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自動車分野における新技術開発のプラットフォーム構築について【住友商事】
2018年1月18日
自動車分野における新技術開発のプラットフォーム構築について
~第一弾としてAZAPA社との共同開発契約締結~
住友商事㈱(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員 CEO:中村邦晴、以下「住友商事」)は、自動車分野における新技術の開発、実用化促進を目的に、技術と顧客およびマーケットのニーズの橋渡しとなるプラットフォームの構築に本格的に取り組みます。第一弾として、自動車関連のエンジニアリングを得意とするAZAPA㈱(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長&CEO:近藤康弘、以下「AZAPA」)との間で、人工知能アルゴリズムを搭載した自動車制御コンピュータ(以下「人工知能搭載ECU」)に関する共同開発契約(以下「本契約」)を締結しました。
近年、自動車業界の産業構造は急速に変化しており、安定基調にあるハードウェア中心の事業分野に対し、電子制御によるエンジンコントロールといったソフトウェア分野は、高い成長が見込まれます。自動車1台あたりの部品コストに占めるソフトウェアは、現在はおよそ20パーセントですが、将来的に60パーセント程度まで高まることも予見されています。
住友商事とAZAPAは、自動車向け人工知能搭載ECUの共同開発を目指します。ECUは、エンジンやモーター、カーナビやカーエアコンといったあらゆるシステムを統合制御させる装置です。昨今、走行の省エネルギー化や高齢者の運転支援といった観点から制御の高度化が求められており、1台あたりのECU搭載数や能力値は増大傾向にあります。1980年代には1台あたり平均5個以下と言われていたものが現在は平均約20個搭載、そして2025年頃には平均30個以上になるとも予想されております。(尚、高級車に於いては搭載数は倍と言われています。)人工知能搭載ECUは、走行時に外部環境や自動車の性能を学習し、自動的に制御ルールを構築します。また、個々のECUを人工知能搭載ECUに統合することで、車両重量や使用電力量の削減、燃費向上を実現させます。運転情報から運転予測を図れることにより、将来的には自動運転技術への応用も検討します。
AZAPAは、自動車のモデルベース開発(以下「MBD」、注1)、制御、計測分野に強みを持つエンジニアリング会社で、特にMBDにおいては日本の自動車業界のリーディングカンパニーです。「Tier0.5戦略」を掲げ、自動車メーカーに近い立ち位置でTier1サプライヤー(注2)とソリューションを共創し、連続的なイノベーションを実現します。また、高度な技術力と豊かな発想力で、平和と豊かさに貢献することを目指します。
住友商事は、自動車分野での取り組みにおいて、車の製造領域のみならず、より付加価値や収益性の高い企画、設計、開発など自動車バリューチェーンの川上領域への参入も志向しています。その領域において「自動車分野における新技術開発」の視点で、顧客やマーケットのニーズに応える為の要素技術の開発、企画、商品化に取り組んでいます。本契約を機に、全世界に構築したネットワークを活用し、新技術の実用化を目指す企業と顧客やマーケットとの橋渡しとなる、新たなプラットフォームを構築します。また、制御ルールの自動構築や燃費低減などを通じ、自動車産業全体の高度化・省エネルギー化に貢献します。
注1「MBD」:モデルとは、実験からの統計データや物理現象を、シミュレーション可能な数式やアルゴリズムで記述したものです。このモデルを用いたバーチャル試作による製品開発手法をモデルベース開発と呼ばれます。実機試作を極力行わずに精度の高い検証が行える為、試作以降の手戻りロスが減少し効率的な製品開発が可能となります。
注2「Tier1サプライヤー」:最終取引先メーカーに対して直接取引をする一次サプライヤー。
<参考資料>
■AZAPA社の会社概要
名 称:AZAPA㈱
本 社:愛知県名古屋市
事業内容:自動車産業を中心とした各分野(※)における新システムの研究、ソリューション事業。
※オートモーティブ、エネルギー、インフォメーションテクノロジー、
コミュニケーション&テクノロジー、R&D事業
設 立:2008年
■住友商事のマテリアリティ(重要課題)
住友商事グループは『社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)』を、事業戦略の策定や個々のビジネスの意思決定プロセスにおける重要な要素と位置付け、事業活動を通じて課題を解決することで持続的な成長を図っていきます。本件は、特に「地域と産業の発展への貢献」、「快適で心躍る暮らしの基盤づくり」に資するものです。
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