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新たなコンセプトの限定シリーズ「Icona」最初のモデル、歴史を築いたレーシングスポーツカーのイメージを引き継ぐ【フェラーリ・ジャパン】
2018年10月3日
Ferrari Monza SP1 & SP2
新たなコンセプトの限定シリーズ「Icona」最初のモデル、
歴史を築いたレーシングスポーツカーのイメージを引き継ぐ
2018年10月2日、フランス・パリ発 Ferrari Monza SP1およびSP2は、「Icona(イーコナ)」と呼ばれる新しいコンセプトの記念すべき最初のモデルです。フェラーリの歴史の中でも、とりわけ刺激的な存在を示した車輌をモチーフとし、特に大切なお客様とコレクターの方々に向けて展開する新しいセグメントのスペシャル限定シリーズです。目指すのは現代の美意識に基づいて時を超えたスタイルを実現すること。絶え間ないイノベーションによって先進的な技術コンポーネントと最高のパフォーマンスを備えたモデルです。
Ferrari Monza SP1とSP2は、50年代のバルケッタをモチーフにしています。当時、スクーデリアのワークスドライバーだけでなく、世界各国のジェントルマン・ドライバーが国際的なモータースポーツ・イベントに参戦しては、しばしば伝説的なプロフェッショナルドライバーとサイド・バイ・サイドの接戦を繰り広げていました。
フェラーリ最初のバルケッタは、1948年にリリースした166MMのオープントップバージョンです。「barchetta」のネーミングは、その年のトリノ・モーターショーでこのモデルを初めて目にしたジョヴァンニ・アニエッリが「これは自動車というよりもバルケッタ(イタリア語で小型のスピードボートの意)のようだ」とコメントしたことで付けられました。当時のカロッツェリアのひとつ、トゥーリングのボディを架装した166MM barchettaは、モータースポーツの歴史にフェラーリの名を刻みます。ミッレ・ミリアで最初の勝利を飾ると、1949年のル・マン24時間でも勝利し、フェラーリ・スポーツカーの成功への道を切り開きました。そして「barchetta」の名は、後に続く750 Monzaや860 Monzaなど、ニューモデルのネーミングに引き継がれていきました。
エンツォ・フェラーリは常々、「(自動車に)魂というものがあるのなら、それはエンジンにこそ宿るものだ」と語っていました。このモデルの魂もまた、すべてのフェラーリ同様、エンジンにあります。Ferrari Monza SP1とSP2には、フェラーリでもっともパワフルな自然吸気V型12気筒エンジンが搭載されています。
ウインドスクリーンのない完全なオープンエアー・スポーツカーにとって、大きな課題のひとつとなったのがエアロダイナミクスです。バルケッタであることを理由に、ドライビングの楽しみをスポイルすることのないよう「バーチャル・ウインドスクリーン」を装備することでこれを解決させました。「バーチャル・ウインドスクリーン」は、インストルパネルとステアリングの前方にあるフェアリングに統合することで比類ない快適性をもたらすフェラーリの特許技術です。
デザイン
エクステリア
フェラーリのデザインは常に、モータースポーツから多大な影響を受けて来ました。Monza SP1とSP2もまた、同社の輝かしい歴史と見えない絆で結ばれています。事実、エレガンスとパフォーマンス、そして革新性が癒合したこれらのデザインは、過去も現在もフェラーリの本質を示しています。
純粋な創造性という観点から、1950年代バルケッタの魅惑的なフォルムは、当時のモータースポーツシーンを様々な形で想起させます。Monza SP1とSP2にもそのバルケッタのイメージを随所に込められています。
フェラーリ・スタイリング・センターのデザイナーは、バルケッタのコンセプトを絶対的にモダンであると定め、そこから斬新で極めてパーソナルな手法が選ばれたのです。もちろん、ノスタルジックな手法や過去をそのまま取り込むような要素はありません。Monza SP1とSP2はまるで、新世代のジェントルマン・ドライバーに向けてデザインされた現在のシングルシーターのような存在なのです。
Monza SP1とSP2のデザイン手法は、そのエレガントなフォルム、ウイング・シェイプのオールカーボンファイバー製ボディシェル、プロポーション、洗練されたディテール、無駄を削ぎ落としたラインに明確に表れています。フェラーリ・スタイリング・センターのデザイナーは、高性能を追求するエクストリームモデのような際立ったフォルムを避け、徹底してシンプルな、まるで一筆書きで描いたような、極めて純粋なフォルムの創出に注力したのです。
