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電気自動車向け “新発想” パワートレイン; ボッシュの「eAxle」は幅広い可能性を提供【ボッシュ】
2017年8月31日
● 新開発:従来のパワートレインに比べて効率の向上と低コストを実現
● 自動車メーカーの開発期間短縮に貢献するオールインワンシステム
● ボッシュ取締役会メンバーのロルフ・ブーランダー:「経済的に見て、「eAxle」はボッシュに大きな成功をもたら
すきっかけとなるでしょう」
ゲルリンゲン(ドイツ) – バッテリーがパワフルになればなるほど、電気自動車の航続距離が伸びることは皆さんもご存じの通りですが、新しいパワートレインでも同様の効果を得ることができるものはあるでしょうか?ボッシュの新型電動アクスル「eAxle」において、答えはyesです。eAxleの特徴は、モーター、パワーエレクトロニクス、トランスミッションという3つのパワートレインコンポーネントを1つのコンパクトなユニットに統合し、車軸をダイレクトに駆動させる点です。これにより、パワートレインの効率が一層向上するだけでなく、低コスト化も実現できます。ボッシュ取締役会メンバーとしてモビリティ ソリューションズ セクターを統括するロルフ・ブーランダーは、「ボッシュがオールインワンの原則をパワートレインに適用して生まれたのが、この「eAxle」です」と説明します。「eAxle」は非常に柔軟に、 ハイブリッド車、電気自動車、コンパクトカー、SUV、また小型商用車にも搭載することができます。そしてそれにより幅広い市場と大きな潜在的ビジネスチャンスをボッシュへもたらすと期待されています。
電気自動車の開発に要する時間の短縮にも寄与
「経済的に見て、「eAxle」はボッシュに大きな成功をもたらすきっかけとなるでしょう」とブーランダーが話すように、この新しい電動パワートレインは、2020年以降のeモビリティのグローバルマーケットリーダーへ重要な役割を果たすと期待されています。すでに世界中で、50万台を超えるボッシュ製のコンポーネントを搭載した電気自動車やハイブリッド車が走行しています。そしてボッシュは電気モーター、アクスルドライブやパワーエレクトロニクスの製造で長年の経験を積んでいます。この経験を通じたノウハウが新開発の「eAxle」へと活かされました。この「eAxle」だけで、ボッシュは約10億ユーロレベルの売上高につながると見込んでいます。「この「eAxle」は電気自動車、かつ既存の自動車メーカーへの “新発想” のパワートレインと表現できる製品です。開発に要する貴重な時間を短縮できるため、電気自動車をより一層早く市場に投入できるようになります」とブーランダーは述べています。ボッシュが各自動車メーカーの要件に合わせてパワートレインをカスタマイズするため、お客様の側で新しいコンポーネントを開発するために多くの時間を投入しなくても済むようになります。「eAxle」の試作品はすでに複数のお客様のもとで評価していただいており、量産開始は2019年頃を予定しています。またボッシュは、「eAxle」に対し、グローバルで柔軟に対応できる製造コンセプトを既に持っています。このコンセプトにより、お客様の製造プロセスに容易に取り入れることの出来るカスタマイズされた製品を提供することが可能です。
最大6,000Nmのトルクと最高300kWの出力
「eAxle」は、多様に組み合わせることができ、さまざまなタイプの車両に適用できるというメリットがあります。「沢山の複雑な仕様の代わりにいくつかのパラメーターによってボッシュは「eAxle」をカスタマイズできます」と、eモビリティ部門のexecutive vice presidentであるDr. Mathias Pilin述べています。お客様側で必要なことは、要求出力とトルク、搭載要件を明確にすることのみで、ボッシュはそのパラメーターを満足するパワートレインの最適化を図ります。これにより、カスタマイズされ、一体化したパワートレインを自動車メーカーの組立ラインに直接お届けすることが可能になります。そのため、ボッシュの「eAxle」は、パワートレイン開発の新たな合理的な方法とも考えることができます。
最高出力は50kW〜300kWの間でカスタマイズでき、SUVをはじめとした大型の車両の完全電動化を可能にする能力を有します。最大トルクは1000〜6000Nmの間でカスタマイズでき、ハイブリッド車や電気自動車への搭載において、前輪駆動、後輪駆動共に対応できます。150kWの「eAxle」の重量は約90kgで、従来の個々のコンポーネントを組み合わせたものよりかなり重量が抑えられています。競合製品と比べて顕著な「eAxle」の特徴は、非常に高いピーク性能と高度な連続性能を組み合わせていることです。つまり、「eAxle」はより速やかに加速し、より長い時間高速を維持できます。これを実現するために、ボッシュは一体化システムの設計だけでなく、モーターとパワーエレクトロニクスそれぞれのコンポーネントの改良も致しました。
Q&A – ボッシュの「eAxle」に関する補足情報
「eAxle」は従来の電動パワートレインと比べてどれだけ効率が向上したのでしょうか?
非常に高効率な個々のコンポーネントが、全体の高レベルな効率性のベースとなっています。この点で、ボッシュは市場における長年の経験を活かしています。さらに、高電圧ケーブル、プラグ、冷却ユニットなどのコンポーネントやインターフェースを削減することで、効率性の低下を最小限に抑えています。ボッシュの強みの1つは、個々のコンポーネントを組み合わせてシステムを作り上げ、システム内の相互作用を活かして全体の最適化を図る能力があるということですが、「eAxle」の場合、この能力は効率性だけでなく、モーターの音振性能と電磁力性能の両立といったことなどにも活かされています。
「eAxle」はいつ頃市場に投入されるのでしょうか?
