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過去最大級のAIツールセットを9種の業界および業種に合わせてリリース【IBM】

2018年9月13日

過去最大級のAIツールセットを9種の業界および業種に合わせてリリース
業界向けに事前学習済みの新しいWatsonソリューションが世界中の農業、工業、オフィスワークを支援

[米国ニューヨーク州アーモンク - 2018年9月24日(現地時間)発] – IBM(NYSE:IBM)は本日、農業、カスタマーサービス、人事、サプライチェーン、製造業、ビル管理、自動車、マーケティング、広告など、さまざまな業界・業種向けに事前学習済みの新しいWatsonソリューションおよびサービスを発表しました。

「データフローが増え続ける現在、私たちは日々対応しなければならない情報の多さに圧倒されています。しかし幸いなことに、この情報爆発は新たな技術的進歩と同時に起こっています。その進歩とは、人工知能です。今やいつでも使い始められるものとなったAIは、仕事をする人がデータを活用するうえで必須のツールとなっています。日々の仕事における新しい可能性を誰もが発揮できるようにするためには、汎用AIを特定の業界や業種に適応させることが非常に重要です」とIBMのコグニティブ・ソリューション担当SVPであるデイビッド・ケニー(David Kenny)は述べています。 IBMは今回の発表に先駆け、企業がAIによる決定の透明性を高めるための新しいソフトウェア・サービス (US)を先週発表しています。またIBM Institute for Business Valueは、企業の82%がAIの導入を検討中であることを明らかにした調査 (US)も実施しています。

AIを食卓へ
この度、IBMはWatson Decision Platform for Agriculture (英語)を全世界で提供開始します。このプラットフォームは天気、IoT化されたトラクターおよび灌漑装置、衛星画像など、多数の経路からデータを収集し、農地に関する包括的で一元化された予測データを、使いやすいアプリの中で視覚的に提示します。

これにより、個々の農業従事者はより多くの情報に基づいて判断するためのサポートを得て、生産量の向上に役立てることができます。たとえば、AIによる画像認識機能を用いることで、農業従事者はある種の病虫害のタイプや深刻度を特定し、農薬を撒くべき箇所を判断することができます。また、水の使用量を予測することで、無駄をなくし、費用の節約に役立てることもできます。

Roric Paulmanがネブラスカ州に所有する10,000エーカーの耕作地はIBM Watsonを活用し、この秋、新時代を迎えようとしています。同氏が農地の生産性向上に役立てるためにAIを利用するのは、今回が初めてです。農業はこれまでもデータ集約型の事業でしたが、近年、そのデータセットは爆発的に増大しています。現在、Paulman氏の農地からは毎月1テラバイトもの情報が生み出されています。トラクターは自身の動きを追跡・保存し、灌漑装置は1秒ごとの水流を、噴霧機は自身が噴出させたものを記録しています。「この情報の一元化にはこれまで誰も取り組んでこなかったのです。私はこういったものを待ち望んできました。IBMはその実現にふさわしい、信頼のおける企業です」とPaulman氏は述べています。

カスタマーサービス
IBMが先週発表した、5,000人の経営層を対象とする調査では、トップクラスの業績を誇る組織の経営層のうち77%が、顧客満足はAIの価値を促進するために鍵となるものであると回答していました。カスタマーサービス担当者が顧客からの質問やこみ入った問い合わせに迅速に対応できるよう、IBMはこの度、Watson Discovery for Salesforce (US)の提供を開始します。このソリューションは、問い合わせを寄せる顧客の依頼に関連する情報をカスタマーサービス担当者にリアルタイムで提供します。時間のかかるトレーニングはもう必要ありません。Watsonが要求への答えを推測して即座に提示するため、たとえ新人でも経験を積んだ担当者と同じように対応することができます。このソリューションを試験的に利用してきたDeluxe Corporationでは、応答時間の改善と顧客満足度の向上が見られました。今回、このソリューションは全世界で利用可能となります。

人事
平均的な採用担当者は1日あたり数百件の履歴書をチェックしています。1枚にかけられる時間はわずか6秒のため、熟慮したうえで判断することは困難です。IBMの人事部門向けの新AI機能 (US)は、現在業績の高い従業員の経歴を分析し、その結果を将来有望な応募者の割り出しに活用します。これにより、採用のための指標が得られ、採用判断時の偏見も防げます。不採用訴訟に直面している企業が、より明確な採用根拠を説明し提示するためにも、この機能が役立ちます。

世界中の企業の最高人事責任者を対象としたIBMの最近の調査 (PDF, 195KB, 英語)では、調査対象の33%が、今後数年にかけてAIにより仕事の方法が大きく変わると考えていることが明らかになりました。この責任者たちは、採用担当者が適格な人材を惹き付けるためだけでなく、個々の従業員にパーソナライズされ、かつ組織全体が緊密に連携する職場風土を作り出すためにも、AIが役立つと考えていました。

IBMのお客様はすでにそれぞれの業界におけるAIのメリットを享受しています。BuzzFeedやH&R Blockなどの企業ではAIを活用し、活躍が最も期待できる候補者を、採用担当者が惹き付けて雇用するまでを効率的かつ一元的なプロセスで実現しています。

