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ニュー911RSRがデビュー戦で2位を獲得、911GT3Rはクラス優勝【ポルシェ ジャパン】
2017年1月30日
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、初戦:デイトナ24時間レース、米国
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)のワークスドライバー、パトリック・ピレ(フランス)/ ディルク・ヴェルナー(ドイツ)/フレデリック・マコヴィッキ(フランス)/(36)は、デイトナで行われた2017シーズンのIMSA開幕戦でニュー911RSRを駆り、GTLMクラス2位を獲得いたしました。過酷なデイトナスピードウェイでの634周の渡るレースで、ワークスドライバートリオはわずか2.988秒の僅差で優勝を逃しました。
一方、911 GT3RでGTDクラスを戦ったポルシェ カスタマーチームのアレグラ モータースポーツは、ポルシェ ワークスドライバー、ミカエル・クリステンセン(デンマーク)からのサポートを得てクラス優勝を果たしました。この勝利はポルシェにとって、長き伝統を誇るデイトナでの耐久レースにおける77度目のクラス優勝です。
55回目を迎えた今年のデイトナ24時間は、土曜夜の降り続いた雨と例年にない冷たい気温によりドライバーだけでなくチームにとってもチャレンジングなレースとなりました。水びだしになった路面によりコントロールを失うドライバーが続出し、何度もセーフティーカ―が入りました。21回のセーフティーカーラン中、もっとも長いものは日曜日の早朝、洪水のようになったレーストラックのコンディションにより2時間以上に及び、セーフティーカ―も燃料切れを起こしてしまうほどでした。
レース序盤、2つの高速バンクとツイスティなインフィールドに翻弄され、510psを誇るヴァイザッハ生まれの911 RSRは、予定外となった6度のタイヤ交換で多くの時間とポジションを失います。その後セットアップを最適化したことで右フロントタイヤの問題は解決し、2台の911RSRはリズムを取り戻しました。激しい降雨によりコンディションが厳しくなる中、5.729kmのサーキットで周回を重ねた両車はGTLMクラスのトップ争いに加わります。雨の中サーキットに詰めかけた多くのスポーツカーファンは、レース中に幾度もトップが入れ替わる展開に決して飽きることはありませんでした。
今回のレースでは5つのマニュファクチュアラーのいずれも易々とトップを走り続けることは許されず、GTLMクラスの争いが桁外れに激しいことを証明しました。日曜朝に太陽が昇る頃、トップ争いはもっとも激しい展開となります。911RSRは2台揃ってコンスタントに速いラップタイムを刻み、良いポジションをキープしていましたが、予期せぬ右フロントサスペンションのトラブルにより#912はポディウム争いから脱落します。最終的にケヴィン・エストル(フランス)/ ローレンス・ヴァンスール(ベルギー)/ リヒャルト・リーツ(オーストリア)組は6位でチェッカーを受けました。
チームメイトの#911をドライブするパトリック・ピレは、最終スティントでフォード、フェラーリ、シボレーとの四つどもえのバトルを制して見事2位でチェッカーを受けました。この結果、ポルシェはセブリング、ワトキンス・グレンとプチ・ルマン、そしてこのデイトナの伝統ある4つの耐久レースで争われるノース アメリカ エンデュランス カップでも、タイトル奪取へ好位置につけています。
500psを誇る最先端の水平対向6気筒4リッター直噴エンジンを搭載する911 GT3Rは、1年前にデビューを果たしたこのデイトナで初のクラス優勝(GTDクラス)を遂げました。レースが残り1時間になろうとする頃、ミカエル・クリステンセンがアレグラ モータースポーツの911 GT3Rをトップに導き、そのままゴールしました。ポルシェは、世界中で開催されているGT3カテゴリーのレース用に、911 GT3RSをベースとしてカスタマーレーシングカーの911 GT3Rを開発しました。911 GT3Rは先頃行われたドバイ12時間レースに続き、メジャーな耐久レースにおいて今シーズン2勝目を挙げたことになります。
レース後のコメント
