ニュース
新型「Aクラス」を発表【メルセデス・ベンツ日本】
2018年10月18日
・メルセデス・ベンツの対話型インフォテインメントシステム「MBUX」を搭載 ・最新の安全運転支援システムを設定 ・メルセデスの最新デザインを取り入れたエクステリア・インテリア ・ワイヤレスチャージング機能とMercedes me connectを標準装備 |
メルセデス・ベンツ日本株式会社(社長:上野金太郎、本社:東京都品川区)は、 新型「Aクラス」を発表し、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じて、 本日より注文受付を開始します。なお、お客様への納車は本年12月以降を予定しております。
新型Aクラスは、先代モデルのワイド&ローのプロポーションとアグレッシブで若々しい ボディにメルセデス・ベンツの先進技術を注ぎ込むことで快適性が大きく向上したスポーツ コンパクトモデルです。また、新しいマルチメディアシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」や部分自動運転を実現する最新の安全運転支援システム を採用するなど、これまでSクラスやEクラスなど上級モデルに搭載されていた多くの 機能を取り入れています。Aクラス、Bクラス、CLA、CLAシューティングブレーク、GLAの 5モデルで構成される新世代のメルセデス・ベンツを牽引する戦略車種を代表するモデル として、新たに生まれ変わりました。
新型Aクラスのラインアップは、1.4リッター直列4気筒ターボエンジンに7G-DCT (7速デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせた「A 180」と、充実の装備を備えた 「A 180 Style」をご用意しました。
MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)
新型 A クラスはメルセデス・ベンツとして初めて、新開発の対話型インフォテインメント システム MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)を搭載しています。その 最大の特長の 1 つが、人工知能による学習機能で、特定のユーザーに適応する個別対応 能力を備えています。そのため、クルマ、ドライバー、乗員の間に心の結びつきが育まれます。 その他のメリットとしては、高精細ワイドスクリーン コックピット(10.25 インチワイド ディスプレイでタッチスクリーン操作対応)や、自然対話式音声認識機能を備えたボイス コントロールなどがあります。ボイスコントロールは「Hi ハイ , Mercedes メルセデス 」をキーワードとして起動します。
標準装備される新型自然対話式音声認識機能は多くのインフォテインメント機能 (目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加え、 クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な便利機能にも対応しています。
従来の音声認識機能は命令語が決まっていて、ユーザーがそのとおりに発話する必要 がありました。これに対して MBUX の音声認識機能は、自然言語認識機能の搭載により、 事実上ほとんどの命令に従い、インフォテインメントおよび車両操作関連の文章を認識・理解できます。人間が機械に合わせるのではなく、その逆になります。遠まわしな表現 にも対応します。例えば、クライメートコントロールで温度を下げる場合、「温度 24 度」 という明確な命令ではなくても、「暑い」と言えば理解します。
また、学習能力も備えています。クラウド上のソフトウェアモデルによって新しい流行語 を覚えたり、時代による言葉の用法の変化を学習したりします。対話の出力においても、 これまでのように定型文言ではなく、受け答えがさまざまに変化します。
言語支援機能の基本的動作原理は、音声入力からバックグラウンドノイズを除去し、 圧縮して転送します。ボイスコントロールは、車載コンピューターとクラウドを両方使って 音声をできるだけ正確に理解し、ユーザーの要求に応えるハイブリッドシステムとなっています。
車載コンピューターとクラウドの両方でデータを評価し、それぞれ応答を送ります。システム はどちらの応答がより確からしいかを判断し、数秒以内に応答/反応します。このような ハイブリッド方式とした結果、MBUX は他の多くの支援機能とは異なり、インターネットに 接続しない状態でも応答できるシステムとなっています。