マーケティング
マーケティング部門では、AIによって生産性が大きく向上する可能性があります。SaaS ソリューションである Watson Campaign Automation SaaSに組み込まれている新しいIBM Watson Assistant for Marketing機能 (US)は、忙しいマーケティング業務をWatsonとのシンプルな対話に置き換えることによってマーケティング担当者を支援できます。Ingersoll Randは、マーケティング・パフォーマンスをより迅速に把握し、顧客一人ひとりをターゲットとするキャンペーンを作成し、顧客とのロイヤルティとエンゲージメントを高める優れた対話を進めています。

マーケティング部門は、AIを活用し始めたところです。グローバルCMOに関する最近のIBMの調査 (PDF, 779KB, 英語)によると、調査対象のCMOの34%が、AIを利用した顧客体験の改革を計画しています。今回の新しいサービスは、マーケティング部門がマーケティング・プラットフォームへの統合を迅速に進めることを支援します。これによりマーケティング担当者は、AIを利用して魅力的でパーソナライズされた“個客”体験を構築することがより容易になります。

広告
Subwayは、IBMの新しいWEATHERfx Footfall with Watson (US)を使用して、変化する天候パターンに基づいた広告をデザインしました。外の気温が37度の時に、温かいサンドイッチを宣伝することは無駄ですが、ほとんどの広告エンジンはまだ十分にスマートではありません。しかしWatsonを活用したこの広告キャンペーン中に、Subwayのトラフィックは31%増加しました。これは、すべての他のターゲティング手法よりもはるかに高い成果でした。また、キャンペーンの無駄が53%削減され、Watsonを利用しなければ得られなかった約7,900万インプレッションが獲得されました。

製造現場
IBMは、目視と音響による検査能力が必要となる製品検査に関するリソース要件の大幅な軽減において製造現場の従事者を支援するために、特別に開発されたWatsonツールセット (US)をリリースしています。グローバル競争が激化している今、製造業者は、人員の自然削減、スキルの不足、原材料コストの上昇など、生産性に影響を及ぼすさまざまな問題に直面しています。また、すべての問題は、下流での不具合と機器のダウンタイムによって悪化しています。IoTとAIを組み合わせることにより、製造業者は、エネルギーの無駄、機器の故障、製品品質の問題などの損失領域を特定し、予測して、生産コストを安定化することができます。

不動産およびビル
産業向けIoTとAIを組み合わせたIBM IoT Buildings Insights (US)は、商業用不動産によって生成される数エクサバイトのデータを解読することができます。これにより、ビル管理者は、そのデータを活用して、エネルギー・コストを削減し、ビル内の利用状況の変化を把握し、さまざまな利用パターンを理解し、対策を整えることができるようになります。また、不動産オーナーとビル管理者は、天候、過去のパフォーマンス、その他のサード・パーティー・アナリティクスのデータによる洞察を利用して、不動産への投資による利益を最大化することができます。

自動車の製品開発
AIは、製品開発の最前線でも役割を果たします。プロジェクトの47%は不正確な要件または十分に記述されていない要件のために失敗するため(1)、IBMは、次世代のRequirements Managementソリューション (US)にAIのパワーを導入しています。現在、Watsonは、要件の品質を評価し、その品質を改善する方法の指針を示すことができます。

また、すべての業界の企業が工業規模の成果を挙げることができるように、IBMは、戦略、実装、セキュリティーから、マネージド・サービスと継続的な運用へと企業のIoT変革を促進するサービスを導入しています。

サプライ・チェーン
企業内の部門はそれぞれ異なる役割を担っています。サプライ・チェーンの責任者について見てみましょう。この担当者は、世界中から集まるデータ・フローを扱っています。そのためグローバル・テクノロジー企業は、自社向けのWatsonを利用して、サプライ・チェーンの様々な側面から監視しています。Watsonは、天候データ、交通情報、さらには規制報告を統合し、グローバルな供給問題の全体像を示すことができます。IBMは今日、Watson Supply Chain Insights (US)でこのテクノロジーを世界中に提供しています。

IBMと人工知能について
IBMは、企業向けのAIソフトウェア、サービス、テクノロジーにおける世界的リーダーです。これまでにWatson AIソリューションを20の業界と80カ国の顧客との何千もの事例において導入しました。IBMのWatson AIソリューションは、10大自動車メーカーのうちの7社と10大石油ガス会社のうちの8社など、さまざまな業界で広く使われています。

当報道資料は、2018年9月24日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。

https://newsroom.ibm.com/2018-09-24-IBM-Largest-Ever-AI-Toolset-Release-Is-Tailor-Made-for-9-Industries-and-Professions(US)

出典: (1) Project Management Institute(PMI)の「Pulse of the Profession: Requirements Management — A Core Competency for Project and Program Success」2014年8月。https://www.pmi.org/-/media/pmi/documents/public/pdf/learning/thought-leadership/pulse/requirements-management.pdf (2.7MB, 英語)








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