ニュース
「金属アーチファクト低減ソフトウェア」を発売【島津製作所】
2017年10月26日
マイクロフォーカスX線CTシステムで複合部品の鮮明な画像を取得可能
「金属アーチファクト低減ソフトウェア」を発売
評価用ワークに対するアーチファクトの低減例(左:元画像、右:アーチファクト低減後)
島津製作所は、当社のマイクロフォーカスX線CTシステム「inspeXio(インスペクシオ) SMX-225CT FPD HR」向けに、CT画像に発生するアーチファクトを大幅に低減して鮮明な画像を取得可能にする「金属アーチファクト低減ソフトウェア」を10月26日に発売します。
マイクロフォーカスX線CTシステムは、観察対象物(ワーク)の内部構造を3次元で観察するための装置です。アルミダイカスト部品などの故障解析や検査などに長けている一方で、金属と樹脂などX線吸収率の異なる素材で形成される複合部品を撮影すると、アーチファクトと呼ばれる本来は存在しない虚像が発生し、観察の妨げになることがあります。
このたび開発したソフトウェアは、当社のマイクロフォーカスX線CTシステム「inspeXio SMX-225CT FPD HR」で取得した断面画像に対し、観察対象物の材質に合わせた独自の画像処理を行うことでアーチファクトを大幅に低減するものです。当社での試験においては、アルミニウム、鉄、樹脂から形成された評価用ワークの撮像画像に対して、アーチファクトを約90%低減できました。
業界トップクラスの広い撮影視野と高い解像度を有する「inspeXio SMX-225CT FPD HR」は、当社マイクロフォーカスX線CTシステムの最上位モデルです。「金属アーチファクト低減ソフトウェア」を通じて観察可能なワークの幅が広がったことを生かし、自動車業界やエレクトロニクス業界などでのさらなる訴求を図っていきます。
【新製品の特長】
樹脂材料でも鮮明な画像を取得できる「inspeXio SMX-225CT FPD HR」の利点を犠牲にすることなく、選択されたワークの材質に合わせた画像処理を行うため、複合素材で形成されたワークの画像に発生したアーチファクトも大幅に低減することできます。ケーブルコネクタやフォトセンサのような部品やリチウムイオン電池などの観察に適しています。また、処理途中の画像を表示し、使用者が望むアーチファクト低減度合いで処理を止めて画像を出力することが可能なため、処理時間を最小限に留めることも期待できます。
マイクロフォーカスX線CTシステム「inspeXio SMX-225CT FPD HR」
掲載されている内容はすべて発表日当時のものです。その後予告なしに変更されることがありますのであらかじめご了承ください。
株式会社島津製作所ホームページはこちら