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新しいハイブリッド車用バッテリー【ボッシュ】
2017年10月10日
ボッシュの新しいハイブリッド車用バッテリー
− 成功のカギを握る「48V」
● 短期開発が可能に:ボッシュがeモビリティを推進
● 燃費向上を実現するために設計された新しい48Vバッテリー
● ミヒャエル ブッデ:「私たちは、この48Vバッテリーを通じてマーケットリーダーの地位を確立できると信じていま
す」
ゲルリンゲン(ドイツ)– ボッシュの新しいハイブリッド車用48Vバッテリーは、世界中の自動車メーカーの需要に合わせて開発されました。ボッシュの新型電動アクスル「eAxle」と同じく、この画期的な48Vバッテリーも新しい車種に組み込みやすいよう標準化されており、大手メーカーはもちろん、スタートアップ企業も短期開発と開発コスト低減が可能となります。ボッシュ取締役会メンバーとしてモビリティ ソリューションズ セクターを統括するロルフ・ブーランダーは「ボッシュはeモビリティを推進する役割を担っており、メーカーが開発時間を短縮し、より早く製品を市場に投入できるよう支援しています」と述べています。これが実現すれば、コンパクトカーだけでなく、マイクロカーなどにリチウムイオンバッテリーを組み込むことも可能になります。この48Vバッテリーの量産開始は2018年末を予定しています。48Vバッテリー搭載のハイブリッド車が2025年までに約1,500万台以上、市場で見かけることが可能になるとボッシュは予測しており、このエントリーレベルのハイブリッド車の大きな市場を見越し、ボッシュは48Vバッテリーに加えて他のパワートレイン用コンポーネントも48Vバッテリーハイブリッド車のために供給しています。
非常に優れた48Vバッテリー:標準化を実現し、容易に組み込み可能
中国、欧州、北米といった地域の別なく、どの自動車メーカーもCO₂排出量を低減し、自動車の燃費を向上させることに力を入れています。そこで、ボッシュは新しい48Vバッテリーについて標準化された設計を進め、 こうした努力を正確に反映できるようなものへと高めました。たとえばボッシュが採用しているリチウムイオンセルは、サイズをできるだけコンパクトに抑えながら、CO₂排出量の低減を実現することができます。この48Vバッテリーに対する需要は高まりつつあり、特に強い関心を示しているのが中国のメーカー各社です。このように、リチウムイオンユニットは世界的な成功を収めようとしています。ボッシュはすでに十数社の顧客と交渉を進めており、相当数の製造プロジェクトが実現する見込みです。
この48Vバッテリーの成功のカギを握っているのは、自動車のCO₂排出量を低減し、コストも比較的低く抑えられるというコンセプトで、これは製品の設計によって実現しています。たとえば、この48Vバッテリーは強制冷却を必要としないため、ハウジングの素材には金属ではなく、プラスチックが採用されています。この2つの要素がさらなるコストダウンにつながっています。ただ、プラスチック製のハウジングを実際に採用するには、クリアしなくてはならない大きな課題がいくつかありました。その課題の一つとしてハウジングの問題がありました。リチウムイオンセルはバッテリーの充電中、そしてユニットを使用していくにつれて膨張していくほか、ハウジング自体にもある程度の強度が求められるのです。そこで、ボッシュのエンジニア陣は48Vバッテリーのセルを見直し、プラスチック製のハウジングでも圧力に耐えられるようにしました。
「ボッシュは以前からeモビリティ分野に対して先行投資を進めており、こうした投資が徐々に実りつつあります」と、ボッシュのeモビリティ部門を率いるマティアス ピリンは話します。すでに世界中で、ボッシュ製のコンポーネントを搭載した電気自動車やハイブリッド車が50万台以上走行しています。また、ボッシュの年間の投資額は、eモビリティ関連だけで約4億ユーロにのぼります。ボッシュはバッテリーの製造を含め、これまでに30件を超えるプロジェクトで経験を積み重ね、ここで獲得した専門知識が成功につながるようになりました。ボッシュ バッテリーシステムを率いるミヒャエル ブッデはこう述べています。「私たちは、より早く、よりパワフルに、そしてより先へ進むというバッテリーの目標を達成しただけでなく、利用しやすい適切なソリューションを生み出す技術があることを示しました。」
この新しいバッテリーのおかげで、ボッシュは広がりつつある48Vハイブリッドシステムの市場において大きな役割を果たすことになり、ハイブリッドシステムもいっそう手が届きやすい価格になっていくはずです。中国に限らず、ハイブリッドシステムの市場は広がりつつあり、 この48Vバッテリーが日本や欧州でも成功する可能性があるとボッシュは見ています。「私たちは、この48Vバッテリーを通じてマーケットリーダーの地位を確立できると信じています」とブッデは述べています。
Q&A – 48Vバッテリーについて
48Vハイブリッドシステムはどのようにして燃費を向上させているのでしょうか?
