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コンパクトカーのトップアスリート Audi RS 3 Sedanを日本に導入【アウディ ジャパン】
2017年3月28日
アウディ ジャパン㈱(本社:東京都品川区、代表取締役社長:斎藤 徹)は、高性能5気筒エンジンの2.5 TFSIとquattroフルタイム4WDシステムを採用した本格スポーツモデル、Audi RS 3 Sedanの発売を決定し、本日より全国25のAudi Sport店及びアウディ正規ディーラー(124店舗:現時点)で受注を開始します。Audi RS 3 Sedanの希望小売価格(消費税込み)は785万円で、発売は7月上旬開始予定です。
Audi RS 3 Sedanは、昨年9月のパリ国際モーターショーでワールドプレミアされ、アウディのRSラインアップとして初めてセダンボディを採用したモデルです。新型Audi A3シリーズのなかでももっとも高性能なモデルであり、コンパクトセグメントのなかで世界最速の1台に数えられるクルマです。
294kW(400PS)の最高出力を発揮する新開発の2.5 TFSIエンジンは、市販モデルに搭載される5気筒ユニットとしては世界でもっともパワフルであり、同時に、480Nmの最大トルクを1,700~5,850rpmの幅広い回転域で供給する柔軟性も兼ね備えています。そのエンジンをフロントに横置きしたAudi RS 3 Sedanは、quattroフルタイム4WDシステムによる絶大なトラクションと相まって、0-100km/h加速を4.1秒*で達成する圧倒的なダッシュ力を誇ります。
その一方で、アルミ合金製のクランクケースを採用することで、エンジン単体の重量を従来型の(鋳鉄製クランクケースを採用した)2.5 TFSIと比べて26kgも削減しており、さらに、インテークマニフォールドと燃焼室の両方でガソリンを噴射する「デュアルインジェクション」や、排気バルブの開閉タイミングを可変コントロールする「アウディバルブリフト」を採用することで、出力性能だけでなく、燃費効率も改善。欧州ドライビングサイクル(NEDC)で100km走行あたりの燃料消費をわずか8.3ℓ*に抑えるなど、効率の面でも優れたスポーツモデルに仕上がっています。
2.5 TFSIの強大なパワーは、クイックでスムーズなギヤチェンジと高い伝達効率を誇る7速Sトロニックを介してquattroフルタイム4WDシステムに伝達され、さらに電子油圧制御のマルチプレートクラッチの働きにより、バリアブルに前後のホイールに振り分けられます。ホイールセレクティブトルクコントロールなどのインテリジェントな電子機構により、走行安定性と運転する歓びの高度な融合が達成されており、その一方で、アウディプレセンスやアクティブレーンアシスト、サイドアシスト、トラフィックジャムアシスト、リヤクロストラフィックアシストなど、アウディが開発した最新のアシスタンスシステムをフルレンジで標準搭載するなど、安全対策や快適性の面でも、時代をリードするコンパクトカーの1台といえます。
エクステリアは、専用のシングルフレームグリルやバンパー、19インチホイール、拡げられたトレッドとフレア付きのフェンダー、大胆なディフューザーインサートなどにより、ひと目で通常のAudi A3 Sedanから見分けることができます。インテリアも、ブラックのファインナッパレザーにダイヤモンドパターンの飾りステッチとRSロゴを配した専用のシートなどにより、独特のスポーティでエクスクルーシブな雰囲気が演出されています。さらに、フルデジタル式インストルメントのアウディバーチャルコックピットに加えて、MMIナビゲーション、バング&オルフセンのサウンドシステムといったハイエンドのインフォテイメントシステムを標準装備。コネクティビティの面でも、Apple CarPlay とAndroid Autoを介して手持ちのスマートフォンをクルマにつなげるようにした「アウディスマートフォンインターフェイス」を標準化するなど、Audi A3シリーズの最上級モデルにしてRSの名に相応しい、コンパクトクラスを超えた機能とステイタスが備わっています。
新型Audi RS 3 Sedanの主要諸元と価格は以下の通りです。
Audi RS 3 Sedan
全長:4,479mm*
全幅:1,802mm*
全高:1,399mm*
ホイールベース:2,631mm*
総排気量:2,480cc
エンジン種類:直列5気筒DOHC インタークーラー付ターボチャージャー
最高出力:294kW(400PS)/5,800-7,000rpm
最大トルク:480Nm/1,700-5,850rpm
駆動方式:クワトロ(フルタイム4WD)
トランスミッション:7速Sトロニック
タイヤ:235/35R19
車両本体予定価格(税込):7,850,000円
■新型Audi RS 3 Sedanの概要
新開発の2.5 TFSIエンジン
