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建設機械向けハイブリッドユニットを新開発【豊田自動織機】

2017年6月12日

建設機械向けハイブリッドユニットを新開発
―日立建機のハイブリッド油圧ショベルZH200-6に搭載―


㈱豊田自動織機(社長:大西 朗 以下、豊田自動織機)は、これまでに培ってきた産業車両分野、自動車分野でのエンジンおよびパワーエレクトロニクス技術を活用し、建設機械向けに当社初となるハイブリッドユニットを開発しました。本製品は、日立建機㈱(執行役社長:平野 耕太郎 以下、日立建機)が2017年9月に発売するオフロード法※12014年基準適合車であるハイブリッド油圧ショベルZH200-6(運転質量20.2t)に搭載されます。

日本の建設機械が排出する温室効果ガスのうち、約6割が油圧ショベル※2と言われています。昨今、建設機械をご使用になるお客さまの環境意識の高まりと低燃費へのご要望を背景に、エンジンとモータを備えるハイブリッド油圧ショベルに対する需要が拡大しています。今回、ハイブリッドユニットを採用する日立建機においても、国内累計出荷台数が1,000台を超えています。

当社が新たに開発したハイブリッドユニットは、ディーゼルエンジンにアシスト発電モータを組み合わせた新型ハイブリッドエンジン(モータ一体型)と、PCU(パワーコントロールユニット)から構成されています。
新型ハイブリッドエンジン(モータ一体型)は、74kWクラス※3においてオフロード法2014年基準を世界で初めて尿素SCR※4なしで達成し、尿素水の管理・補給も不要となるなどメンテナンス性が大幅に向上しました。また、新開発の高出力薄型モータと組み合わせることにより、エンジンの最良燃費点を作業頻度が高い領域に設定することが可能になり、低燃費を実現しました。一方、モータを制御するPCUは、自動車の電源技術を活用しつつ、振動・耐油性など建設機械特有の使用環境にも適応しています。
新発売のハイブリッド油圧ショベルZH200-6の業界最高水準の車両低燃費性能※5達成に、当社新開発のハイブリッドユニットは大きく貢献しています。

今後も豊田自動織機は、環境負荷の少ない社会の実現に向け、環境・エネルギーに関わる技術のイノベーションを促進し、産業車両分野・自動車分野に加え、建設機械分野でも貢献してまいります。

主な特長

1.新型ハイブリッドエンジン(モータ一体型)

・世界157の国と地域の方々に使われている自動車用エンジンで、2013年からフォークリフトにも搭載されている1KDエンジンを採用
・74kWクラスにおいてオフロード法2014年基準を世界で初めて尿素SCRなしで達成
・モータのアシストにより、作業頻度が高い領域を最良燃費点に設定し、低燃費を実現
・エンジン直結構造によるモータ薄型化により、20トンハイブリッド油圧ショベルのエンジンルームへの搭載を実現


<諸元表>

2.モータ制御PCU

・自動車用電源機器の技術を活かした小型PCU
・高放熱小型冷却器を採用
・信頼性の高い自動車用電子部品を使用
・建設機械向けに耐振性改善、耐油性確保



※1 特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律
※2 出典:国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
※3 出力56kW超130kW未満カテゴリにおいて、自社調べ
※4 Selective Catalytic Reduction / 選択還元型NOx触媒
※5 出典:国土交通省
※6 Diesel Oxidation Catalyst / 酸化触媒
※7 Diesel Particulate Filter / 排気中のPMを捕集・除去








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