その滑らかでミニマルなシルエットは、繊細かつ大胆な造形でリア・フォルムを強調するディフューザーをベースに、スレンダーながら精緻なラインを描くボディ側面、そしてフロントバンパー基部へと視線を誘います。
Monza SP1とSP2の注目ポイントのひとつは、テールライトに新しいコンセプトを採用したことです。新たなデザインのサイドライトとブレーキランプは分断されることなく、一体でシルエットを描いて上下シェルの間の薄いスリットに収められました。これによってテールライト・アッセンブリーが、フェンダーから流れ出てボンネットを囲むような一筋のラインを創出し、アッパー・シェルがまるで独立しているかのような印象となりました。このリア・エンドの処理は、750 Monzaや375 MMからインスピレーションを得て、それを現代的に解釈した手法です。
上方に開くコンパクトなドアのデザインには、細心の注意が払われました。812 Superfastのドア・アッセンブリーの再設計から始まり、結果的に目を見張るようなデザインを完成させました。同様に、フロントヒンジで開くオ―ル・カーボンファイバー・ワンピース成型のボンネット・フェンダー・アッセンブリーも重要なポイントです。その下には息を飲むようなV12エンジンが収まっています。エクステリアの重要な要素のひとつでもある見事なシェイプの21インチ、5本スポーク・ホイールは、Monza SP1とSP2のミニマルなラインに完璧に調和するようデザインされています。
さらなる象徴的なテーマは、パリ・モーターショーに展示されるMonza SP1に用意されたカラーリングです。ボンネットにストライプを配したカラーとデザインは、250 GTOや250 Testa Rossaのようなフェラーリの歴史的なレーシングカーから採用したもので、ロールフープを兼ねたドライバー背後のバルジをストライプと同じカラーとすることで、リア・エンドまでのボディ・プロポーションを際立たせています。
インテリア
インテリア・デザインは、特にドライバーのコックピットを中心に設計されました。インテリアの全ては人間工学に基づき、このモデルのユニークな目的に合わせて構築されました。計器類、インストルメントパネル、そしてシートの構造についても根本的に見直しを図り、ドライバーの新たなニーズに応えるものとしました。もちろん、開発基本となるデザイン哲学に従って、エクステリアに通じるデザイン手法で仕上げられています。
まずはトノカバーにある顕著な輪に関する「ドロップテーマ」から、インテリアの構造は3つのレベルに分かれています。最初はドライバーの視界に入るエリアです。この視点で見ると、車輌の内/外装の境目は極めて微妙なものです。ドライバーの身体は頭部を除けば完全にボディカウルに覆われており、頭だけが水平の広がる車の上面から飛び出しています。まるでフォーミュラカーのようですが、この構成によって視認性を犠牲にするような要素は一切存在しません。
第2のレベルを構成するのは計器系とステアリングホイール、そしてエアベント。最後に、シンプルなコックピット構造、アームレストの高さ、その他の残りの操作系となります。この操作系はスタイリッシュかつシンプルなひとつの面にまとめられています。
エンジン & ギアボックス
Monza SP1とSP2には812 Superfast直系のエンジンが搭載されますが、インテークマニホールド内を流体力学的に最適化することで、より性能を高めています。2018年インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞した排気量4リッター以上のクラス最高を誇るV型12気筒エンジンには数多くの革新的な技術が導入されています。高性能ガソリンエンジンに初めて採用された350barの直噴インジェクションシステムと可変インテークマニホールドの組み合わせは、自然吸気F1エンジンからの技術移転で実現させたものです。
高圧のインジェクションシステムによって燃料噴霧が向上し、キャタライザーが暖まるまでの微粒な排出物を劇的に低減しました。これによって特定の排出ガス規制をクリアしています。またエンジンのポテンシャルと究極のパワーデリバリーによる体感を強調するために、パフォーマンス制御の最適化にも細心の注意が払われています。これによっていつでも瞬時に強大なトルクを引き出し、回転数を問わずにスムーズでプログレッシブなパワーを堪能していただけます。
一切の妥協を廃したオープン仕様によって、より一層V12サウンドを楽しんでいただけます。エグゾーストサウンドのみならず、特徴的な吸気サウンドの魅力にも触れていただけます。ドライバーは、ピュアなフェラーリのDNAを際立たせたモデルだけがもたらす、比類ない体験に浸っていただけます。
ビークルダイナミクス
