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ZFのスポーツカー向け最新8速デュアルクラッチ・トランスミッション:オプションに統合ハイブリッド・モジュールを追加【ゼット・エフ・ジャパン】

2017年2月16日

■ 高効率、最高レベルの快適性とシフトスピードを両立
■ 新型のモジュラー・ハイブリッド・トランスミッション・キット
■ オプションのハイブリッド・モジュールにより、高い運動性能とゼロエミッシンを両立する電気走行が可能

ZFは、最新の8速デュアルクラッチ・トランスミッション(8DT)をベースとして、モジュラー・ハイブリッド・トランスミッションをポルシェと共同開発しました。後輪駆動および全輪駆動向けの新スポーツ・トランスミッションは、シフトスピードや高効率、柔軟性が大きな特徴です。共同開発における重点目標のひとつが、電気駆動をオプションとして実現することでした。新しいギアセット・デザインにより、出力100kWのハイブリッド・モジュールを現行の7DTスポーツ・トランスミッションと同等の全長におさめることに成功しました。また、燃費節約走行時にはハングオン・クラッチを使ってフロント・アクスルのみを駆動する、オプションの統合全輪分散型トランスミッションも同様に省スペースでの組み込みを実現しました。基本トランスミッションのパワーロスも、いくつかの改良を施すことで最大28パーセント削減されました。これには、11.17という超ワイドレシオ、ギアの8速化、感応型潤滑システム等があげられます。最適化されたトランスミッションECU(TCU)は、ZFが独自に開発・製造しました。この新トランスミッションは、ブランデンブルグ工場で生産されます。8DT搭載のポルシェ パナメーラは、既に量産が開始されています。

ZFの乗用車トランスミッション部門を統括するユルゲン・グライナー博士は、「この新8DTスポーツ・トランスミッションは、素早いシフトチェンジ、高効率、電気駆動という要素と、様々な組み合わせで限られたスペースに設置できる柔軟性を両立させました。」と語っています。新8DTは、高レベルのトルク性能、スポーティなレスポンス、高水準の快適性と効率を、7DTと同じサイズで実現したデュアルクラッチ・トランスミッションです。グライナー博士はこう説明します。「ギア比の変化をなだらかに設定した1速から6速ギアによって、クルマは最適な加速でトップスピードに達します。一方、7速と8速はオーバードライブの設定となっており、回転数と燃料消費量を大幅に抑えることができます。」

航続距離を飛躍的に延長するモジュラー・ハイブリッド・トランスミッション
フロント縦置きの8DTは、4つの駆動タイプ(標準、全輪駆動、ハイブリッド、全輪ハイブリッド)と、最高1,000Nmまでの3つのトルクタイプが用意されています。トルクタイプの違いはデュアルクラッチ・モジュールの構成の違いで、基本トランスミッションとギアセットはすべて共通です。また、トランスミッションの油圧系、シフト・システム、パーキングロック、ソフトウェアを含めたECUも共通です。

8DTの基本トランスミッションをできるだけ小型化するため、カウンターシャフト2本とアウトプットシャフト1本という新たなギアセットを考案しました。固定ギアはすべて入力シャフトに取り付けてあり、状況に応じて使用できるためホイールレベルを低く抑えることができ、これによって基本トランスミッションの長尺方向のサイズを大幅に短縮できました。ハイブリッド・モジュールのサイズを変えずに限られた設置スペースに組み込むには、これが唯一の方法でした。また、このギアセット構造により新たな利点がもたらされました。モジュラータイプであるため、フロント縦置きだけでなく他の配置にも使えます。

局所的ゼロエミッションを統合ハイブリッド・オプションで実現
ZFは、この新8速DCT向けに超小型のハイブリッド・モジュールも開発しました。トーション・ダンパーやアクチュエータ付きのセパレータクラッチ、電動モーターが組み込まれ、クラッチのベルハウジング内に直接収まります。これによってトランスミッション全体を大型化することなく、性能向上が実現できました。ピーク出力100kW、通常出力55kW、トルク400Nmのモーターにより、電気駆動のみで時速140kmまで加速できます。この技術を使うことで、回生モードからブーストモードまで、あらゆるハイブリッド機能が可能になります。

安全性とパワーを強化: 統合全輪分散型トランスミッション
8DTの全輪駆動タイプでは、統合全輪分散型トランスミッションにより、フロント・アクスルのギアに必要に応じてトルクが伝達されます。全輪駆動用ハングオン・クラッチは、湿式多板タイプです。このマルチディスクは常時スリップ状態で動作します。圧着度は走行状態に合わせ、フロント・アクスルに必要なトルク量に応じて変化します。

インテリジェント・メカニカル・システム: 新トランスミッションECU
8DTのトランスミッションECU(TCU)とトランスミッション用ソフトウェアは、ZFが独自開発しました。TCUは内蔵ではなく、外付けです。TCUを外付けにしたことで、トランスミッション用サンプの温度上限を抑える必要がなくなり、150ºC未満まで可能です。

このTCUは、8DTの高度な運動性能の実現だけでなく、他の車載システムとの連携による燃料消費の最適化も可能にしました。また、ECOモードでは、走行状態に応じてECUがトランスミッションの圧着度を低く保つため、快適性や性能を損なうことなく、消費電力を抑えることもできます。アイドリングストップ・モードでは、停止減速時に時速10kmとなった時点からエンジンを停止します。さらに、高速走行時もエンジンを停止した状態での巡航が可能です。

また、状況に応じてトランスミッション各部へのパワー供給を独立化する感応型潤滑システムが、さらなる高効率化を達成しました。潤滑システムは、油圧制御ユニット経由でカップリングされた2基のポンプで構成されます。TCUに内蔵された「Cool Oil Flow Management(COFM)」ソフトウェアが、複雑な冷却・潤滑プロセスの調整と制御を行います。COFMが常時、走行状態に応じてトランスミッション内の全コンポーネントに必要なオイル流量を計算し、2基のポンプを作動させて必要量を供給します。さらにまたCOFMは、各ギアに必要な冷却量も計算し、動力伝達に稼働中のトランスミッション各部に対し、常時必要なオイル流量をピンポイントで供給します。








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