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2018年上半期欧州新車販売台数速報【JATO Dynamics】

2018年8月2日

2018年上半期欧州新車販売台数速報
「2018年上半期、欧州市場における新車販売は、
SUVの販売が大幅に増加し、今世紀で最大の販売台数を記録」

● 2018年上半期の欧州市場における販売台数は約866万台を記録 
●  Volkswagenグループが成長を続けるSUVセグメントでのトップセラーに
●  SUVの成長は減速する気配を見せず、上半期の販売は前年比24%増、また6月単月は30%増に

1.国別販売台数

 欧州自動車市場は、従来にも増して活発になっており、2018年上半期の新車販売は約866万台(前年比27%増)を記録し、今世紀最大の販売台数となった。国別ではイギリスが前年比6.3%減となったが、ドイツやフランス、スペインでは増加しており全体販売を押し上げている。また今期は、欧州全体で比較的良好な経済状況となり、主要市場だけでなくオランダやポーランド、スウェーデン等の中規模市場やハンガリーやギリシャ、ルーマニア、クロアチア等の小規模な市場でも大きく成長した。
 燃料別では、ディーゼル車が減速し、2018年上半期は前年比17%減で、シェアは37%に低下し、2001年以降で最も低い数値となった。この上半期でディーゼル車の販売が大きく減少した国はノルウェー(-32%)、イギリス(-30%)、スロベニア(-28%)、フィンランド(-20%)、ベルギー(-20%)であった。一方で、電気自動車やハイブリッド、プラグイン車等のAFV(代替燃料車)は好調で、前年比31%増の約45万台の登録があり、そのシェアを5.4%に伸ばした。AFVはノルウェーで56%のシェアがあり、フィンランドやスウェーデンでもそれぞれ13%、11%と高い数値となっている。一方で、ドイツでのAFVシェアは3.4%にとどまった。
 セグメント別では、この上半期はSUVが史上最大の販売台数である292万台を記録した。SUVは前年と比較し上半期では24%増、6月では30%増となっており、引き続き成長が期待される。SUVセグメント内の内訳は、小型SUVが108万台、コンパクトSUVが124万台、中型SUVが46万台とそれぞれ前年より成長している。大型SUVだけが販売を減少させ前年比9%減の14万台の販売となった。一方でSUV以外のセグメントは減少傾向にある。例えば、Aセグメント(シティーカー)からFセグメント(ラグジュアリー)までの販売台数は前年比4%減の485万台に低下した。このSUVブームの中で最もネガティブな影響を受けたのがMPVセグメントで、販売が前年比23%減の約53万台のにとどまり、この10年で最低の数字を記録した。

JATO Dynamics社のGlobal Automotive AnalystであるFelipe Munozは今期の欧州市場について次のように述べている。
「2018年上半期の欧州市場の状況は良好であった。消費者が望む選択肢を自動車メーカーが適切に用意している事が要因の一つであろう。例えば、メーカーは成長するSUVのラインナップを増やし、様々な消費者の予算やニーズに対応できるようにしている。今期、その成長しているSUV市場で好調な販売を見せたのが、VWグループであった。当初VWはこの市場への進出に出遅れた印象があったが、現在ではそれを補うようなSUVのラインナップを用意している。期待されていた通り、T-Rocは大きく成功し、程なく欧州で最も販売されているモデルの一つとなった。またグループ内の他ブランドもSUV市場で良い成績を残している。結果として、SUVはディーゼル危機からVWグループを救ったといえるだろう。」

2.ブランド別

 VWグループが欧州における最も新車を販売したメーカーグループとなり、またRenault-Nissanに代わりSUVセグメントでの販売トップメーカーにもなった。VWに続くPSAの成長は、Opel/Vauxhallブランドの減少(前年比6%減)も影響し、比較的緩やかなものになった。但し、PSAもVWと同様にSUVモデルの成長は顕著で前年比62%増となっている。Renault-Nissanは、欧州で3番目に販売台数が高いグループとなったが、そのシェアは、Renault、Nissanの両ブランドの販売が停滞したため、下落した。但しその中で、Daciaブランドは、DusterやSanderoの好調な販売により、高い成長を見せた。日系ブランドの6月単月販売は、Toyotaが前年比+8%のブランド別ランキング11位。続いてNissanが -13%の16位、Suzukiが +6% の20位、Mazdaが +0.3%の21位、Mitsubishiが+23%の 24位であった。

3.モデル別

 モデル別では、Volkswagen Golfが前年同期比9%増で、2018年上半期の欧州販売トップのモデルとなった。現行のGolfは2011年に市場導入されたが、未だ好調な販売を維持している事は注目すべき点である。Golfのディーゼル車の登録は前年比26%減となったが、その代わりにガソリン車の登録が29%増えている。また、GolfのAFVも販売を伸ばしており、Golfの販売の6%がAFVであった。またGolfはドイツとオーストリア、ベルギー等で販売トップモデルとなっている。その他、Nissan Qashqaiが上半期TOP5にランクインし欧州でのSUVベストセラーとなっている(前年比1%減)。一方で、ライバルのVolkswagen Tiguan(Allspaceは除く)が販売を伸ばし、その差を約5,300台に縮めている。またRenault Captureが小型SUVではベストセラーとなり121,200台の販売を記録し、ライバルのPeugeot 2008やDacia Dusterを上回った。日系ブランドの6月単月販売は、Nissan Qashqaiが前年比-1%でモデル別ランキング10位、Toyota Yarisが14位(+10%)となっている。



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