アウディの直列5気筒エンジンは、現代の古典ともいえるテクノロジーのひとつです。なかでも2.5 TFSIは、各国のジャーナリストからなる審査委員会によって、7年連続で「エンジン オブ ザ イヤー」に選ばれてきました。そうしたなか、アウディは新世代のRSモデルのために、まったく新しいターボチャージャー付きユニットを開発することにしました。この新しい2.5 TFSIは、排気量は2,480ccと従来と同じながら、パワーは17%も高い294kW(400hp)を実現しています。これは1ℓあたりの161.3hpという高性能を意味します。また最大トルクの480Nmも、1,750~5,850rpmという、きわめて幅広い回転域で提供され、その結果Audi RS 3 Sedanは、どの速度、どのエンジン回転域からでも、圧倒的な加速性能を発揮することができます。
新しい2.5 TFSIは、全長50cmに満たない非常にコンパクトな設計で、従来型と比べて26kgも重量が軽くなっています。アルミ合金製のクランクケースを採用し、この部分だけで18kgの重量を削減しています。結果として、クルマのオーバーオールの軽量化に加えて、前後配分の最適化にも貢献することになりました。また、内部抵抗を減らすと同時に、様々な新機構を採用することで、パワーと効率を同時に改善。シリンダーの内壁にはプラズマコーティングを施し、クランクシャフトのメインベアリングの径を従来型に比べて6mm小さくしました。また、クランクシャフトを中空タイプとすることで、重量を1kg削減しています。アルミ製のピストンには、冷却オイルを通す経路を設けています。また、切り替え式のウォーターポンプを採用することで、冷間始動後は一定の間、シリンダーヘッド内のクーラントの循環を止めて暖気時間を短縮。この設計により、フリクションロスも減り、燃料消費も削減されました。
新しい2.5 TFSIユニットが卓越した高性能を発揮する上で、もうひとつのカギとなっているのが、吸排気系の設計です。大型のターボチャージャーにより最大1.35バールの過給圧を確保するとともに、インタークーラーの効率を80%まで向上させることで、吸気の温度を下げ、空気の充填率を最適化しました。カムシャフトは、吸気側も排気側も必要に応じてタイミングを調整できる仕組みで、そのうち排気側については、アウディバルブリフト(AVS)のシステムにより、スロットルとエンジンスピードに応じて、バルブが開いている時間を2段階で制御しています。一方で、混合気の生成を促進するためにデュアルインジェクションシステムを採用。燃料の噴射場所をインテークマニフォールドの中(ポート噴射)か、直接燃焼室内(直噴)か選択できる仕組みにしており、エンジンの運転状況に応じて、燃料噴射の場所に加えて、噴射の角度、持続時間まで制御しています。
アウディの直列5気筒エンジンでは、伝統的に点火インターバルが144度に設定されており、1-2-4-5-3の順番で、隣り合っているシリンダーと離れているシリンダーが交互に点火されていく仕組みになっています。それにより、5気筒独特のリズムが刻まれ、独特のサウンドが奏でられているのです。エンジンの制御ユニットもまた、サウンドづくりに一役買っていて、スロットル開度が大きくなると排気システムのフラップが開いて、サウンドのボリュームが高まります。ドライバーはセンターコンソールにあるサウンドボタンを押すことで、この排気フラップの働きをコントロールすることができます。
新しい7速Sトロニック
Audi RS 3 Sedanには、新しく開発された7速Sトロニックが標準で備わります。このデュアルクラッチトランスミッションは滑らかでクイックなギヤシフトに加えて、高い伝達効率と幅広いスピードレンジも特長にしており、低速側のギヤ比が加速を重視して比較的低く設定されているのに対し、トップの7速ギヤは、巡行燃費を削減するためにレシオを高めに設定しています。熱交換プレートにより、トランスミッションオイルの温度を最適に制御。プロペラシャフトへのドライブ機構に工夫を凝らすなどして、従来型に対し重量を約2kg削減することに成功しました。ドライバーは、セレクターレバー及び標準装備のスポーツレザーステアリングホイールに設置されたパドルを使って、いつでもマニュアル変速することができます。
電子制御マルチプレートクラッチを用いたquattroフルタイム4WDシステム
Audi RS 3 Sedanは、quattroフルタイム4WDシステムを標準で採用しています。システムの中核を成す電子油圧制御式のマルチプレートクラッチは、コンパクトかつ軽量な仕上がりで、それをプロペラシャフトの後部に設置することで、前後重量配分の最適化にも貢献しています。電動ポンプにより最大40バールの油圧を発生させ、複数のクラッチの板を押し付けることで駆動力を伝達する仕組みで、前後のトルク配分は、quattroシステムの制御を司るソフトウェアにより常時計算されていて、基本的にはドライビングスタイルがスポーティになるほど、後輪に駆動力が伝えられる頻度と割合が上がる設定になっています。
