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世界初の車載用3軸ジャイロ・センサを発表【STマイクロエレクトロニクス】

2012年2月13日

カーナビ / テレマティクス・システムの精度を向上させる堅牢なセンサ

エレクトロニクス分野の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的半導体メーカーで、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)センサおよび車載用ICの主要サプライヤであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、車載用ICの業界標準規格(AEC-Q100)に準拠した市場初の3軸ジャイロ・センサ(デジタル出力)A3G4250Dを発表しました。STの最新ジャイロ・センサは、インダッシュ型ナビ、テレマティクスおよび料金収受システムを含む広範な車載アプリケーションにおいて、測位精度と安定性の向上に貢献します。

車載用規格に準拠したSTのジャイロ・センサが回転運動検知の正確な測定値を取得することにより、カーナビ / テレマティクス・システムにおける推測航法やマップ・マッチングの能力を大幅に強化します。推測航法機能は、GPS信号を受信できない屋内や高層ビル群等において、動き・移動距離・高度をモニタすることにより、衛星信号の不足を補います。また、ジャイロ・センサの高精度な測定値によって、マップ・マッチング機能も向上します。これは、観測された一連のユーザ位置をデジタル地図上の道路網と整合させる処理を行う機能で、交通量分析やルート案内を含む多数のアプリケーションで使用されています。

これらの新しい推測航法 / マップ・マッチング機能は、3つの直交軸(1)の全てのモーション検知をシングル・センシング構造で測定するST独自のジャイロ・センサの設計コンセプトが可能にしています。これにより軸間の干渉がなくなり、測定精度が大幅に向上すると共に、時間経過と温度変化に対する優れた出力の安定性が実現します。

A3G4250Dは、最大+/-250dps(degree per second)までの角速度を測定します。
内蔵ICインタフェースが、回転運動のデータをデジタル・ビット・ストリーム(16bit)に変換し、標準SPI / I2Cプロトコルを介して専用マイクロコントローラに転送します。同製品は、2種類の出力ライン(割込みおよびデータ・レディ)とユーザ選択可能な4段階の出力データ速度を備えています。

3V単一電源のA3G4250Dは、パワーダウン・モードとスリープ・モードに加え、より高度なパワー・マネージメントを可能にするFIFO(first-in first-out)メモリ・ブロックを内蔵しています。また温度センサ(8bit)を内蔵しており、広い温度範囲(-40~85℃)で動作します。同製品は電磁干渉に対して堅牢で、最大10,000gの衝撃に耐えることができます。

STの車載用3軸ジャイロ・センサは、既に18億個以上の出荷実績があるSTのモーション・センサと同じ製造プロセス技術を採用し、設計・生産されています。
STは、最新の製品設計と8インチMEMS専用製造ラインによる大規模生産能力を組合わせ、サプライ・チェーン全体を管理する業界でも独自のメリットを顧客に提供します。

A3G4250Dは、現在サンプル提供中で、2012年第2四半期に量産を開始する予定です。単価は、大量購入時に約6ドルです。

注記
米国車載電子部品評議会(Automotive Electronics Council、AEC)が規格化したAEC-Q100は、車載用IC向けのストレス・テストについて詳述し、認定要件を定義した業界標準規格です。

(1) 回転運動には3種類あり、ヨーは垂直軸の周りの回転、ロールは前後の軸の周りの回転、ピッチは左右の軸の周りの回転です。

STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の追随を許さないリーダーとなることを目指しています。
2011年の売上は97.3億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st-japan.co.jp )をご覧ください。


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