MBUX は高度な個別対応能力を備え、さまざまな設定を行うことが可能です。また、 学習能力も持っており、ユーザーに合わせて適応します。
MBUX に備わる予測機能は、人工知能を利用しており、ユーザーが次に何をしたいか を予測します。例えば、定期的に決まった電話番号へ電話をするユーザーに対しては、 その時刻になるとディスプレイに相手の電話番号を「おすすめ」として表示します。また、 決まった時刻にラジオを放送局に切り替える方には、この切り替えを提案します。
さらにナビゲーションシステムにおいては、ユーザーがよく通行するルートを検知すると、 そのルートを使う目的地への案内を早速バックグラウンドで開始します。そしてナビゲーション 画面に、例えばフィットネスクラブなどを「おすすめ目的地」として表示します。そこへ行く ことを確認するだけで、渋滞に関する警告など、ルートに関するあらゆる情報をすぐに得る ことができます。
ワイヤレスチャージング機能
スマートフォンのコネクティビティ関連機能も拡張されました。。また Qi規格対応機種の 携帯電話を無線充電する「ワイヤレスチャージング機能」を前席に全車標準装備しています。
エクステリアデザイン
新型Aクラスのエクステリアは、メルセデス・ベンツのデザイン思想「Sensual Purity (官能的純粋性)」をさらに一歩進め、コンパクトな2ボックスデザインをベースにサイズ やプロポーションを最適化しました。スポーツ性、ダイナミズム、エモーションを表しており、 先進的なフロントデザインは、低いボンネットと、クロームをあしらったフラットなLEDヘッド ライト、風になびくトーチを想起させるデイタイムランニングライトにより、感情に訴えかける 魅力的な造形を形成しています。スリーポインテッドスターを配したフロントグリルは、 末広がりのデザインのほか、ダイヤモンドグリルとシルバーのルーバーを走らせることで、 Aクラスのスポーティな印象を強調しています。
サイドビューは、先代モデルより伸長したホイールベースとキャラクターラインにより 全長を長く見せています。ボンネットは傾斜をつけることで、ほぼ垂直のダイナミックな フロントエンドを強調しています。16インチや 18インチのホイールが収まるホイールアーチは、新型 A クラスのスポーティな性格を際立たせるとともに、安定したスタイリングを生み出 します。
リヤエンドは幅が広がった印象を与えますが、これはショルダー部を強調しグリーンハウス 下のくびれが大きくなったことと、モジュール型 2分割リアバンパー内蔵のリフレクターの 間隔が広くなったことによるものです。スリムな 2 分割リアコンビネーションランプは、 感情に訴える魅力的な外観が特長です。
新型 Aクラスのエアロダイナミクスは、セグメントトップの Cd値 0.25*1です。
*1: 欧州仕様参考値
技術者たちはこの目的を果たすべく、コンピューターによる気流シミュレーションや 風洞実験による最適化など、細かな仕事を精力的にこなしたほか、その結果をもとに、 一連の効果的な対策を施しました。
前後に設けたホイールスポイラーは特殊な最適化を施し、ホイールまわりの気流損失 を抑えています。さらに、ホイールアーチをエンジンルームから隔離するとともに、ラジエター の周囲にシールを施しました。これによって、冷却気をより正確に導くとともに、冷却システム の効率化を図っています。
これに加え、以下のようなさまざまなきめ細かい空力対策が施されています。
• ヘッドライトの周囲をシール
• 新型ドアミラーはベルトラインに配置
• ボンネットとフロントスカートの合わせ目にエアロリップを設置
• 大型ルーフスポイラー、サイドスポイラー、スポイラーリップにより空気抵抗と揚 力を低減
• エンジンルームおよびメインフロア、リアアクスル、ディフューザーのパネルを
大型化したアンダーボディパネル
• リアエグゾーストサイレンサーおよびヒートシールドの形状を改良
• ホイールおよびタイヤの空力特性最適化
ウインドノイズも先代に比べて大幅に低減されています。低周波ノイズについては 数値シミュレーションにより発生源を特定し、設計を工夫することで実質的に低減した後、 テスト装置上で詳細な微調整を行いました。
高周波のウインドノイズについては、A ピラーの形状とそれに関連するベルトラインに 取り付けた新型ドアミラーに注力しました。ドアミラーの形状と設置位置も最適化されており、 ウインドノイズと空気抵抗が低減されています。そのほか、ウインドスクリーンまわりの シールの構造や、トリムおよび取り外し可能部品のシールも大幅に改良しています。