モータースポーツ部門責任者 フランク=シュテッフェン・バリサー博士:「新しい911RSRSのデビュー戦は素晴らしいレースでした。24時間レースをわずか2秒差で優勝を逃しましたが、それはどうでもいいことです。極限ともいえるタフなレースで勝利に向けて見事な戦いが繰り広げられました。悪天候の中、ファンたちはレースに興奮していたようです。2台の911RSRは大きなトラブルもなくフィニッシュし、アレグラ モータースポーツの911 GT3RによるGTDクラス優勝も花を添えてくれました。我々のワークスドライバー、クリステンセンは若く経験の少ないチームを出来る限りサポートしました。デイトナの結果に満足しています」。
マルコ・ウジャーシ GTワークスモータースポーツ・プロジェクトマネージャー:「チームを誇りに思います。この18か月間、彼らはデイトナに強力なマシンを持ち込むべく準備をしました。ヴァイザッハのチームスタッフ、パートナーであるミシュラン、そして我々も含めて一人一人が全力を果たしました。今日、その努力が報われたのです。レースは最後まで目が離せませんでした。序盤、タイヤに問題がありましたが、それは最後に勝負を掛けるセットアップを得るため限界を知るべくプッシュした結果です。私たちはあきらめずに戦い続けました。チームのファイティングスピリットが不可能を可能にしたのです。私はワークスドライバーたちを誇りに思います。ミスを犯さずにトップのパフォーマンスを見せた彼らは、まさに最強のチームです」。
パトリック・ピレ(911 RSR #911):「典型的なデイトナのレースでしたね。最初の20時間、これまでにないほど多くの指示を無線で受けたため、余計なリスクは冒さず目の前の順位を上げることはしませんでした。チームの幾人かはこのアプローチに疑問を持ったかもしれませんが、私は何が起きているかは把握していました。最後の2時間では911RSRが持つすべての力を発揮できたと思います。勝てなかったのは残念ですが、新しいレーシングカーでここまでやれたことに私は満足しています。大きなステップと言えるでしょう。私の心はすでにセブリングへ向かっています」。
ディルク・ヴェルナー(911 RSR #911):「ポルシェワークスの一員をして初めてのレースは感情的なものでした。特に最後の場面はハラハラしました。パトリックは全力で戦い、幾度かは勝ったと思う程でした。優勝は逃しましたが、完璧なレースだったと言って良いでしょう。チーム一丸となり全力で戦いました。新しい911RSRのポテンシャルは非常にポジティブです。開発陣に敬意を表します」。
フレデリック・マコヴィッキ(911 RSR #911):「チームを祝福したいと思います。なんて素晴らしいシーズン幕開けでしょう! ニュー911RSRの開発のために消費した時間は無駄ではなかったのです。コンセプトが正しいことも証明されました。今日のレースで全てが上手くいったわけではありませんが、諦めずに戦い続けて勝負権を取り戻しました。ひとつ確かなのは、我々はタイトル争いに帰ってきたということです」。
ケヴィン・エストル(911 RSR #912):「良いレースでした。24時間レースを走り7台が10秒以内にいるのは、よくあることではありません。私たちのクルマのこの争いのは加わっていましたが、優勝争いは出来ませんでした。チームは全力を尽くしてくれました。デイトナはシーズン開幕戦にすぎません」。
ローレンス・ヴァンスール(911 RSR #912):「ここデイトナは、私にとってポルシェワークスとして初めての、911 RSRをドライブする初の、そしてアメリカにおける初レースでした。改善すべき点はまだまだありますが、上出来なレースと呼べるでしょう。ミスをしないことが私には重要でした。自分のパフォーマンスに完全には満足していません。もっとやれるはずですし、時間もまだあります。クルマのポテンシャルも充分にあるので、良いシーズンになりそうです」。
リヒャルト・リーツ(911 RSR #912):「見事なニュー911RSRのデビューでした。クルマはほぼ完ぺきで、チーム全体も時計仕掛けのように働きました。この経験はポルシェにとって、シーズン残りのレースで基礎になるでしょう。今からセブリングが楽しみで仕方ありません」。
ミカエル・クリステンセン(911 RSR # 912):「素晴らしい週末でした。911 GT3Rでの初レース、特に27台がGTDクラスで争ったここデイトナにおけるチームの目を見張るパフォーマンスに感服しています。最初のスティントは私のキャリアにおいてもベストの一つと言えるほどでした。チームに何を求められているかは理解していました。クルマにダメージを負わすことなく素晴らしい結果を得られて、感激しています」。
IMSA第2戦のセブリング12時間は、3月18日にフロリダ州で開催予定です。
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