ボッシュは電動アクスルを2012年から市場に投入していますが(Peugeot 3008やFiat 500eなど)、そのシステムではモーターとトランスミッションは一体化していましたが、パワーエレクトロニクス(インバータ)は一体化していませんでした。ボッシュの新世代の電動アクスル「eAxle」はまだ開発段階ですが、世界中の自動車メーカーへプロモーションをしています。「eAxle」の試作品は使用可能な状態で、現在評価をしております。量産開始は2019年頃を予定しています。
どんな車両に搭載できますか?
ボッシュの「eAxle」は、さまざまな車両タイプに採用できるような設計となっていますので、ハイブリッド車、電気自動車への搭載において、前輪駆動車、後輪駆動車共に対応することができます。最大重量7.5トンの車両まで搭載できるため、乗用車だけでなく、小型商用車にも採用していただけます。
なぜ「eAxle」は、電気自動車に現在搭載されているパワートレインよりもコストが抑えられているのでしょうか?
「eAxle」は、パワーエレクトロニクス、モーターとトランスミッションを1つのユニットに統合し、必要な部品の数を抑えています。たとえば、「eAxle」はモータとインバータをつなぐ太くて高価な高電圧ケーブルをまったく使用していないほか、冷却システムの簡略化や、一部ベアリングの廃止等により、パワートレインのコストを抑え、効率を向上することができました。また、トランスミッションをモーターの近くに配置することで、自動車業界にとって非常に重要な要素となる設置スペースも最小限に抑えています。
ボッシュはeモビリティにどれほど取り組んでいるのでしょうか?
すでに世界中で、ボッシュ製のコンポーネントを搭載した電気自動車やハイブリッド車が50万台以上走行しています。eモビリティ時代の到来に備えて、ボッシュは年間4億ユーロを投資しており、これまでに世界の自動車メーカーから30件を超えるeモビリティ関係のプロジェクトを受注しました。
IAA 2017でボッシュ製品をご体験いただけます(開催地はフランクフルト):ボッシュは未来のモビリティについて、事故ゼロ、エミッションゼロ、ストレスゼロの姿を思い描いています。ボッシュはこの事故ゼロ、エミッションゼロ、ストレスゼロという目標を自動化、電動化とネットワーク化を通じて達成したいと考えています。ボッシュはIAA 2017において、運転をより安全・効率的にし、クルマを第3の生活空間にする最新のソリューションを3つのテーマに沿った形でご紹介します。
ボッシュ役員の記者会見:2017年9月12日(火)13:15~13:40(現地時間)、ボッシュ取締役会会長のフォルクマル・デナーとモビリティ ソリューション セクター統括部門長のロルフ・ブーランダーが出席予定、ボッシュのブース:第8ホールのA03
IAA 2017におけるボッシュのハイライトをwww.bosch-iaa.deとTwitterで紹介:#BoschIAA
このプレスリリースは2017年08月31日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
原文をご覧ください。
世界のボッシュ・グループ概要
モビリティ ソリューションズは、ボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2016年の売上高は439億ユーロで、総売上高の60%を占めています。モビリティ ソリューションズの売上により、ボッシュ・グループはリーディングサプライヤーの地位を確立しています。モビリティ ソリューションズは、自動化、電動化、ネットワーク化の3つの領域においてグループの専門知識を統合させ、お客様にトータルソリューションを提供します。その事業領域は主に、内燃機関の燃料噴射テクノロジー/パワートレイン周辺機器、パワートレイン電動化のさまざまなソリューション、車載向け安全システム、ドライバー アシスタンス システム/自動化機能、ユーザーフレンドリーなインフォテインメントやVehicle-to-Vehicle(車車間)およびVehicle-to-Infrastructure(路車間)通信、オートモーティブ アフターマーケット向けのリペアショップコンセプト/テクノロジー/サービスなどです。さらにボッシュは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)、ディーゼル用コモンテールシステムなどの自動車の重要な革新技術を生み出してきました。
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2016年の従業員数は約39万人(2016年12月31日現在)、売上高は731億ユーロを計上しています。現在、事業はモビリティ ソリューションズ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・建築関連テクノロジーの4事業セクター体制で運営しています。ボッシュはIoTテクノロジーのリーディングカンパニーとして、スマートホーム、スマートシティ、コネクテッドモビリティ、さらにコネクテッドインダストリーに関する革新的なソリューションを提供しています。ボッシュはセンサー技術、ソフトウェア、サービスに関する豊富な専門知識と「Bosch IoT cloud」を活かし、さまざまな分野にまたがるネットワークソリューションをワンストップでお客様に提供することができます。ボッシュ・グループはコネクテッドライフに向けたイノベーションの提供を戦略的な目標に定め、革新的で人々を魅了する全製品とサービスを通じて生活の質の向上に貢献します。つまり、ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」-人と社会に役立つ革新のテクノロジーを生み出していきます。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社450社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含むグローバルな製造・エンジニアリング・販売ネットワークは世界中のほぼすべての国々を網羅しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界120の拠点で約5万9,000人の従業員が研究開発に携わっています。
ボッシュの起源は、1886年にロバート・ボッシュ(1861~1942年)がシュトゥットガルトに設立した「精密機械と電気技術作業場」に遡ります。ロバート・ボッシュGmbHの独自の株主構造は、ボッシュ・グループの企業としての自立性を保証するものであり、ボッシュは長期的な視野に立った経営を行い、将来の成長を確保する重要な先行投資を積極的に行うことができます。ロバート・ボッシュGmbHの株式資本の92%は慈善団体であるロバート・ボッシュ財団が保有しています。議決権の大半はロバート・ボッシュ工業信託合資会社が保有し、株主の事業機能を担っており、残りの株式は創業家であるボッシュ家とロバート・ボッシュGmbHが保有しています。
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