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世界初 量産車向けカーエアコン用CO₂冷媒コンプレッサー 独ダイムラー社に本格供給開始【サンデンホールディングス】
2017年7月7日
サンデン・オートモーティブコンポーネント㈱(代表取締役社長:伊東次夫)は、CO₂冷媒を採用したカーエアコン用新型コンプレッサーを開発、2017年5月より独ダイムラー社に量産車向けとして世界で初めて(*1)本格的な供給を開始しました。
近年、グローバル規模での環境問題への対応として、オゾン層破壊防止を目的とした冷媒規制や、地球温暖化防止を目的にした省エネを促進する政策が世界各国で施行されております。こうした環境政策の一環として、EU加盟国において地球温暖化係数(GWP)が150以上の冷媒の使用を禁止するカーエアコンMAC指令が施行され、2017年1月1日からは欧州域内で新車販売される全ての乗用車が対象となっています。
CO₂冷媒は運転圧力がHFC-134aに比べ約5倍になることから、コンプレッサーの製品化にあたっては、高耐圧構造・高気密性を実現するための高い技術力が必要とされます。サンデングループでは、冷凍・冷蔵ショーケース、自動販売機等の様々な製品において、CO₂冷媒の採用に積極的に取り組み、お客様から高い評価をいただいています。
本新型コンプレッサーの開発にあたっては2014年4月にサンデン㈱(現サンデンホールディングス㈱)社長直轄のプロジェクトを発足しました。日本とドイツの共同開発チームが中心となって、多様な製品開発で培ったCO₂冷媒技術をカーエアコン用コンプレッサーに応用するとともに、基本性能の向上に取り組み、短期間の製品化に成功しました。生産は群馬県の八斗島事業所にて行っています。
【新型コンプレッサーの特長】
● 従来型コンプレッサー比1/5の吸入容量(31cc)で同等の性能(*3)
● 従来型コンプレッサーと同等のパッケージングと重量(*3)
● 従来冷媒比最大運転圧力5倍の耐圧構造(材料)と精度向上(*3)
● 新内部(変角)構造導入による静音化
● 新制御方法導入よる安定性,安全性改善
ダイムラー社 プロジェクトリーダー ラルフ・トイラー博士のコメント
「本製品の開発にあたって、CO₂冷媒を使用した製品開発の豊富な経験を持ち、新技術へのチャレンジ精神に溢れたサンデンを選択しました。短期間での商品化を目指した本プロジェクトは当社にとっても非常に挑戦しがいがあり、サンデンとの戦略的パートナーシップによって立ち上げが成功したことに満足しています。」
サンデン・オートモーティブコンポーネント㈱ 代表取締役社長 伊東 次夫のコメント
「この共同プロジェクトは、サンデングループが掲げる『グローバル力と品質力を背景に、環境をコアに次の成長を果たす』という経営方針を具現化しています。両社のグローバルチームによって開発された卓越した製品を市場に投入することによって、地球環境保全により一層貢献できることを誇りに思うとともに、ダイムラー社の期待に応えられたことを大変嬉しく思っています。当社は、今回の開発を通じて蓄積した知見を一段と発展させ、さらなる成長を目指してまいります。」
世界的に環境対応車の普及が進む中、“地球にやさしい自然冷媒”であるCO₂冷媒は、電動コンプレッサーおよびヒートポンプシステムと組み合わせることでさらなる省電力化に貢献することから、欧州だけではなく他の地域においても次世代の冷媒として注目されています。 サンデングループは、今後も世界中のお客様に先進的で高品質なカーエアコン用コンプレッサーを供給し、地球環境保全と自動車産業の発展に積極的に貢献してまいります。
(*1) (*2)当社調べ
(*3)当社PXコンプレッサー(HFC-134a使用)比
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