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業界初、40nmマイコン用フラッシュメモリを開発【ルネサス エレクトロニクス】
2011年12月14日
~本フラッシュメモリ内蔵の車載マイコンを2012年初秋にサンプル出荷~
ルネサス エレクトロニクス㈱(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:赤尾 泰)はこのたび、40nm(ナノメートル:10億分の1)プロセスのマイコン内蔵用フラッシュメモリを業界で初めて開発しました。
内蔵用フラッシュメモリでは、品質と信頼性を維持したまま微細化することは一般的に困難ですが、当社では既に90nmマイコン用に採用して高い実績があるMONOS構造(注)フラッシュメモリを、40nmプロセス上でさらに改良することにより両立を実現。試作チップにおいて120MHzの高速読み出しと20年のデータ保持時間、12.5万回の書き換えサイクル数(データ保存用の場合)を確認しました。
今後、製品への適用を加速し、業界最先端となる40nm車載用フラッシュメモリ内蔵マイコンを2012年初秋までに製品化、サンプル出荷を開始する予定です。
近年、自動車をはじめ高い信頼性が要求される機器では、制御の高度化に加え、機能安全への対応やセキュリティ対応、ネットワーク対応など、さらなる高性能化と多機能化が要求されます。また、マイコン用ソフトウェア(プログラム)等を格納するフラッシュメモリの大容量化も求められるため、微細化により1チップ上に搭載するフラッシュメモリや周辺機能の集積度を高めることが望まれています。
しかしながら微細化が進み、内蔵フラッシュメモリの品質や信頼性を落とさずに40nm 等にまで微細化することは一般的に難しく、フラッシュメモリIPの開発が、フラッシュメモリ内蔵マイコン(以下フラッシュマイコン)の開発において大きなステップの一つとなっています。
こうしたなか、当社はフラッシュマイコンを業界に先駆けて量産し、自動車、民生、産業等の幅広い分野でフラッシュメモリの普及に貢献してきたという実績があります。また、早くから信頼性、高集積化要求のトレンドを見通し、微細化が比較的容易なMONOS構造のフラッシュメモリを150nmマイコンに採用し、2007年に業界で初めて90nmフラッシュマイコンのサンプル出荷を開始しました。そして今回、長年培ったノウハウと90nmへの微細化対応の経験をもとに、業界で初めて40nmのマイコン内蔵用フラッシュメモリIPを開発完了したものです。これにより、55nm等の段階を踏まず、いち早く40nmの車載用フラッシュマイコンを製品化することが可能となり、フラッシュメモリ以外のロジック部分の微細化効果と併せて提供できるようになります。
今回開発した内蔵フラッシュメモリIPの主な特長は、以下の通りです。
(1) 高速読み出しを確認
試作チップにおいて、プログラム格納用フラッシュメモリで120MHz(当社90nmでは100MHz)の読み出し速度を実現しており、製品に適用した際のエンジン制御等の複雑なリアルタイム処理が実現可能です。
(2) 高信頼性を確認
車載マイコンで重要な20年のデータ保持時間を40nm試作チップで実現。さらに両立の難しい書き換え回数もデータ格納用フラッシュメモリで12.5万回を実現しています。
なお、本フラッシュメモリにより、40nmのフラッシュマイコンを製品化した場合、ロジック部分も微細化効果により、高速化、低消費電力化に加え、トランジスタを当社比で90 nmの約4倍、55nmの約2倍多く内蔵でき、マルチCPUコア対応、機能安全対応や、セキュリティ、複数規格のインタフェースを搭載したマイコンなどが開発可能となります。
ルネサスでは、今回の開発をもとに40nmの車載用フラッシュマイコンの開発を加速し、いち早くニーズに対応した製品を市場に投入することで、快適、安全、エコを実現するユーザの先端商品開発に貢献していきます。
(注) MONOSは、Metal Oxide Nitride Oxide Siliconの略。ルネサスでは、EEPROM製品に20年以上適用しているMONOS技術をマイコン内蔵用のフラッシュメモリに適用している。また、その際、独自のトランジスタ構造を開発している。
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