ニュース

ポリカーボネート樹脂として世界最高水準の高表面硬度を実現【帝人化成】

2011年12月13日

帝人化成㈱(本社:東京都千代田区、社長:酒井 和幸)は、このたび、高い透明性や耐衝撃性などポリカーボネート(PC)樹脂本来の特長を損なうことなく、PC樹脂として世界最高水準の表面硬度を実現した特殊樹脂を開発しました。

当社は、アジアシェアNo.1のPC樹脂メーカーとして、透明性・耐衝撃性・耐熱性など様々な特長を備えたPC樹脂を中心に、これまでも、自動車やエレクトロニクスなど様々な用途で市場展開してきましたが、PC樹脂は表面硬度が低く(鉛筆硬度「2B」程度)、傷付きやすいという課題がありました。表面硬度を高めるには、ハードコートや塗装などの表面処理や、アクリルなど他樹脂とのアロイ化が用いられますが、透明性や耐衝撃性といったPC樹脂本来の特長が低下してしまうため、顧客からは表面硬度の向上とそれらを両立させる素材の開発が強く求められていました。

このたび開発した特殊PC樹脂は、樹脂の分子設計から見直すことで、高い透明性や耐衝撃性などPC樹脂本来の優れた特長を維持したまま、表面硬度をPC樹脂として最高水準である「H」まで高めることに成功しています。流動性もPC樹脂と同等の高さを有しているため、薄肉成形にも適しています。また、表面保護のためのハードコーティングや塗装も不要となり、「コーティングレス」「塗装レス」を実現することで、生産効率の向上やコーティング・塗装による環境負荷の低減、トータルコストの削減が期待できます。

これらの特長を活かし、自動車の内装やOA機器・スマートフォンといったエレクトロニクス製品の筐体などを中心とした幅広い用途への展開を予定しており、5年後に年産数百トンをめざし、今後の量産体制確立へ向けた実用化検討を予定しています。

当社は、このたびの開発を契機として、高度化する顧客のニーズや期待に的確に応えるとともに、環境負荷低減に貢献できる高付加価値製品の開発や市場展開をさらに強化していきます。


帝人化成株式会社ホームページはこちら

 

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#帝人化成
#材料
#ポリカーボネート