インテリアデザイン
新型 A クラスの室内は、現代的で前衛的なデザインを取り入れています。広々とした スペースにより、コンパクトクラスに新たな基準を打ち立てます。そのユニークなアーキ テクチャーの最大の特長が、ダッシュボードのデザインです。今回初めてインストゥルメント クラスター上方のカウルを廃止しました。その結果、翼のような形をしたダッシュボード本体 は、一方のフロントドアから反対側のフロントドアまで、途切れなく続いています。ワイド スクリーンディスプレイはオンダッシュで、タービンを想わせるスポーティなエアアウトレット も目を惹きます。
ダッシュボードは、立体形状を持つ 2 つの水平部分に分割されています。下部分は、 ダッシュボード本体から「溝」によって視覚的に分離されており、ダッシュボードの手前に 浮いているかのように見えます。アンビエントライトも、この効果を高め、下部分の宙に 浮いた感じを強調しています。オプション設定のアンビエントライトは全 64 色と、先代 モデルの 5 倍に拡大しました。また、64 色を 10 種類の色彩の世界にまとめることで、 鮮やかな色の変化を伴うライティングを実現します。
新型Aクラスは利便性も大きく向上しており、若々しさに加え、これまでになく熟成の度 を増しています。ショルダールーム、エルボールーム、ヘッドルームが拡大されるととも に、後席への乗降性が向上しました。このほかの大きなメリットとして、ラゲッジルームが 拡大され、ご家族でのお出かけやレクリエーションの際の利便性が増したことが挙げら れます。また、全方位視認性も大きく改善されており、安全性や解放感が高まりました。
新型 A クラスのラゲッジルームは、容量が先代モデルよりも 29L 大きい 370L*2へと拡 大されています。リアコンビネーションランプは 2分割構造となっており、そのためテール ゲートの開口部がこれまでより 20cm*3 広くなったほか、ラゲッジルームフロアの長さも 11.5cm*4 拡大しています。さらに必要な場合にリアシートのバックレストをさらにほぼ垂直 まで起こし、大きな箱などを効率良く積み込むことができます。室内の収納コンセプトも 同じく実用性に優れています。センターコンソールのシフトレバー前方の小物入れは、 これまでよりはるかに大きくなりました。センタートンネルに設けられたカップホルダーは 容量 0.5L までのマグカップや缶飲料、ボトルを置くことができます。全方位視認性の改善 についても、きめ細かな配慮がなされています。全体として先代モデルに比べてピラー による死角が 10%*5減少しました。
*2/*3/*4/*5: 欧州仕様参考値
シャーシ
新型 A クラスがもたらす成熟したプレミアムカーとしてのドライビングフィールの大きな 要因となっているものが、静かで振動の少ない走りです。サスペンションを車体に対して 効果的に防振したこと、空気音響面の対策を施したことに加え、ボディシェルそのものが 決定的な役割を果たしています。開発中は、全体的な構造剛性の強化とともに、ボディ、 サスペンション、パワートレイン間の接続部を特に重視しました。これらの振動入力点の 剛性については、ロードノイズに関して非常に重要なサスペンション取付ポイントで大幅 な向上を果たし、室内に侵入するノイズがかなり低減されました。
新型 A クラスの包括的な遮音対策では、空気および冷媒管理システムや室内トリム パーツなどのコンポーネントの工夫による遮音強化も施されています。風切音も先代に 比べて大幅な低減を実現しました。
インテリジェントドライブ:Sクラスと同等の安全運転支援システムを導入
メルセデス・ベンツの自動運転開発の次のステップとなる技術は、特に高速道路での 渋滞の際に、運転支援機能によりドライバーにかかる負担を大きく軽減するシステムです。
新型 A クラスには昨年発表された「S クラスセダン」と同等のシステムをオプション設定 しています。先行車との車間距離のみならず周囲の交通状況(車両、車線、ガードレール など平行な物体)を常に監視して、従来よりもステアリングアシストが作動する状況が大幅に 拡大しました。しかも、車線が不明瞭または表示されていない場合には先行車を追従します。 また、システム起動時に高速道路上で自動停止した場合、30秒以内(一般道は3秒以内) であれば自動再発進が可能*6 となり、渋滞時のドライバーの疲労を大幅に低減します。 その他の革新技術、「アクティブレーンチェンジングアシスト」は、ドライバーがウインカーを点滅させた場合、行き先の車線に車両がいないことを確認して、自動で車線を変更します *7。 さらに、走行中にドライバーが気を失うなど万が一の場合には、自動的に車線を維持 しながら緩やかに減速・停止する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」も搭載しました。
