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ホンダの燃料電池のインピーダンス測定に向けた新手法にNIのデータ収集製品が採用される【日本ナショナルインスツルメンツ】

2017年2月8日

日本ナショナルインスツルメンツ㈱(本社:東京都港区、代表取締役:マンディップ シング コラーナ、以下 日本NI)は2月8日、㈱ホンダ技術研究所四輪R&Dセンター(栃木)における燃料電池のインピーダンス測定に、NIのPXIデータ収集製品が採用されたことを発表します。


インピーダンス測定で電池の状態を診断
燃料電池では、稼働時のインピーダンスを測定することで状態の診断を行うことができます。現在、商用化されている燃料電池車にも、燃料電池で発電を行った結果、生成される水の量を監視することを目的とし、ある単一周波数に対するインピーダンスを測定するための仕組みが盛り込まれています。その測定結果を基に、水量を調節するための制御を行うということです。実際には、単一周波数ではなく、広い周波数範囲に対するインピーダンスの特性を測定すれば、よりきめ細かい性能管理を実現することができますが、それを実用レベルで行うには、わずか数秒で高精度に計測を実施できる方法が必要でした。

ホンダはそのような要件を満たす新たな計測手法を開発しました。机上検討の段階では、シミュレーションによって計測理論の確認を行い、次に実際の燃料電池を使用してその理論を検証するための計測環境を構築しました。その環境は、NIのPXI製品を用い、高速でのサンプリングや多チャンネルでの測定に対応可能なシステムとしています。測定用のプログラムのほか、インピーダンスの周波数特性を求めるためのFFT演算や移動中央値演算のプログラムは、LabVIEWのライブラリを使用して実現しました。

そのシステムを使って、インピーダンスの周波数特性を取得する実験を行った結果、FFT法に移動中央値を求める処理を追加した新たな手法によって、ノイズの影響を抑えて測定精度を保ちながら、わずか数秒でインピーダンスの周波数特性を取得可能であることが確認できました。


本田技術研究所 四輪R&Dセンター 研究員 江上 雅裕氏のコメント
「NIのプラットフォーム製品を採用すれば、必要に応じて最適なハードウェアを選択することができます。また、測定や演算に必要なプログラムはすべてLabVIEWによりグラフィカルに記述することが可能でした。」

本事例はこちらからご覧になれます。
「燃料電池のインピーダンス測定に向けた新手法を開発、検証環境はPXIで構築」
http://sine.ni.com/cs/app/doc/p/id/cs-17313


本田技術研究所 四輪R&Dセンターについて
四輪R&Dセンター(栃木)は四輪車の総合的な研究所として、効率の良い建物レイアウトに数々の最先端の研究設備を配置し、さらには、走行実験を行う栃木プルービンググラウンドが隣接、テスト結果をスピーディに研究・開発へフィードバックできることなど、極めて効果・効率の高いロケーションを実現しています。
そのような中で、独自の研究開発体制や開発システムを駆使し、技術者のチャレンジ精神や情熱との総和で、環境・安全・品質など自動車メーカーとしての社会的責任を果たすことは無論のこと、技術者一人ひとりがお客様の視点を大切にし、時代に先駆けた「お客様の喜び」につながるクルマづくりを目指しています。
http://www.honda.co.jp/RandD/tochigi/


日本ナショナルインスツルメンツについて
ナショナルインスツルメンツ(NI)は、1976年以来、柔軟で優れたテクノロジシステムを提供し、世界中のエンジニアの生産性向上とイノベーションを後押ししてきました。ハードウェアとソフトウェアを統合したNIのプラットフォームは、ヘルスケアや自動車、家庭用電化製品から素粒子物理学にいたるまで、あらゆる業界で活用され、社会の発展に貢献しています。日本ナショナルインスツルメンツ(japan.ni.com)は、NIの日本法人です。








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