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走査型プローブ顕微鏡の新ステーション2モデルを発売【エスアイアイ・ナノテクノロジー】
2012年2月1日
SIIナノテク、走査型プローブ顕微鏡の新ステーション2モデルを発売
測定パラメーター自動調整機能「RealTune」を搭載
セイコーインスツル㈱(略称:SII、社長:新保雅文、本社:千葉県千葉市)の100%子会社で、計測分析装置の製造販売を行っているエスアイアイ・ナノテクノロジー㈱(略称:SIIナノテク、社長:川崎賢司、本社:千葉県千葉市)は、走査型プローブ顕微鏡の新しい制御ステーションとして、測定パラメーター自動調整機能「RealTune(リアルチューン)」を搭載した「NanoNaviReal(ナノナビリアル)、NanoNaviReal s(ナノナビリアルエス)」の2モデルを、本日2月1日に発売しました。
走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)は、先端が数nm(ナノメートル、10億分の1メートル)の細く尖った探針(プローブ)で試料表面を走査することで、高倍率な立体形状観察と物性分析を行う顕微鏡です。試料の前処理が不要な上、大気中、液中でも観察・計測ができ、高機能材料、半導体、記録メディア、バイオといった広い分野で活用されています。SIIナノテクは、1986年に日本で初めてSPMによる原子像観察に成功、1987年には日本初の走査型トンネル顕微鏡を発売するなど、SPMの開発・販売に30年近く携わってきたリーディングカンパニーです。SIIナノテクではSPMを、観察部本体となる「測定ユニット※」とその制御を行なう「ステーション」の二つの要素製品で構成し、組み合わせてSPMシステムとし、ユーザーへ提供しています。
近年、例えば電子デバイスでは、微細化・高集積化に伴い、走査電子顕微鏡、光学顕微鏡、触針式粗さ計など、従来の計測方法では微小領域の形状や物性の解析が困難になりつつあります。この問題に応える装置として、サブnmオーダーの計測精度を有するSPMが幅広く用いられています。すでにシリコンウェハやハードディスクの表面粗さ解析、薄膜の表面形状解析などでは標準的なツールとなっています。しかし一方で、従来のSPMは制御ゲインや走査周波数など測定パラメーターの設定が難しく、信頼できる測定には熟練したオペレーターが必要といった課題もあり、誰でも簡単に操作ができるSPMが求められていました。
「NanoNaviReal、NanoNaviReal s」は、測定パラメーターの自動調整機能「RealTune」を標準搭載。各種パラメーターを試料に合わせて最適に自動設定する事ができます。測定用途に応じた各種の測定ユニット※と組み合わせてお使いいただくことで、誰でも簡単に信頼性・再現性の高い測定が可能になります。
SIIナノテクでは、長年にわたり蓄積したナノ計測技術を結集した新ステーション「NanoNaviReal、NanoNaviReal s」と各種測定ユニットを組み合わせたSPMシステムを「NanoNaviRealシリーズ」とし、今後、半導体・電子デバイスや有機・高分子材料などの幅広い業界へ販売を進め、それら製品の性能・品質向上に貢献してまいります。
主な特長
(1) 「RealTune」により測定パラメーターを自動調整
独自に開発した各種制御アルゴリズムを組み合わせ、実試料とプローブ間の状態を把握しながら、制御ゲイン・走査周波数・測定時の力などの各種パラメーターを総合的に自動調整します。
(2) ワン・クリック自動測定
試料とカンチレバーの準備をし測定条件を選択後、ボタンを1回押すだけ。初心者でも簡単に測定ができます。「RealTune」により測定パラメーターが自動調整されるので、人に依存せず、信頼性・再現性の高い測定結果が得られます。
製品仕様
価格(税別、ディスプレイと設置台は含みません)
NanoNaviReal 650万円
NanoNaviReal s 500万円
販売目標台数 (2012年度)
NanoNaviReal 80台
NanoNaviReals 80台
※ SPMシステムとして利用いただくためには、下記ユニットが別途必要です(価格は税別)
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