このquattroシステムの制御プログラムは、ステアリング、Sトロニック、エンジン、可変エグゾーストフラップなどのプログラム同様、クルマに標準装備されたドライビングダイナミクスシステムの「アウディドライブセレクト」から、comfort、auto、dynamicの3つのモードのいずれかを選択することで、設定を変えることができます。
さらに、quattroシステムの働きは、ESCのインテリジェントなソフトウェア機能のひとつである「ホイールセレクティブトルクコントロール」によってサポートされています。このシステムは、高速コーナリング中、相対的に負荷が小さい内側のホイールに軽くブレーキをかけることで、クルマの旋回能力を向上させ、ハンドリングをよりスムーズで安定したものにしています。
強化されたシャシー
4リンク式のリヤサスペンション、車速に応じてステアリングレシオをアクティブに制御する「プログレッシブステアリング」に加えて、通常のAudi A3より地上高を25mm下げたタイトなサスペンションセッティングを持つAudi RS 3 Sedanのシャシーは、パワフルなドライブシステムに完全にマッチしたものになっています。直進状態から素早い身のこなしでコーナーに侵入し、狙ったとおりのラインを正確にトレースしていく走りはまさに快感といえます。
プログレッシブステアリングもRS専用のチューンを受けており、車速に応じてアシスト量を調整し、前述のとおり、アウディドライブセレクトを使って特性をコントロールすることが可能です。ステアリングラックはコーナリングのときに、ステアリングレシオが次第にクイックになるよう設計されており、結果、カーブを抜けるのにより少ない操舵量でAudi RS 3 Sedanを操ることができます。路面からのフィードバックも常時正確に伝えてくれます。
オプションで、可変ダンパー制御システム「アウディマグネティックライド」を搭載することができ、その場合その制御プログラムも、アウディドライブセレクトを介して選択することになります。前輪のブレーキディスクは370mmの径を持ち、ライニングの面積を広くとった8ピストンキャリパーとの組み合わせにより目覚ましい制動能力を実現しています。後輪用のブレーキには、310mm径のディスクを採用しました。標準仕様のホイールとタイヤは、19インチのアルミホイールと235/35タイヤの組み合わせです。
同様に、RS専用のチューニングがなされたESCには、通常のモードに加えて、システムの介入を遅らせる「スポーツモード」が設定されています。このモードを選択すると、限界領域でクルマを操る愉しみが広がり、摩擦抵抗の少ない路面で意図してドリフト状況を維持できるようになります。さらに、ドライバーがESCのボタンを3秒以上長押しすると、ESCは完全に機能を停止して、きわめてスポーツ感覚に溢れたハンドリング特性が得られるようになります。アウディドライブセレクトでdynamicのモードを選択した場合にも、ステアリングの反応がより敏感になり、クルマのハンドリング面での敏捷性が高まります。オプションのアウディマグネティックライドを採用したモデルでは、さらにサスペンションのダンピングも高まって、ロールの量も大幅に減ります。このアウディマグネティックライドには、ブレーキング中のボディピッチを抑える働きも備わっています。
軽くて強靭なボディ
Audi RS 3 Sedanのボディは、きわめて高剛性で、万一のときの衝撃吸収性にも優れています。また遮音性にも秀で、その割に軽量な設計です。ウインドシールドには遮音ガラスを標準採用し、さらにホイールハウスの内側に不織布の吸音材を配するなどして、高速走行中でも室内の騒音レベルを低く抑えています。同じ軽量の吸音材を、ピラートリム、インストルメントパネルの背後、ラゲージコンパートメントにも採用しました。なお、Audi RS 3 Sedanの空車重量は1.515kg*です。
パッセンジャーセルの主要な骨格は、熱間成形スチールパーツにより構成されています。それらのパーツは、プレス工程の前にオーブンのなかで1,000℃に近い高温まで熱せられ、それから水冷プレス工程により、一気に200℃程度にまで冷やされます。この急激な温度低下により、高い強靭性を備えた素材に変化します。熱間成形スチールは鋼板を比較的薄くできるので、その分重量を削減できます。Audi RS 3 Sedanでは、車体のフロントと乗員セルの接続部、Aピラー、Bピラー、ルーフアーチ、センタートンネル、サイドシル、フロアパネルなどで、熱間成形スチールパーツが使用されています。
一方、サイドメンバーとパッセンジャーセルのフロア部分には、高張力及び超高張力スチールを使いました。ボンネットはアルミ製で、スチール製の場合と比べて7kgの重量を軽減しています。フロントエプロンの背後のアルミ押し出し材は衝突時の衝撃を吸収するためのもので、ここでも1.5kgの重量を削減しました。車両のフロント部分の重量が軽減できたことで、前後アクスル間の重量配分がよくなっており、Audi RS 3 Sedan のスポーティで俊敏なハンドリング性能の実現に貢献しています。
