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2016年9月欧州市場新車販売速報【JATO Dynamics】
2016年11月1日
2016年9月欧州市場新車販売速報
「9月の欧州新車市場は新+7.1%を記録、過去10年で最高の伸び」
● 欧州29ヵ国中26ヵ国で新車販売台数が増加。
● 年初来登録台数は前年実績+7.7%の1,160万台。
● SUVの年間登録台数が初めて40万台越えを記録。
1．国別
欧州29ヵ国の9月実績は+7.1%の1,495,815台となり、9月単月では10年ぶりの高水準を記録1-9月の累計実績は前年同期比でも+7.7％の1,160万台となり、2008年以来の高水準となった。特にイタリア、ポーランド、ベルギー、オーストリア、スペインではそれぞれ前年同月比+17.4%、+19.8%、+13.7%、+14.9%と際立った成長を見せた。2ケタ増を記録した国は欧州29ヵ国中16ヵ国。一方でマイナスに転じた国はアイルランド（-1.5%）、オランダ（-4.8%）、ギリシャ（-9.9%）の3ヵ国であった。
セグメント別に目を向けると、SUVセグメントが歴代初の40万台を突破。その結果、SUV全体のセグメントマーケットシェアは23.3%から26.9%へと拡大した。このSUV人気に影響を受け、サブコンパクトセグメント（B-セグメント）、小型セグメント（A-セグメント）、MPVセグメントのマーケットシェアが縮小。Renault-NissanがSUVセグメントで21.7%のマーケットシェアを占め引き続き首位を維持。また登録台数も前年同月比+14%と好調だった。
Jaguar Land RoverもメインストリームプレイヤーであるPSA、Ford、FCA、General Motorsの伸び率を上回った。
JATO Dynamics社のGlobal Automotive AnalystであるFelipe Munozは次のように述べている。
「成長軌道に戻った8月に続き、9月の結果についても自動車産業にとって新型モデルの発表や経済の安定から恩恵を受けた。今後、自動車産業はイギリスのEU離脱に伴う企業投資に対する影響により困難に直面するであろう。しかし、今現在の欧州市場は上昇傾向にある。」
2．ブランド別
9月のVolkswagen Groupのマーケットシェアは、8月の26.0%（2015年8月：26.7%から2016年8月：26.0%）から下降傾向が続いているが、下げ幅は 2015年9月に記録した23.2%から22.9%へと8月と比べて縮小してきている。VolkswagenとSeatブランドは、前年同月比それぞれ+3.5%、+0.6%と穏やかな伸びを示した。
Porsche、Audi、Skodaもそれぞれ前年同比+9.6%、+8.7%、+9.9%と好調であった。SUV全体のセグメントは引き続きVolkswagen Groupのパフォーマンスを押し上げ、同ブランドのSUVモデルは前年同月比+26.5%を記録し、同ブランドにおける総売り上げの16.7%まで拡大した。対照的に、小型車は苦戦を強いられており、前年同月比-4.3%であった。
Renault-Nissanは2015年9月12.4%から12.9%へとマーケットシェアを拡大し、ランキング2位を維持。トップ10ブランド中Renault-Nissanが最もSUVセグメントに依存しており、同ブランド全体の45.4%をSUVモデルが占めている。
対照的にPSAが前年実績-5.9%と先月に続き販売台数が伸び悩んでおり、3ブランド（Pegueot、Citroen, DS）全てにおいて販売台数が減少したが、発表が間近に迫った新型注目モデルのCitroen C3、Peugeot 3008が同ブランドの販売台数を改善させるはずである。
9月のビックサプライズは、BMW、Mercedesの両ブランドからであった。BMWの伸び率はFordを上回り前年同月比+11.3%を記録した。またBMW全てのブランドにおいて、2ケタ増の伸びを記録した。Mercedesも前年同月比+17.8%の91,572台と急成長を見せ、プレミアムブランドベストセラーとなった。またマーケットシェアでも+0.61パーセンテージポイントとし、最もマーケットシェアを拡大したブランドとなった。
3．モデル別
モデル別では、Volkswagen Golfが46,392台を記録し、最量販モデルの地位を維持した。しかし、前年同月比では-15.2%と大きく販売台数を落としており、マーケットシェアでも473モデうち最もマーケットシェアを落としたモデルとなった。Golfは主要マーケットであるフランス、イギリス、ドイツで2ケタ減と苦戦した。しかしながら、ライバルのOpel/Vauxhall Astra（前年同月比+31.1%の25,301台）に21,000台の差を付けた。その他のライバル車であるRenault Meganeが前年同月比+65%と好調な販売を見せた。Fiat Tipoも6,500台を記録し、好調な販売を記録した。
2位にはFord Fiestaが35,235台を記録。Golfとの差を11,000台まで縮めたが、前年同月比では-7.4%であった。対照的にFiestaと同セグメント（B-セグメント）のライバル車であるVolkswagen Poloは前年同月比+10.8%の31,753台を記録し、Opel/Vauxhall Corsaを上回った。
競争が激しいSUVセグメントだが、Nissan Qashqaiが先月に続きベストセラーを維持したが、伸び率は前年同月比+2.9%と穏やかであった。
Volkswagen Tiguanは好調を維持しており、前年同月比+47.1%と大幅な伸びを記録し、Qashqaiとの差を3,400台まで縮めた。
本稿の締めくくりとして、Felipe Munozは次のように述べている。「SUVモデルが引き続き市場の大半を占めており、これが全ての自動車メーカの業績にインパクトを与えている。2017年も新型SUVモデルが発表され、同セグメントでの競争は、より一層激しいものとなるであろう。」
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