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低トルク・高耐摩耗性テーパードローラーハブユニットを開発【ジェイテクト】

2017年5月23日

(LFTシリーズ)
低トルク・高耐摩耗性テーパードローラーハブユニットを開発


㈱ジェイテクト(以下ジェイテクト)は、ボールハブユニット(以下、B-HUB)で開発した低トルク化・耐摩耗性向上技術を適用したホイール用テーパードローラーハブユニット(以下、T-HUB)を開発いたしました。
T-HUBはピックアップトラックやフルサイズSUVなどの比較的大型の車種向け使用されるハブユニットです。新開発品は、従来よりも大幅な低トルク化を実現し燃費向上に貢献するとともに、寒冷地での車両輸送時の耐摩耗性能が大幅に向上しています。
(ご参考:B-HUB開発のリリース http://www.jtekt.co.jp/news/160524.html
ジェイテクトグループでは、このT-HUBをLFTシリーズのラインナップに加え、日系や欧米の自動車メーカーを中心にグローバルに本商品の拡販を図ってまいります。

ジェイテクトは、軸受事業のブランド「Koyo」に新たにタグライン「Key of your operation」を設定し、お客様とともに課題を解決し、嬉しさを提供するパートナーとして自動車メーカーをはじめ、あらゆる産業に貢献してまいります。

※「LFT」はLow Friction Torque の略で、ジェイテクトの登録商標です。


1.特長

① ダントツの低トルク化を実現

〔開発のポイント〕

〔効果〕
従来品の標準低トルクT-HUBとの比較でトルク40%減を実現。
車両の4輪すべてに用いることで、自動車の燃費0.5%向上に貢献。


② 寒冷地での車両輸送時の耐摩耗性能向上

〔開発のポイント〕
軸受部グリースに低温環境に適した添加剤配合と基油の低温性向上

〔効果〕
完成車を列車輸送する際の振動によるHUBの軌道面摩耗を従来品比で40%低減
(特に、ロシア・北欧等の極寒冷地域)

2.詳細説明

ハブユニット(以下、HUB)は、自動車のホイールを支える軸受として使用されています。
自動車業界を取り巻く環境として、グローバルな燃費・CO₂規制が継続して強化されており、各自動車メーカーでも高い燃費目標を設定しています。これまでは、主に乗用車を中心とした燃費規制が設定されていましたが、近年、ピックアップトラックやフルサイズSUVなどの大型の車両にまで燃費規制が拡大してきています。
大型車両のHUBには、大きな荷重が受けられるよう、転動体にボールではなくテーパードローラー(円すいころ)が使われています。ジェイテクトは、この点に注目し、T-HUBのトルク低減による、燃費向上への貢献を目指しました。

(低トルク化)
HUBは、「円滑にタイヤを回転させる機能を持つ軸受」と「タイヤに掻き上げられた泥水を軸受内部に浸入させないシール」とで構成されており、トルク損失として「①軸受転がり抵抗」と「②シール摺動抵抗」とがあります。
T-HUBにおいては、従来からの低トルク技術として、内輪つば/ころ接触部の形状及び粗さの最適化、内外輪軌道部の特殊クラウニング加工があり、軸受部の転がり抵抗低減を進めてきました。
今回、これらの抵抗をさらに低減するため、B-HUB用に開発した低粘度グリースを応用し、使用環境を考慮して、基油、増ちょう剤、添加剤を最適化したグリースを開発しました。
また、シール部については、低トルクタイプのダブルアキシアルシールに加え、リップに必要な油膜特性と低トルク化を両立するために超低粘度基油を用いたシール専用グリースを採用。
この結果、従来の低トルクT-HUB比で40%のトルク低減を実現しました。

(耐摩耗性)
ロシア・北欧など極寒環境では、列車で完成車を輸送する際、レールの継ぎ目からの振動によってHUBの軌道面が摩耗する現象があります。
本開発品では、軸受部グリースに低温環境に適した添加剤の配合に加え、基油の低温性を向上させることで、耐摩耗性能を向上させ、従来比で摩耗量40%低減を実現しています。

3.販売計画

【量産開始】  2019年5月
【売上目標】  70億円/年(2021年)
【販売先】   自動車メーカー

4.製造工場

香川工場
Koyo Bearing North America LLC(当社グループ会社)
JTEKT (THAILAND) CO., LTD. (当社グループ会社)








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