*6: A 180 Styleにレーターセーフティパッケージとナビゲーションパッケージ装着の場合のみ
*7:高速道路を走行中アクティブステアリングアシスト作動時に起動します。
マルチビーム LEDヘッドライト*8
マルチビーム LED ヘッドライトは、ヘッドライトをその時の走行状況にきわめて高速かつ 精密に電子制御することができます。左右それぞれに、個別制御される LED 18 個を搭載 していますが、この LEDの昼白色の光は目に優しい上、ドライバーの集中力を高める効果を もたらします。前方の路面を正確に、そして明るく照らし出します。なお、標準装備はLED ハイパフォーマンスヘッドライトとなります。*8: オプション設定
マルチビーム LEDヘッドライトの主な機能
• 郊外道路や高速道路では可変型ロービーム(ハイウェイモードでは射程を約 50m 拡大)。
• 右左折時にはコーナリングライトが自動点灯。点灯条件は、速度 40km/h 以下で ウインカーを操作した場合と
70km/h 以下で急カーブに進入した場合。後退時は 両側のコーナリングライトが点灯し、
外輪差でフロントが外側に振れる範囲を照ら します。
• シティライト。密集地域を低速走行する場合、配光範囲を拡大します。
• アダプティブハイビームアシスト・プラス。前方を遠くまで明るく照らします。
対向車 や前走車に光を当てないよう、個々のハイビームモジュールを部分的に遮光する 機能を
備えることから、常時点灯が可能。街灯のない等暗い道路を 30km/h以上 で走行中に機能します。
パワートレイン
A 180 はデルタ形シリンダーヘッドなどの革新技術を採用した M 282 エンジンを搭載 しています。
排気量 1.33 リッター、オールアルミニウムの M 282 は、先代 1.6 リッターエンジンと 比べると、出力は 14PS増強されています。特長は、超小型、軽量、優れた動・静剛性です。 ターボチャージャーは電子制御ウェストゲートを搭載しており、フレキシブルな過給圧制御 により、低負荷域においても最適な過給圧を設定することができます。
もう1つの技術的な特長であるデルタ形シリンダーヘッドは、通常のシリンダーヘッドに 比べると、装着時の高さがある一方、幅や重さははるかに小さくなっています。そのほか、 インテークマニホールドとエグゾーストマニホールドを半一体型としてコンパクト化を可能 にしたことも、メリットとなっています。ダイムラーは、最大圧力250barの高圧インジェクション ポンプを省スペースで配置する技術に対して特許を取得しています。多孔式インジェクション ノズルを燃焼室の中央に置き、バルブに燃料ジェットを当てずに燃料を噴射するものです。
この新開発の高圧縮比 4気筒エンジンは、ノイズの低減に力を注ぎました。吸気ダクト にヘルムホルツ共鳴器を採用、触媒コンバーターには遮音シールを施したほか、カバー もノイズ低減の役目を持たせています。
サスペンション
フロントサスペンションは、これまでの A クラスの伝統にのっとりマクファーソン式を継承し、 リアサスペンションにはトーションビーム式を採用しました。
ボディとパッシブセーフティ
最高水準の安全性と静粛性
優れた衝突安全性と静粛性の土台となるのは高剛性・高度設計ボディです。加えて 安全性については、設計通りに変形するクラッシャブルゾーン、静粛性についても改良 されています。しかしながら、ボディシェルの重量は先代モデル並みを維持しました。
新型 Aクラスは、メルセデス・ベンツとして初めて、新設の車両安全技術センター(TFS) で開発されたモデルです。その車両構造の設計には、実際の事故調査で得られた知見 が生かされています。ボディシェルのコンポーネントは 1 つひとつ、そこにかかる負荷や ストレスを考慮して、幾何学形状や材料肉厚、接合技術、材料品質(高張力および超高 張力シートスチールの使用率を高める)面の開発を行いました。前面衝突、側面衝突、 後面衝突、横転などの事故で発生するストレスに対して高い剛性を持つ主な理由は、 高張力スチール、超高張力スチール、熱間プレスの使用を拡大したことによるものです。
