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チップ型非接触温度センサを開発【三菱マテリアル】

2012年3月15日

三菱マテリアル㈱(取締役社長:矢尾宏、資本金:1,194億円)は、自動表面実装が可能で、高温耐熱性に優れた小型で低価格のチップ型非接触温度センサを開発しましたので、お知らせいたします。

これまで電子機器に汎用的に用いられてきた非接触温度センサには、サーモパイルがありますが、①自動表面実装に対応していない、②耐熱性が低い、③高価格であるなどの問題がありました。今回当社が開発したチップ型非接触温度センサは、①チップ型で自動実装とはんだリフローに対応が可能であること、②使用温度上限が150℃(従来品は80~100℃が上限)と高温耐熱性を持つこと、③サーモパイルの価格に比べ1/2程度の低価格である点で大きく優れております。また、本センサの特徴として、温度検出対象物から放射される赤外線を非接触の状態で検出し温度を測定することができますが、これは、本センサが受光した赤外線量に応じて、センサ内の2つの感熱素子(温度に対して負性抵抗を示す)の抵抗値が異なる値を示す構造になっており、簡単な電気回路により検出回路を構成することができます。微細な半導体加工技術を用いていた従来の非接触温度センサと比べ、本センサは、当社が持つサーミスタセンサ開発技術を活用し、独自の構造及び材料技術による小型で高精度の感熱素子を開発したため、簡単な構造で赤外線を検出できる新たなセンサとなります。

最近は、電子機器の高密度化・小型・軽量化に伴い、機器の信頼性、安全性確保のための温度管理や熱対策の重要性が高まっております。また、機器の省エネに対する要求も震災以降、さらに強まっており、温度管理や稼動状態を検出する温度センサの役割はますます重要となりますが、一方で、センサコスト対省エネ効果が機器設計の課題となっております。チップ型非接触温度センサは、低価格で、かつ組み込みが容易であり、さらに非接触に温度測定ができることから、従来の接触式における取り付け工数やハーネスの削減が可能となり、費用対効果を大きく改善することが期待できます。本センサは、リチウムイオンバッテリーモジュールやインバータ回路などの産業用機器の温度管理用として、また、IHクッキングヒータや電子レンジなど調理物の温度検出用など、広範囲な用途に活用することができます。

三菱マテリアルでは、これからもサージアブソーバ,サーミスタセンサをはじめ、アンテナ,フィルタなどの様々な分野へ展開するための開発を進めるとともに、今後もエネルギー・情報エレクトロニクス関連製品を製造するための電子部品の開発・製造・販売に努めてまいります。

(ご参考1)チップ型非接触温度センサ

(ご参考2)チップ型非接触温度センサによる温度測定の仕組み


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