加速・減速性能とコーナリング性能に関しては、ウインドスクリーンもルーフも装備しないユニークな車体構造から、エアロダイナミクスは、これまでのモデルとは異なっています。掲げた目標は812 Superfastと同等、もしくはそれを超える性能でした。
Monza SP1とSP2は0-100km/hを2.9秒、0-200km/hを7.9秒、制動性能においても100km/hからの停止距離はわずか32mと、812 Superfastと同等の性能を達成しました。最高速においては、わずかに812 Superfastに届きませんが、それでも余裕で300km/hを超えます。
これら目標性能を達成するために、F12tdfでデビューし、その後812 Superfastにも搭載されたバーチャル・ショートホイールベース・コンセプトと電動パワーステアリング(EPS)を装備しています。
大径21インチの鍛造ホイールにはフロントに275/30、リアに315/30というワイドタイヤを装着し、サスペンション・セッティングをわずかに固くすることで俊敏さと入力に対する反応性を高めたドライビング・フィールをもたらします。
これらによって、完璧なバランスを得たMonza SP1とSP2は、想像もできないほどに純粋で妥協のないスポーツカー・ハンドリングを実現しました。ウインドスクリーンのピラーもないため、ドライバーの視界を妨げるものはひとつもなく、F1マシンのように自由にコーナーを攻めることが可能です。
エアロダイナミクス
他のすべてのFerrariと同様にMonza SP1とSP2もまた、圧倒的な車輌の性能をドライバーが存分に満喫できるようにエアロダイナミクス性能を追求し、デザインされています。
このモデルの実現達成に向けて特許を取得した「バーチャル・ウインドシールド」によって、ドライバーは高速走行時にもドライビングに集中して楽しんでいただけます。システムはドライバーの視線より下に位置しているにも関わらず、バルケッタとしては、歴史的なモデルや同様の構造を備えた車輌のベンチマークとなるかつてないほどの快適性を実現しました。
このコンセプトはまず、徹底的なCFDモデリングによって開発が進められ、続いて実際の風洞実験室での開発で熟成されました。風洞実験用のフルスケールのモックアップを製造し、テストドライバーと圧力センサー(レーキとキールを測定)を装着したダミー人形が交代で乗りました。極端なフォルムによるエアロダイナミクス特性を極めるために、テストドライバーからのフィードバックは、目標設定とパッケージ全体を評価する段階で極めて重要でした。その一方で搭載したダミーや計測器類によって、エンジニアは解決すべきエアロダイナミクス現象を深く理解することができ、テストすべき膨大な問題に対応することができました。
一切のウインドスクリーン類がないため、ボンネットからの気流は、正面からドライバーの顔に当たります。バーチャル・ウインドシールドは、この気流によるネガティブな影響を最小化しながら、この種のオープンカーだけがもたらす痛快なスピード感や路面との一体感ももたらすことを可能にしました。
ドライバー & コ・ドライバー専用アパレル
フェラーリのヒストリーと直結したイメージを実現するために、ロロ・ピアーナとベルルッティというラグジュアリー・ブランド2社とコラボレートし、Monza SP1とSP2のための特別なアパレル&アクセサリー・セレクションをご用意しました。
ロロ・ピアーナとはユニークなドライビングプレジャーを引き立たせるウエア類をプロデュースしました。これらのアパレルは、ドライビングの際にいつもボウタイを着用していたマイク・ホーソーン、ダブルのスーツを着てミッレ・ミリアで優勝を果たした(ジャンニ―ノ)マルゾットのような、エレガントな1950年代をイメージしてしたラインナップです。こういったヒストリーにインスパイアされた快適なアパレルを揃えました。
Ferrari Monza SP1とSP2のデザインに合わせて、ドライバーを風雨から保護しつつ、自由な動きを妨げることのない「レインストーム・テクノウール・ストレッチ」素材のオーバーオール、パンツ、ボマージャケットのセットも用意しました。スーツをしっかりと閉めれば、風を完璧に防ぐことができ、襟を開いて着用すれば洗練されたスポーティージャケットになります。
専用のエクストラファインメリノウールを使ったオーバーオールはストームシステム®が施され防水・防風性を備え、ハイスピードでの走行にも適しています。
フェラーリとロロ・ピアーナは妥協のない共同作業によって、優れたスタイリングおよびカラーリングを作り上げました。ロッソ・コルサはカーボンファイバーをイメージしたダークグレーと、車体のカラーリング・パターンを取り入れた、しなやかなラインが鮮やかなコントラストをもたらします。ボマージャケットからセーター、パンツといったラインナップを揃えています。デザインは、スポーティーなカーボンファイバーをイメージした斜めのラインを基調としています。
