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《速報/人テク2017名古屋》機械式デフロック MLocker®【日本イートン:小間番号31】

悪路走破性を向上させるリヤデフロック。運転手の操作は不要で、片輪がスリップすると左右のアクスルシャフトを自動的にロック。
100%機械式なので配線・配管不要。高速走行中は作動しない等各種フェールセーフ付。

1.背景:デフロックの役割
デフロックがない車両で、例として片輪が泥濘地にはまった時のエンジン動力の流れを図1に示す。摩擦力の低い泥濘地側のタイヤは空転し、エンジン動力は空転しているタイヤ側へ逃げてしまうので車両は前へ進めなくなる。デフロックを一時的に作動させ、左右のアクスルシャフトをつなげるとエンジン動力は摩擦力の高い路面に設置している方のタイヤにも流れるので車両は前へ進み泥濘地から脱出できる。

2.Eaton MLockerの特徴
・運転手の操作不要。片輪がスリップすると自動的に左右のアクスルシャフトをロック。
・100%機械式。配管・配線不要。
・機械式でありながら、高速走行時は作動させない等のフェールセーフ付き。
・メンテナンスフリー。特殊オイル不要。
・高い信頼性。米国にて約半世紀の実績。

3.Eaton MLockerの構造・作動
図2にMLockerの構造を示す。左右のアクスルシャフトをロックするためのClutch Pack、それを作動させるEngagement Mechanism, Lockout Bracket等からなる。


図1 片輪が泥濘地にはまった時の動力の流れ(デフロックなし)


①普段は通常のディファレンシャルギヤとして作動。左右のタイヤは、カーブ等では内輪差によって各々適した回転数
 でまわり、エンジン動力を路面に伝達する。
②泥濘地や窪地で片輪が脱輪などをするとタイヤが空転する。タイヤの空転により左右タイヤの回転数には大きな差が
 発生する。
③アクスルシャフトと歯車を介してつながっているEngagement Mechanismが高速で回転。回転の遠心力によって羽
 根部分が開く。(図3)
④遠心力によって開いたLocking Mechanismの羽根部分がLocking BracketにひっかかることでCam Plateが作動
 し、Clutch Packが押され、左右のアクスルシャフトがClutch Packを介してつながった状態となる。
⑤悪路を脱出したのちはバネなどにより自動的に非作動状態に復帰。


図2 MLockerの構造


図3 Locking Mechanismの非作動・作動状態








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