、複数の方法で充電することが可能です。具体的には、左側フロントフェンダーのフラップ内に充電用のケーブルを接続したり、アウディワイヤレスチャージングによる非接触充電を行ったりすることができます。非接触充電を行う場合は、クルマを駐車するフロアに1次コイルを備えた充電パッドを施設して、電源に接続します。交流電流の磁場により、空間を隔てて、車両のフロアに設置された2次コイルに交流電圧が生み出されます。充電出力が11kWの場合、Audi e-tron GT conceptは一晩でフル充電することができます。

この4ドアクーペは、800Vの充電システムに対応しているため、有線による充電の方がはるかに高速です。この方式では、現在使用されているシステムと比較して、充電時間が大幅に短縮されます。バッテリーを80%まで充電するのに必要な時間はわずか約20分で、これにより、再び320km以上の距離を走行することができます。もちろん、それよりも低い電圧で充電することも可能なため、あらゆる充電ステーションを利用することができます。

アウディ:電動化攻勢を継続

アウディは、2018年9月に電気自動車のSUVモデル、Audi e-tronを世界初公開して、電動化攻勢を開始しました。2025年までに、アウディは全世界の主要な市場において、12の電気自動車を発売し、電動化モデルの販売台数を全体の約1/3にすることを目指しています。SUVラインナップには、今回発表されたAudi e-tronと、2019年にデビューするAudi e-tron Sportbackが含まれます。さらに、AvantやSportbackといった、従来型のボディを備えた電動化モデルも導入されます。これらのラインナップは、コンパクトからフルサイズクラスまで、あらゆる市場セグメントを網羅します。

低い車高による非常にダイナミックなクーペであるAudi e-tron GT conceptは、ロサンゼルスモーターショー2018でデビューします。このクルマのテクノロジーは、ポルシェと密接に協力して開発されましたが、そのデザインとキャラクターは、完全にアウディのDNAを受け継いでいます。このコンセプトカーは、2020年末までに量産モデルとして登場する予定です。初回のデリバリーは、2021年初頭に行われる予定です。

アウディとポルシェの開発部門のもう一つの共同プロジェクトが、プレミアム プラットフォーム エレクトリック(PPE)です。このプラットフォームは、B~D量産セグメントをカバーする、アウディの複数の電気自動車モデルファミリーの基盤を提供します。

※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。








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