サイドウォールの全体強度を高めるべく、横方向剛性に優れたフロアアッセンブリーが 採用されています。このため、フロントフットウェルにおいては、フロントサイドメンバーの 内側シェルとセンタートンネルの間に、補強材を内側に 2つ、外側に 1つ設けています。 またリアには、連続するシートクロスメンバーを設けています。そしてこれらを補うべく、 シートフレームにチューブ材を採用することでシートの横方向剛性を高めています。
Bピラーは、上部には熱間成形超高張力スチールによりきわめて高い剛性を与える一方、 下部は変形可能な延性スチールでわずかに剛性を抑えることにより、非常に優れた 変形動力学特性を実現しています。スチールドアは専用の補強材を備えるほか、サイド シートや B ピラー被覆部内部に衝撃吸収材を設けることで、さらに保護効果を高めています。
フロントセクションの構造安全性については、以下のような特殊な対策が実施されました。
- 熱間プレスによる堅牢なファイアウォール クロスメンバーを Aピラー間に設置
- 複数の平行する荷重伝達経路:非対称前面衝突(オフセット衝突)における 荷重分散を改善
- 上側衝撃吸収レベルのサイドメンバーを Aピラーに接続
- フロントサイドメンバーからの衝撃荷重を効果的に分散する特殊な補強 Aピラー
- 中間の衝撃吸収レベルに特殊な衝撃動力学特性を備えるサイドメンバーを採用
- 多層構造フロアにより最適なエネルギー吸収を実現
- フットウェルを保護するペダルフロアクロスメンバーを追加
- 連続フロアサイドメンバー:先代よりも断面積と材料肉厚を大きくすることで、
アンダーボディ構造へのエネルギー伝達を改善
- フロント構造の設計で前面衝突時の他車両との適合性を考慮(他の通行者の保護)
今回小型化した駆動ユニットも重要な役割を果たします。前面衝突時に、ボディ構造とともに 減速を均一化する働きをすることで、メルセデス・ベンツならではの優れた乗員保護性能 の確保に貢献します。しかも衝撃の程度によっては、エンジンとトランスミッションが設計 に従って移動し、新型インテグラルキャリアから外れます。 テールゲート型の 車両においては、開口部を広げることによる強度不足を補うため、 リアボディ構造の設計には特に注意が必要になります。例えば E クラス ステーションワゴン で長年にわたって大きな成果を上げてきた構造コンセプトとして、2 つの周辺部が挙げられます。 すなわち、Cピラー高さのいわゆるCリングと、テールゲート開口部を取り巻くDリングです。 D リングの独自の形状によって、C リング下部を完全にリアフロアより下に置きながら、 先代の優れた剛性を維持することが可能となりました。これにより、積載容量が増えると ともに、フラットなラゲッジフロアが実現しました。
レストレイントシステム
レストレイントシステムで最も重要なものがシートベルトです。全てのシートに 3 点式シートベルト を、前席と後席左右にベルトフォースリミッター付シートベルトテンショナーを備えています。
エアバッグは、SRS エアバッグ(運転席、助手席)のほか、SRS ニーバッグ(運転席)、 SRS ウインドウバッグが標準装備となります。このうち SRS ウインドウバッグは、A ピラー もカバーするもので、乗員保護効果をいっそう高めています。また、SRS サイドバッグ (ペルビス・ソラックス)は前席に標準装備しています。
SRSエアバッグ(助手席)の自動機能解除
助手席シート座面に内蔵された圧力センサーにより着座の有無や、乳幼児用などの チャイルドセーフティシートの装着の有無を検知し、チャイルドシートの装着がある場合は、 助手席 SRS エアバッグの機能を自動で解除します。解除にキーが必要な他のシステム とは異なり、誤作動のリスクが軽減されます。また、専用トランスポンダーも不要なため、 通常の全ての後ろ向きチャイルドセーフティシートに対応します。
歩行者保護:アクティブボンネット
歩行者など、自ら「クラッシャブルゾーン」を持たない弱い立場の通行者との衝突では、 衝撃を緩和することが非常に重要になります。ここで真価を発揮するのが、インテリジェント ドライブのアクティブセーフティシステムです。衝突が避けられない場合、歩行者の被害 軽減を目的にさらに開発を進めた対策が効果を発揮します。
この中でもアクティブボンネットは重要な要素となっています。その技術的基盤となるものが、 包括的なセンサーシステムとSRSエアバッグ制御装置に内蔵された高度なアルゴリズムで、 エアバッグ起動のタイミングを判断するものです。火工式アクチュエーターが起動すると、 ボンネットはヒンジ上で瞬時に 80mm ほど上昇し、エンジンルームのコンポーネントとの 間の空間を拡大します。また、保護効果を高めるため、ウインドスクリーン下に比較的柔軟な クロスメンバーを設けていますが、この部分は、歩行者の頭部が衝突した際に潰れやすいよう、 U字形となっています。
