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合成燃料の研究をステップアップ【アウディ ジャパン】
2017年11月10日
Audi、合成燃料の研究をステップアップ
● 再生可能な電力、水、二酸化炭素からAudi e-dieselを製造
● スイスのパイロット工場に参画
2017年11月8日、インゴルシュタット/ラウフェンブルク:アウディは、e-fuelの開発に体系的に取り組んでいます。この分野のパートナーであるIneratec GmbH及びEnergiedienst Holding AGと共同で、スイス北部のアールガウ州ラウフェンブルクに、e-dieselを生産する新しいパイロット工場を建設する計画を進めています。そこでは、必要な電力が初めて再生可能な水力発電から供給されます。生産能力は、年間40万ℓ程度になる予定です。
アウディはすでに何年も前から、e-gas、e-gasoline、もしくは人工合成のe-dieselといった、環境に優しい、二酸化炭素(CO₂)を原料にした燃料の研究を進めてきました。今回新たなステップを踏み出すことになったのは、e-dieselの製造です。AUDI AGサステナブル プロダクト デベロップメント部門の責任者を務めるライナー マンゴールドは、次のように説明しています。「ラウフェンブルクのプロジェクトでは、新しいテクノロジーを導入したことで、小規模な設備で効率的にe-dieselを生産して、製造コストも削減することができます。このパイロット工場は、セクター カップリングと呼ばれる手法を提供しています。すなわち、電力、熱、動力の各エネルギー セクターを統合して、再生可能な電力を保存することを可能にしています」
Audi e-dieselは、従来の内燃エンジンをほぼCO₂ニュートラルに作動させる可能性を秘めています。e-dieselを生産するために、パワー トゥ リキッド(電力を用いて液体燃料を製造する)工場では、水力発電によって得られた余剰な電力を合成燃料に変換します。そのとき、適用される化学反応の原理は以下の通りです。まず、最初に水力発電により生み出されたグリーン電力を用い、水を水素と酸素に電気分解します。次の工程で、革新的かつ非常にコンパクトなマイクロプロセス テクノロジーを用いて水素をCO₂と反応させます。このCO₂は、大気もしくは有機系廃棄ガスから取得します。これは、他のあらゆるAudi e-fuelの場合と同様、炭素を得るための唯一の方法とされます。これにより、長鎖炭化水素化合物が生成されます。最後の工程では、それがAudi e-dieselとワックスに分離されます。このワックスは、他の産業分野で利用されることになります。
早ければ来年には、ラウフェンブルクで最初のe-dieselを生産する計画です。アウディとプロジェクトパートナーであるIneratec GmbH、及びEnergiedienst AGは、今後数週間のうちに工場の計画申請を提出する予定です。建設作業は、2018年の早い時期に開始されます。
アウディがパワー トゥ リキッドの原則に基づいた合成燃料工場をパートナー企業と共同運営するのはこれが2例目にあたります。2014年以来アウディは、ドレスデンに本拠を置くエネルギーテクノロジー企業、sunfireと共同でパイロット設備を運営してきました。そこでsunfireは、パワー トゥ リキッドの原則に基づきながら、異なるテクノロジーを用いてe-dieselを製造する方法を模索しています。他にもアウディは、e-fuelのプロジェクトの一環として、Audi A3、A4、A5の各g-tronモデル用に、北ドイツのヴェルルテにある自社のパワー トゥ ガス(電力で気体燃料を製造する)工場でAudi e-gasの生産を行ってきました。また別の専門企業と共同で、e-gasolineを製造する研究も進めています。
*本リリースは、ヨーロッパ仕様に基づくAUDI AG配信資料の翻訳版です。
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