RS専用のエクステリア及びインテリア
コンパクトセグメントのトップアスリートたる新型Audi RS 3 Sedanは、視覚面でもスポーティなキャラクターを強調したクルマになっています。立体感のあるハニカムグリルを備えたシングルフレームグリルは、ボトム部分にquattroのロゴが装着されており、グリルの下にはボディ幅一杯、左右のエアインレットを結ぶ形でブレードが横切っていて、エアインレットの部分でそのブレードがオイールアーチへのエアの流れを円滑にするための狭いフュネルを形成しています。標準装備のLEDヘッドライトは、LEDの補助ライトから生み出される光のグラフィックが特徴的です。
通常のAudi A3 Sedanと比較すると、Audi RS 3 Sedanの前輪トレッドは20mm*広くなっており(1,559mm*)、そのためフロントホイールアーチにはフレア(膨らみ)が付けられています。また後輪も、ベースとなったA3に対して14mm*トレッドが拡げられています(1,528mm*)。
サイドビューでは、5アームブレードデザインの19インチアルミホイールに加えて、アルミマットシルバー仕上げのサイドミラーハウジングがスポーティな印象を強調しています。
ラゲージコンパートメントリッドに固定されたスポイラーリップは、走行中のエアの隔離を改善(して空気抵抗を減らす)するためのものです。そのほか、垂直のストラットを備えたディフューザーインサートと、RSエグゾーストシステムの大きな楕円形テールパイプがリヤビューでの大きな特徴になっています。
ボディカラーは、ミストブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、デイトナグレーパールエフェクト、パンサーブラッククリスタルエフェクト、マコウブルークリスタルエフェクト、フロレットシルバーメタリック、ナルドグレー、カタルーニャレッドメタリックの合計8色が設定されていて、そのうちナルドグレーとカタルーニャレッドメタリックはAudi RS 3 Sedanの専用色です。
ダークカラーでまとめられたインテリアは、ドアを開けると、RS 3のロゴを備えたイルミネーションドアシルがまずドライバーと乗員を出迎えます。標準仕様のスポーツシートにはブラックのファインナッパレザーを用い、バックレストの部分にはダイヤモンドの飾りステッチにRSのロゴを配しています。「RSスポーツレザーステアリングホイール」は、ボトムの部分がフラットなデザインになっており、インストルメントパネルとドアトリムに用いられたアルミニウムレースのデコラティブパネルがスポーティでエレガントなインテリアの仕上げとなっています。
標準装備されたRS専用のアウディ バーチャル コックピット
日本向けのAudi RS 3 Sedanには、アウディ バーチャル コックピットが標準で採用されています。Audi TTやAudi A4シリーズなどですでにお馴染みのこのフルデジタル式多目的ディスプレイには、RS専用のアレンジが行われています。高解像度を誇るその12.3インチモニターの基本画面を3つあるなかからRSモードにすると、中央に丸形タコメーターが大きく映し出され、その両側にタイヤ空気圧、トルク、Gフォースなどの情報が表示されるようになります。トランスミッションをマニュアルモードで操作している場合には、タコメーターにスクリーンにカラーの表示が現れて、エンジン回転数が許容限界に近付いている場合にはそれがレッドになって、ドライバーにステアリングホイールのパドルかセレクターレバーを使って即座にシフトアップするよう促します。
安全/快適性のためのアシスタンスシステムを完備
Audi RS 3 Sedanはまた、ドライバーアシスタンスシステムの分野でも、クラスの頂点に立つクルマです。標準装備された「アウディプレセンスフロント」「アダプティブクルーズコントロール」「アウディサイドアシスト」「アウディアクティブレーンアシスト」「トラフィックジャムアシスト」「リヤクロストラフィックアシスト」といった最新のシステムにより、車線や車間距離の維持、車線変更などの運転操作が、より容易で安全になっています。また、ほかの車両への追突や歩行者との接触のリスクも減りました。
そうしたシステムのなかでも最新のもののひとつが、アダプティブクルーズコントロールの付属機能である「トラフィックジャムアシスト」です。これは、65km/h以下で比較的混雑した高速道路などを走っている場合、アクセルとブレーキだけでなく、短期間であればステアリング操作まで行うシステムです。「ステージ2」のパイロットドライブ機構であり、将来の完全な自動運転につながるテクノロジーとして注目されています。
*欧州仕様車測定値
*下記画像は欧州仕様車のものとなります。
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