騒音と振動
新型 Aクラスがもたらす静かで振動の少ない走りは、成熟したプレミアムなドライブフィール の大きな要因となっています。
サスペンションを車体に対して効果的に防振したこと、空気音響面の対策を施したこと に加え、ボディシェルそのものが決定的な役割を果たしています。
開発中は、全体的な構造剛性の強化とともに、ボディと、サスペンション、パワートレイン間 の接続箇所を特に重視しました。これらの振動入力点の剛性については、ロードノイズ に関して非常に重要なサスペンション取り付け点で大幅な向上を果たし、室内ノイズが かなり低減されました。 先代モデルを 検証した結果、フロントアクスルのガイドベアリングと、サブフレームの後部 接続部が主な振動入力点と特定されました。そこで、フロントアクスルガイドベアリング部の 入力点剛性を大幅に高める小型の高剛性インテグラルキャリアを採用しました。
キャビンへの騒音の侵入を軽減すべく、ファイアウォールは高品質の射出成形品が採用 されています。これには深絞り部品とは異なり、肉厚を一定にできるメリットがあります。 曲面の形状が大きく変化しても、肉厚が減少しません。
テレマティクスサービス「Mercedes me connect」を標準設定
自動車が通信することによりお客様の利便性を向上する先進的なテレマティクスサービス 「Mercedes me connect」は、「24時間緊急通報サービス」などを最長10年間無償でご提供する 「安心安全サービス」、「Send2Car」などを3年間無償でご提供する「快適サービス」の2つ のサービスカテゴリーから構成されます。
「安心安全サービス」
- 24時間緊急通報サービス:事故検知時(エアバッグ、シートベルトテンショナー 展開時)
または車内にあるSOSボタン押下時に、コールセンターが消防に連絡 します。
– 24時間故障通報サービス:ツーリングサポートが必要な際に、
meボタンを押すと ツーリングサポートセンターにつながります。
「快適サービス」
– リモートドアロック&アンロック:スマートフォンの操作で車両ドアのロック、
アンロックができます。
- リモート(車両)ステータス確認:車両の走行距離、燃料計、平均燃費等の 状態を
アプリ等で確認できます。 – 駐車位置検索:駐車した車両の位置をアプリの地図上に
表示します。
– Send2Car: スマートフォンから、ナビゲ―ションの目的地を遠隔設定できます。
また、オプション設定のナビゲーションパッケージを装着すると、Mercedes me connect のナビゲーションサービス(天気やガソリン価格情報を地図上に表示)や、USBオンデマンド 地図更新をご利用頂けます。
なお、新型「Aクラス」には、新車購入から3年間、一般保証修理/定期メンテナンス (点検整備の作業工賃・交換部品)/24時間ツーリングサポート/地図データ更新が無償で 提供される走行距離無制限の保証プログラム「メルセデス・ケア」が適用されます。
また、メルセデス・ケア期間中には、ご希望のモデルを3回無料でご利用いただける 週末貸出サービス「シェアカー・プラス」もご利用頂くことが可能です。
さらに、メルセデス・ケア終了後、有償の保証延長プログラムとして、一般保証および 24時間ツーリングサポートを2年間延長する「保証プラス」と、4、5年目のメンテナンス サービスにおいて、初回車検時および4年目の点検や定期交換部品、消耗品の交換を パッケージでご提供する「メンテナンス プラス*10」をご用意しています。
*10: 新車登録日から 59 ヶ月後の応当日の前日、または総走行距離 75,000km 到達時のいずれか
早い時点で終了 となります。
メルセデス・ベンツ A 180 Style (AMGライン装着車)
Aクラスに搭載される安全運転支援システムの詳細説明
「インテリジェントドライブ」
飛躍的に進化した「レーダーセーフティパッケージ」
高度化されたステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーの働きにより周囲の 交通状況をより的確に把握することができるようになり、機能が大きく強化されました。
・ アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付*11)
・ アクティブステアリングアシスト