ブースト回生システム(BRS)を採用したことで、48Vハイブリッドシステムは燃費を大幅に向上できるようになりました。わかりやすく説明すると、一般的な自動車の場合、ドライバーがブレーキをかけた時に生じるエネルギーは回生されません。しかし、BRSはこの制動エネルギーを48Vバッテリーに蓄え、ドライバーがアクセルペダルを踏んだ時にその力を用います(エレクトロニックブースト)。このため、燃費が向上し、CO₂排出量も低減します。
中国はなぜeモビリティのパイオニアと目されているのでしょうか?
中国では50万台以上の電気自動車が販売されており、まさに世界最大の市場と言えます。また、電気自動車の生産においても世界をけん引しています。特に中国政府の支援が受けられるようになったことで、電気自動車とハイブリッド車は中国市場をさらに活気づいています。
なぜ新しい48VバッテリーはCO₂排出量の低減に貢献できるのでしょうか?
世界で最も大気にCO₂を放出しているのが中国です。2021年までに自動車のCO₂排出量を117g/kmに低減するという目標を達成するために、中国の自動車メーカーは48Vハイブリッドシステムの採用を検討しています。コストを抑えたボッシュの新しい48Vバッテリーを採用すれば、システムの価格を抑えられ、より多くの市場に投入できるだけでなく、CO₂排出量も大幅に低減できるようになります。
このプレスリリースは2017年10月10日に Robert Bosch GmbHより発行されました。
原文をご覧ください。
世界のボッシュ・グループ概要
モビリティ ソリューションズは、ボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2016年の売上高は439億ユーロで、総売上高の60%を占めています。モビリティ ソリューションズの売上により、ボッシュ・グループはリーディングサプライヤーの地位を確立しています。モビリティ ソリューションズは、自動化、電動化、ネットワーク化の3つの領域においてグループの専門知識を統合させ、お客様にトータルソリューションを提供します。その事業領域は主に、内燃機関の燃料噴射テクノロジー/パワートレイン周辺機器、パワートレイン電動化のさまざまなソリューション、車載向け安全システム、ドライバー アシスタンス システム/自動化機能、ユーザーフレンドリーなインフォテインメントやVehicle-to-Vehicle(車車間)およびVehicle-to-Infrastructure(路車間)通信、オートモーティブ アフターマーケット向けのリペアショップコンセプト/テクノロジー/サービスなどです。さらにボッシュは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)、ディーゼル用コモンテールシステムなどの自動車の重要な革新技術を生み出してきました。
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2016年の従業員数は約39万人(2016年12月31日現在)、売上高は731億ユーロを計上しています。現在、事業はモビリティ ソリューションズ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・建築関連テクノロジーの4事業セクター体制で運営しています。ボッシュはIoTテクノロジーのリーディングカンパニーとして、スマートホーム、スマートシティ、コネクテッドモビリティ、さらにコネクテッドインダストリーに関する革新的なソリューションを提供しています。ボッシュはセンサー技術、ソフトウェア、サービスに関する豊富な専門知識と「Bosch IoT cloud」を活かし、さまざまな分野にまたがるネットワークソリューションをワンストップでお客様に提供することができます。ボッシュ・グループはコネクテッドライフに向けたイノベーションの提供を戦略的な目標に定め、革新的で人々を魅了する全製品とサービスを通じて生活の質の向上に貢献します。つまり、ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」-人と社会に役立つ革新のテクノロジーを生み出していきます。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社450社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含むグローバルな製造・エンジニアリング・販売ネットワークは世界中のほぼすべての国々を網羅しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界120の拠点で約5万9,000人の従業員が研究開発に携わっています。
ボッシュの起源は、1886年にロバート・ボッシュ(1861~1942年)がシュトゥットガルトに設立した「精密機械と電気技術作業場」に遡ります。ロバート・ボッシュGmbHの独自の株主構造は、ボッシュ・グループの企業としての自立性を保証するものであり、ボッシュは長期的な視野に立った経営を行い、将来の成長を確保する重要な先行投資を積極的に行うことができます。ロバート・ボッシュGmbHの株式資本の92%は慈善団体であるロバート・ボッシュ財団が保有しています。議決権の大半はロバート・ボッシュ工業信託合資会社が保有し、株主の事業機能を担っており、残りの株式は創業家であるボッシュ家とロバート・ボッシュGmbHが保有しています。
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