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新製品「LTC3871」を発売開始【リニアテクノロジー】

2016年9月21日

利用可能な電力を増やす自動車用48V/12V
電源対応の双方向同期整流式降圧または昇圧DC/DCコントローラ


リニアテクノロジー㈱は、48V/12Vの自動車用デュアル・バッテリ・システムに最適な、100V/30V双方向2フェーズ同期整流式降圧または昇圧コントローラ「LTC3871」の販売を開始しました。LTC3871は熱特性が改善された48ピンLQFPパッケージで供給されます。3つの温度グレードがあり、拡張温度とインダストリアル・グレードは-40℃~125℃、高温車載グレードは-40℃~150℃の動作温度範囲で仕様が規定されています。1,000個時の参考単価は5.40ドルからで、リニアテクノロジー国内販売代理店各社経由で販売されます。製品の詳細情報は、リニアテクノロジーのWebサイトをご参照ください(www.linear-tech.co.jp/product/LTC3871)。

より多くの電気機器を搭載する必要性がますます高まっているため、現在の12V自動車用電源システムは、その電力の限界である3kWに達しようとしています。新しく提案された規格であるLV148では、既存の12Vシステムに補助的な48Vバスを組み合わせています。48V電源には、ベルト駆動スタータジェネレータ(BSG)またはモーター機能付きジェネレータ(ISG)、48Vリチウムイオン・バッテリ、双方向DC/DCコンバータが含まれており、48Vバッテリと12Vバッテリの組み合わせから得られる最大10kWのエネルギーを供給できます。自動車メーカーはますます厳しくなるCO₂排出量の目標値を達成することを目指しているので、この技術は、従来の内燃自動車だけでなく、ハイブリッド電気自動車やマイルドハイブリッド車も対象としています。

リニアテクノロジーのパワーマネージメント製品グループ担当副社長を務めるDon Paulusは、「自動車の電気システムの一部を48Vで駆動することは、利用可能なエネルギーを増やすと同時にワイヤーハーネスの軽量化や損失低減を行う上で中心的な役割を果たすでしょう。このようにしてエネルギー容量を増やすことにより、新しい技術への道が開けるので、性能を落とすことなく、より安全で、より効率的な車を実現することができます」とコメントしています。

LTC3871は、12Vと48Vのボードネット間で双方向のDC/DC制御とバッテリ充電を行います。このデバイスは48Vバスから12Vバスへの降圧モード、あるいは12Vから48Vへの昇圧モードで動作します。制御信号を与えることにより、要求に応じて、いずれのモードにも設定されます。最多12フェーズの並列接続が可能で、位相をずらして駆動することにより、大電流アプリケーション(最大250A)の入力および出力のフィルタリングの要件を最小限に抑えることができます。高度な電流モード・アーキテクチャを採用しているため、並列接続時にフェーズ間で優れたマッチングを実現できます。12フェーズ設計では、降圧モードまたは昇圧モードで最大3kWを供給可能です。

自動車の発進時や追加の電力が必要な場合、LTC3871は一方のボードネットから他方のボードネットへエネルギーを変換することによって、両方のバッテリが同時にエネルギーを供給できるようにします。通常、12Vバスが点火装置、照明、インフォテインメント、オーディオなどのシステムに給電し続けます。48Vバスは、アクティブ・シャーシ・システム、パワー・ステアリング、エアコン用コンプレッサ、電動スーパーチャージャ/ターボに給電し、回生ブレーキをサポートします。最大97% の効率を達成可能で、内蔵の電流設定ループにより、どちらの方向にも負荷に最大電流を供給できるように制御します。4つの制御ループ(2つは電流制御、2つは電圧制御)により、48Vと12Vのどちらのボードネットでも電圧と電流を制御できます。

LTC3871は60kHz~460kHzの選択可能な固定周波数で動作し、同じ周波数範囲で外部クロックに同期することもできます。軽負荷時に連続動作またはパルス・スキップ動作のいずれかを選択できます。この他に、過負荷および短絡保護、降圧および昇圧用の個別のループ補償、EXTVCCによる効率向上、全温度範囲にわたる±1%の電圧レギュレーション精度、低電圧および過電圧ロックアウトなどを特長としています。LTC3871はAEC-Q100仕様を満たしており、本質的安全設計がなされ、ISO-26262規格に適合するように十分に考慮されています。


LTC3871の特長 :
要求に応じて降圧モードまたは昇圧モードで動作
独自のアーキテクチャにより、入力電圧、出力電圧または出力電流のレギュレーションが可能
48V(公称)バス、最大100V
12V(公称)バス、最大30V
AEC-Q100/ISO-26262に適合
最多12フェーズ動作
同期整流:最大97%の効率
高度な電流モード制御
全温度範囲で±1%のリファレンス電圧精度
降圧動作および昇圧動作に対応する、プログラム可能な出力電流モニタリングおよびレギュレーション
降圧および昇圧の電流検出制限値を選択可能
プログラム可能なDRVCC/EXTVCCによる効率の最適化
フェーズロック可能な周波数 : 60kHz~460kHz
過負荷/短絡保護
熱特性が改善された48ピンLQFPパッケージ


リニアテクノロジーについて
S&P 500の一員であるリニアテクノロジーは、過去30年にわたり広範囲に渡る高性能アナログICの設計・製造及びマーケティング活動を行い、世界中の多くの企業に提供しています。リニアテクノロジーの半導体は、私たちのアナログ世界と「通信」、「ネットワーキング」、「産業」、「自動車」、「コンピュータ」、「医療」、「精密機器」、「民生」さらには「軍需航空宇宙」システムで幅広く使用されている、デジタル・エレクトロニクスとの架け橋の役目を担っています。リニアテクノロジーは、パワーマネージメント、データ変換、信号調整、RF、インタフェース、μModuleサブシステム及びワイヤレス・センサ・ネットワーク製品を設計・製造・販売しています。詳細は同社Webサイトをご参照ください。
http://www.linear-tech.co.jp


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