「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付)」は、ステレオ マルチパーパスカメラとレーダーセンサーにより、高速道路などの走行時に先行車 を認識して、速度に応じて車間距離を調節します。減速が必要な場合、アクセル およびブレーキを自動調整してスムーズに減速し、先行車が停止した場合は自車 も停止します。また、新たに停止している先行車の検知も可能となりました。先行車 および停止中の車両との距離が突然縮まった場合には、警告灯と警告音でドライバー に知らせます。
自動再発進機能*11も備わり、高速道路での渋滞時に自動停止した際、30秒以内 に先行車が発進した場合は、ドライバーがアクセルを踏まなくても自動で再発進します (一般道では 3 秒以内)。30 秒以上停止していた場合は、アクセルを軽く踏む、または ステアリング上のスイッチを使用して再発進が可能です。 「アクティブステアリングアシスト」は、車線のカーブと先行車を、車線が不明瞭な道では ガードレールなどを認識し、車間を維持しながらステアリング操作をアシスト*13 します。
*11: A 180 Styleにレーターセーフティパッケージとナビゲーションパッケージ装着の場合のみ
*12: アクティブディスタンス・ディストロニック
(自動再発進機能付)作動速度範囲:0~約 210km/h 設定可能速度範囲:約 20~210km/h
*13: 車線が不明瞭な場合のアクティブステアリングアシスト作動範囲:0~約 130km/h
・ 渋滞時緊急ブレーキ機能
ステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーで、先行車およびその左右の 車線を監視します。突然渋滞の最後尾が現れた場合などに、前走車との衝突の危険を 検知します。その左右などに回避スペースが無いと判断すると、即座に自動ブレーキが 作動し、衝突回避または被害軽減を図ります。回避スペースがある場合は、ドライバー の回避操作を優先します。ただし、ドライバーが反応しない、または回避操作が 遅れて衝突が回避できないと判断した場合には、即座に自動ブレーキが作動します。 さらに、渋滞末尾で回避操作を行う空間的余裕がない危険な状況を検知して、 通常よりはるかに早い段階でブレーキを自動で作動させる機能も搭載しました。
・ アクティブレーンチェンジングアシスト
高速道路を走行時にアクティブステアリングアシストが起動している際に、ドライバー がウインカーを点滅させると 3 秒後に車両周囲を監視しているセンサーが他の車両 などとの衝突の危険が無いことを確認し、安全が確認された場合に自動で車線を 変更します。また、ドライバーがウインカーを作動させたときに周囲の状況により 車線変更ができない場合でも、10 秒以内であれば、システムが車線変更できる かどうか確認し続け、自動で車線変更を行います。その際、作動状況をマルチ ファンクションディスプレイに表示します。
*14: A 180 Styleにレーターセーフティパッケージとナビゲーションパッケージ装着の場合のみ
*15: 作動速度範囲:約 80km/h~180km/h (一般道での利用不可)
・
アクティブエマージェンシーストップアシスト
アクティブステアリングアシストが起動している際に、ドライバーが一定時間ステア リング操作を行わない場合、警告灯と警告音によってステアリングを握るよう促し、 それでもドライバーがステアリング、アクセル/ブレーキ、タッチコントロールボタンの 操作の反応が無い場合は、さらに警告音を鳴らしながら、緩やかに減速して停止します。 また、車両停止後は自動的にパーキングブレーキがかかることで、後方からの衝突 による二次災害を防止します。
*16: A 180 Styleにレーターセーフティパッケージとナビゲーションパッケージ装着の場合のみ
・ アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し検知機能付)
先行車、前を横切る車両や合流してくる車両、歩行者、路上の物体などとの衝突 の危険性を感知すると、ディスプレイ表示や音でドライバーに警告します。必要な場合 はシステムが衝突を回避するために強力な制動力を発揮できるようブレーキ圧を 高めます。同時に、前席のシートベルトの巻き上げや助手席のシートポジション修正 など、衝突時に乗員の最適な姿勢を可能な限り確保する PRE-SAFE®機能も作動します。 ドライバーが反応しない場合、システムが衝突を避けられないと判断して、最大の ブレーキ力で自動緊急ブレーキが作動します。衝突の回避もしくは被害軽減を効果的 にサポートします。なお、交差点での車両飛び出しにも対応します。
*17: 作動速度範囲:約 7~250km/h
