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2016年11月欧州市場新車販売市場【JATO Dynamics】
2017年1月10日
2016年11月欧州市場新車販売市場
「11月の欧州29ヵ国新車登録台数は前年同期比+6.8%を記録。
2007年以来最高の増加率を示す」
● 欧州の自動車産業は、経済およびテロへの懸念などによる政治的な不透明さにもかかわらずプラス成長を続けた。
● 年初来登録台数は2007年以来最高水準となり、欧州新車市場の力強さを示す。
● Renault CapturがVolkswagen Tiguanを抑え、Nissan Qashqaiを3位に押し下げ、欧州のベストセラーSUV
となる。
1．国別
欧州の自動車産業は、Brexitの問題そしてEUの将来性に対する消費者マインドの低下にもかかわらずプラス成長を続け、11月単月の欧州新車登録台数は欧州自動車産業の力強さを示した。JATO Dynamicsが分析した11月単月の欧州29ヵ国新車登録台数合計は1,184,140台であり、前年同月と比較して+5%の伸び率となった。年初来登録台数では前年同期比+6.8%の13,937,339台となり、2007年以来最高の伸びとなった。季節調整済み年率換算値では15,097,119台に達する見込みである。欧州Big5市場（イギリス・ドイツ・スペイン・フランス・イタリア）の成長率に目を向けると、スペインは前年同月比+13%と最も好調であった。続いてフランスが前年同月比+8.2%と2位にランクインした。一方、ドイツ、イタリア、イギリスではそれぞれ+1.5％、+5％、+2.9%と緩やかな伸びを記録。11月は欧州29ヵ国のうち26ヵ国において新車登録台数が前年同月比プラスを記録し、欧州全域でポジティブな月となった。減少した市場は、アイルランド、スイス、オランダで、それぞれ-20.4%、-0.4％、-20.7％と伸び悩んだ。
2．ブランド別
ブランド別では、Volkswagenグループが欧州最量販ブランドの地位を維持した。マーケットシェアが0.28パーセンテージポイント縮小したにもかかわらずマーケットの24.56%を占めた。Renault-Nissanは0.72パーセンテージポイント拡大。2位を維持し、マーケットの14.1%を占めた。Daimler グループは0.83パーセンテージポイント拡大し、欧州5番目の自動車メーカーとなり、マーケットの6.74%を占めることとなった。それに反し、-1.19パーセンテージポイントと最もシェアを落としたブランドはPSA（9.19%）であった。
セグメントランキングでは、SUVが引き続き好調であり、11月新車登録台数は前年同月比+16.1％の316,278台を記録した。SUVセグメンは他のどのセグメントよりもマーケットシェアを拡大し続けており、市場全体の26.7%を占めた。一方で、従来のセグメントであるMPV, A-セグメント、E-セグメントは前年同月比マイナスの結果となった。
3．モデル別
モデル別では、Volkswagen Golfが前年同月比-7.5%であったにもかかわらず最量販モデルの地位を維持した。Renault Clioは、欧州29ヵ国において2番目のベストセラーモデルであり、前年同月比+20.3%を記録した。同ブランドのCapturは11月において最も売れたSUVであり、SUVセグメントのライバルであるVolkswagen Tiguan に188台の差をつけ、さらにNissan Qashqaiを3位に押し下げた。
「2016年は2015年に記録した高水準な販売台数を更に上回るものと予想される。経済的、政治的情勢に不透明感があった事を考慮すると、著しい業績となる可能性が高いと見られる。しかしながら、2017年はより不透明感が増すことが予測され、更にはイギリスが3月にEU離脱手続きに入ると見られている。ドイツの自動車市場がイギリスを最大の輸出市場と見做していることを考えると、イギリスの消費者マインドの低下は、欧州の自動車市場に大きく影響する可能性が高い。」
と、JATO Dynamics社のGlobal Automotive AnalysisであるFelipe Munozは結論付けている。
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Web：www.jato.com Tel：03-6801-9551 Email：japan.inquires@jato.com
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