ジャケットの内側にもまた、1台1台専用の車輌ナンバーが施されたエンジンとIDプレートが施され、極めてフェラーリらしい特徴を備えています。ベルトのパッチにも、オーナーご自身の名前やモノグラム(イニシャル)を入れて、さらなるパーソナライゼーションをお楽しみいただけます。
セーターは厳選した15.5ミクロンWich®メリノウールを使用しています。ソフトで軽く、そして暖か。ドライバースーツの下に来ても極めて快適です。首回りを閉めればさらに保温性が向上するコンシールタイプのジッパーは、洗練されたジャケットのスタイルをスポイルしません。
レイン・コンディションでのドライブに重要なキャップをご用意しています。防水・防風のテクニカルウール製のこのキャップはトラディショナルなエレガント・デザインに現代的なアレンジを加えています。内側にもウール・ピケのライニングが施されています。後部は収縮性があり窮屈に感じることもなく、優れたフィット感と快適性を約束します。
アパレル・コレクションには斜めのラインと対称的な織りが施されたWish®ウールのスカーフもラインナップされています。またグローブはステアリング操作に最適な極めてソフトなプロンジレザー製です。
ラグジュアリー・フットウエアとレザーグッズで有名なベルルッティとは、Ferrari Monza SP1とSP2オーナーのために他にはない革新的なプロダクトをご用意しました。バルケッタ・スタイルの車に合わせて快適性と安全性を提供するカーボンファイバー製の特性ヘルメットは、ベルルッティによるレザー・インサートを施すことで他にはないエクスクルーシブな逸品となっています。
このヘルメットやアパレルを収納するために、2種類のベルルッティ製バッグも用意しました。どちらも象徴的な車輌に合わせて専用にデザインされたもので、フェラーリのロッソ・コルサカラーと車のフォルムが目を惹きつけます。
最後に、特別なレースアップのオックスフォード・ドライビングシューズも開発しました。カラーはグラファイトブラックとブラン(ブラウン)の2色。素材はヴェネチアレザーで、編み上げ紐をカバーし、踵には赤いパイピング処理がなされています。ソールもこのモデル専用に、車体に使われるカーボンファイバー製となっています。
7年間メンテナンス
卓越した品質基準と、さらなるカスタマー・サービスの充実を目指すフェラーリでは、Monza SP1とSP2にも年間のフェラーリ純正メンテナンス・プログラムをご用意しました。この純正メンテナンス・プログラムは、最初の車輌登録から7年間にわたり、すべての定期メンテナンスを保証するフェラーリならではのサービスです。フェラーリの定期メンテナンスは、年月が経過してもパフォーマンスおよび安全性を最高の状態で維持しすることを目的としています。オーナー・チェンジの際にもプログラムは継続されるため、認定中古車を購入されたお客様も、長期間安心してフェラーリ・ライフをお過ごしいただけます。
主要諸元
エンジン
タイプ V12 – 65°
総排気量 6,496 cc
ボア & ストローク 94 × 78 mm
最高出力* 596 kW(810 cv)@ 8,500 rpm
最大トルク* 719 Nm @ 7,000rpm
圧縮比 13.6:1
サイズ & 重量
全長 4,657 mm
全幅 1,996 mm
全高 1,155 mm
ホイールベース 2,720 mm
フロント・トレッド 1,688 mm
リア・トレッド 1,678 mm
乾燥重量** 1,510 kg
燃料タンク容量 90 L
タイヤ
フロント 275/30 ZR 21 10 J
リア 315/30 ZR 20 11.5J
ブレーキ
フロント 398 x 38 mm
リア 360 x 32 mm
パフォーマンス
0-100 km/h 加速 2.9 秒
0-200 km/h 加速 7.9 秒
最高速度 300 km/h 以上
トランスミッション/ギアボックス
F1 – 7速デュアルクラッチ・トランスミッ ション
電子制御
ESP, ESC, F1-Trac, E-Diff 3,
SCM-E(ツインソレノイド装備)
パフォーマンス
0-100 km/h 2.9 秒
0-200 km/h 7.9 秒
100-0 km/h 32 m
最高速度 300 km/h 以上
燃料消費/CO2排出量
ホモロゲーション申請中
* 98 RON(オクタン)燃料使用時
**軽量オプション・コンポーネント装備車
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