*18: 歩行者検知機能 作動減速範囲:約 7~70km/h
*19: 作動速度範囲は、気象条件や道路状況等により変動することがあります。
・ 緊急回避補助システム
車両前方にいる車道横断中の歩行者などとの衝突の危険を検知すると、システム が正確なステアリングトルクを計算して、ドライバーのステアリング操作をアシスト します。また、回避後の車線復帰も同様にサポートします。
*20: 作動速度範囲:約 20~70km/h
・ トラフィックサインアシスト
一般道や高速道路を走行中、カメラが制限速度などの標識を読み取り、ディスプレイ に表示し、制限速度を超えた際には警告音を出してドライバーに注意を促す機能も 搭載します。
・ アクティブレーンキーピングアシスト
フロントウインドウのステレオマルチパーパスカメラが車線を検出し、フロントホイール が走行車線を越えたと判断するとステアリングを断続的に微振動させてドライバー に警告します。ドライバーが反応しない場合は自動補正ブレーキによって車両を 車線内に戻そうとします。なお、破線の車線走行時には隣車線の車両もしくは対向車 と衝突の危険がある場合にのみ作動します。
*21: 作動速度範囲:約 60km/h~200km/h
・ アクティブブラインドスポットアシスト(降車時警告機能付)
リアバンパー左右のレーダーセンサーにより、車両の斜め後ろのミラーで見えない 死角エリアに車両や自転車がいることを警告します。さらに、30km/h 以上で走行時に 側面衝突の危険がある時にはブレーキを自動制御して、危険回避をサポートします。 追い越し車線に移ろうとして斜め後ろにいる車両に気づかなかった時など、ドライバー の不注意によるミスを予防し、安全な走行を支援します。また、エンジン停止から 3分間、障害物が後方から近づくと、サイドミラー外側の警告灯が点灯し、さらにドアを開け ようとすると、警告音を発することで、死角から近づく障害物と、開けたドアが接触 することを防止する「降車時警告機能」を追加しました。
*22: 作動速度範囲:約 12~200km/h
*23: 自動コース修正作動減速範囲:約 30~200km/h
・ PRE-SAFE®プラス(被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム)
リアバンパーに設置されたレーダーセンサーが後方のクルマを監視して車間距離と 接近速度から衝突の危険があると判断すると、ハザードランプを素早く点滅させて 後続車のドライバーに警告するとともに、インジケーターによりドライバーに警告します。 自車が停止中で後続車が十分に減速しない場合は、後方からの衝突に備えて ブレーキ圧を高めます。これにより玉突き衝突の回避など二次被害の軽減をサポート します。さらにシートベルトテンショナーも作動させ、衝撃の影響の低減を図ります。
・ PRE-SAFE®サウンド
システムが不可避の衝突を検知すると、車両のスピーカーから鼓膜の振動を抑制 する音を発生させ、鼓膜の振動を内耳に伝えるあぶみ骨筋の反射収縮反応を引き 起こします。この収縮によって衝撃音の内耳への伝達を軽減します。
ドライバーを支援するその他のシステム
・ ドライブアウェイアシスト
車両前方もしくは後方 1m 以内に障害物があり、その方向に進むギアを選択した場合、 アクセルを強く踏んでも時速 2km/h 以上の速度が出ず、警告音によりドライバーに 誤操作の可能性があることを警告します。
*24: 停止した際に、一旦 Pにシフトした後、Dか Rに入れる必要があります。
通常走行中に停止し、Pにシフト せずに再発進をする場合は、本機能は作動しません。
*25: 時速 2km/hで走行し、警告にも関わらずドライバーがブレーキを踏まない場合は障害物に衝突します。
*26: 停止した際に障害物から 1m以上離れている場合、本機能は作動しません。
・ アクティブパーキングアシスト
約 35km/h 以下で走行中、超音波センサーが左右の最適な駐車スペースを自動 で検出し、縦列駐車、並列駐車スペースへの出入りの際にドライバーをサポートします。 自動操舵・ブレーキ・シフトチェンジ・速度コントロール機能により、自動で駐車します。 複数の駐車スペースを選択することもできます。アクティブブラインドスポットアシス トとの組み合わせで働く「リアクロストラフィックアラート」は、並列駐車スペースから バックで出る際に、後ろを横切るクルマを検知してドライバーに注意を促すとともに、 必要に応じて自動でブレーキを作動させます。
メルセデス・ベンツ日本株式会社ホームページはこちら