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ETCによる車両事故防止&運行管理システムを開発【古野電気】
2012年4月23日
工事現場でETC車載器を利用したシステムを初導入
古野電気㈱(本社:兵庫県西宮市、古野幸男社長)と五洋建設㈱(本社:東京都文京区、村重芳雄社長)は、ETC車載器を利用したETC車両事故防止システム(①)とETC車両運行管理システム(②)を開発し、このほど国土交通省の新技術情報提供システム(New Technology Information System:NETIS)に登録されました(ETC車両事故防止システム:HR-110026-A,ETC車両運行管理システム:HR-110027-A)。本システムは建設工事でETC車載器を利用した初めてのシステムです。
①ETC車両事故防止システム
◆ 現在、都市部等で交通量が非常に多い地域の工事現場では、工事車両の一般交通に対する安全管理が課題となっています。従来は工事車両運搬経路上に配置した交通誘導員が工事車両の接近を確認し、工事車両出入口の交通誘導員へ車両の接近を無線で通知することにより工事車両の誘導と一般車両、通行者への安全確保を行っていました。
そこで、一般車両、通行者への注意喚起、および、交通誘導員が安全に工事車両を誘導可能なシステム構築のため、全国に広く普及しているETC(電子料金収受システム)に着目して技術開発を行いました。
◆ 本システムは、工事現場近くに設置したDSRC路側アンテナがETC車載器を搭載した工事車両等を検知し、後続の一般車両に対して「工事車両減速注意」を、歩行者に対して「工事車両接近注意」等の注意喚起を電光掲示板でするとともに、交通誘導員に回転灯・スピーカーで工事車両の接近を通知を行います。
実際に本システムを導入した工事現場では、工事車両等の接近通知方法を、交通誘導員の無線からETCに変えたことによるコスト縮減と、交通誘導員への車両接近の合図を、ETCを利用して自動通知できるようにしたことにより、人的ミスがなくなり、早期かつ確実に工事車両の接近を知ることができ、安全に車両を誘導することができました。さらに、夜間時や雨天時等の視認性低下時や通過大型車両の死角になった場合でも、工事車両の接近を早期に把握できるため、関係車両でない車両の誤誘導を無くすことができるといった効果がありました。
②ETC車両運行管理システム
◆ 工事における残土等の運搬車両は、搬出時刻や車両№などを記載した日報管理が必要となります。従来は、工事現場内の軽作業員が搬出車両を日報に記入したり、搬出車両から伝票を受領し事務所で日報への入力作業を行うことにより、車両集計を行っていました。
そこで、ETC車載器を搭載した工事車両が工事現場を退出するときに、自動的に日時・車両№等を記録するシステムの技術開発を行いました。
◆ 本システムは、工事現場ゲートにDSRCアンテナの設置することにより、ETC車載器を搭載した工事車両等を検知し、日報への入力及び車両集計を自動的に行うことができます。本システムを導入することにより、工事現場では工事車両の退場管理を記録する人を配置する必要が無くなります。また工事車両の集計作業を、手入力から自動入力に変えたことにより、人的な入力ミスがなくなり、運行管理の精度を向上することができ、さらに車両集計にかかる時間の短縮が図れるなどの効果が期待できます。
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◆ 今回開発した、ETC車両事故防止システムとETC車両運行管理システムはDSRCアンテナとソフトウェアで基本構成されています。システム側にETC車載器番号を予め登録することにより使用することができますので、管理する車両に市販のETC車載器が搭載されていれば、車両に新たな投資を行う必要はありません。また、本システムはETC車載器番号を管理するシステムなので、工事現場に限らず、特定車両の入退場が頻繁に行われるバスセンターや物流センター等においても導入が可能です。
今後は、五洋建設の工事現場での検証をさらに進め機能強化を行ってまいります。また、工事現場に導入するだけでなく、本システムを応用した営業提案を行い、古野電気による外部販売を含めたシステムの普及に取り組んでまいります。
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