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ブラザー 幻のオートバイ「ダーリン号」発売から60年【ブラザー工業】
2017年8月25日
ブラザー工業には109年の歴史の中で、陽の目を見ることがなかった製品がある。1957年に初めて国内向けに販売されたオートバイ「ダーリン号」もその1つだ。
「ダーリン号」
●1957年 試験販売を開始
ブラザーのはじまりは、輸入ミシンの修理・部品の製造を行う「安井ミシン商会」の創業（1908年）にさかのぼる。事業の多角化を経て、現在ではプリンター・複合機や産業機器なども手がける複合事業企業となっている。しかし、ブラザーがかつてオートバイを製造していたことはあまり知られていない。
1950年代、ブラザーはミシン製造で培った精密加工技術を生かしてオートバイ開発を進め、1956年には300台を試験的に生産、翌1957年に80ccオートバイ「ダーリン号」が国内で発売された。同年に125ccオートバイ第1号機も完成。しかし、1959年には製造が中止されることとなった。
●発売からわずか2年で撤退
「ダーリン号」が発売からわずか2年で姿を消したのには理由がある。まず、同時期にブラザーがタイプライター分野へ進出することが決まったため、開発費のかさむオートバイ事業を同時に進めることは会社の経営を圧迫しかねない、と懸念されるようになったことだ。そこに、東海地方を襲った伊勢湾台風の被害が追い打ちをかけた。台風によって、「ダーリン号」を生産していた港工場（名古屋市）が水没してしまったのだ。
台風によって流されてしまったため現存する車体はなく、現在ブラザー工業で保管されているのは試作車のエンジンのみ。ブラザーの歴史を伝える「展示館 ブラザーコミュニケーションスペース」で一般向けに展示されている。ぜひ夏休みに訪れて、幻のオートバイ「ダーリン号」に思いを馳せてみてはいかがだろうか？
■展示館 ブラザーコミュニケーションスペース
開館時間：10：00～17：00
休館日：日曜日・祝日・ゴールデンウィーク・夏期連休・年末年始
E-mail：bcs@brother.co.jp
TEL：052-824-2227（受付時間：開館日 10:00～17:00）
FAX：052-824-2069
Webサイト：http://www.brother.co.jp/bcs/
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