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MATLAB/Simulink製品ファミリーの Release 2016bを発表【MathWorks Japan】
2016年9月20日
MATLABでのビッグデータ処理の簡略化と機能の拡張
MathWorksは、MATLABでのビッグデータの処理方法を簡略化する新しい機能を追加した「Release 2016b(以下 R2016b)」を発表しました。エンジニアや科学者は、メモリに収まらない様な大規模データをさらに容易に操作できます。またR2016bには、Simulinkの追加機能、新製品のRisk Management Toolbox、さらに更新およびバグ修正が行われた83製品が含まれます。
新たに追加されたtall配列を使用することで、エンジニアや科学者は使い慣れたMATLAB関数と構文を使用して、メモリに収まり切らない大規模データを容易な操作で処理でき、ビッグデータの取り扱いに特化したプログラミングが不要となります。tall配列は、数百もの数学、統計および機械学習のアルゴリズムに適用でき、Hadoopクラスター上での実行や、Sparkアプリケーションとの直接統合も可能にします。
R2016bには、時系列データに対してインデックス操作や時間軸の同期が行えるtimetableデータコンテナー、テキストデータを効率的に操作、比較および格納するためのString配列や、データの前処理を行う新しい関数が含まれています。
MathWorksのMATLABマーケティングディレクター、David Richは次のように述べています。「企業はデータが溢れており、これを利用してさらに優れた予測モデルを構築し、より深い洞察を得られるよう注力しています。R2016bでは、各分野の専門家がさらに多くのデータをより容易に処理できるようになっており、システム設計、パフォーマンスおよび信頼性の向上につながります。」
MATLAB製品ファミリーの更新プログラムには以下が含まれます :
・MATLAB :
○ メモリに収まり切らない大規模データの操作を可能にするtall配列
○ 時系列データに対するインデックス操作、および時間軸同期するためのtimetableデータコンテナー
○ ローカル関数がスクリプト内で定義可能になり、コードの再利用性と可読性が向上
○ MATLAB Engine API for Javaを使用して、JavaプログラムからMATLABコードを実行する機能
・MATLAB Mobile : iPhoneおよびAndroidのセンサーからのデータログをMathWorks Cloud上で記録
・Database Toolbox : Neo4jデータを取得するためのグラフデータベースインターフェイス
・MATLAB Compiler : tall配列を含む MATLABアプリケーションのSparkクラスターへのデプロイをサポート
・Parallel Computing Toolbox : デスクトップ、サーバーおよびMATLAB Distributed Computing Serverを搭載
するSparkクラスターでtall配列を並列で使用し、ビッグデータを処理することが可能
・Statistics and Machine Learning Toolbox :
○ 次元数の削減、記述統計、k平均法クラスタリング、線形回帰、ロジスティック回帰および判別分析を含む、
メモリに収まり切らないデータを処理するためのビッグデータのアルゴリズム
○ 機械学習アルゴリズムのパラメーターを自動調整するベイズ最適化および機械学習モデルの特性を選択する
Neighborhood component analysis (NCA)
○ MATLAB Coderを使用したSVMおよびロジスティック回帰モデル向けのC/C++コード自動生成のサポート
・Image Processing Toolbox : Simple Linear Iterative Clustering (SLIC)による3-Dスーパーピクセルおよび3-
Dメディアンフィルターを使用するボリューム画像データのサポート
・Computer Vision System Toolbox : ディープラーニングのR-CNN (リージョンベースたたみ込みニューラルネッ
トワーク)を使用したオブジェクト検出
・Risk Management Toolbox : リスクモデルの開発およびリスクシミュレーションの実行を行う新製品
・ThingSpeak : インターネットに接続されたセンサーからデータを収集し、Statistics and Machine Learning
Toolbox、Signal Processing Toolbox、Curve Fitting Toolbox、Mapping Toolboxの機能を使用して、クラウド
上でMATLAB解析を実行することが可能
Simulink製品ファミリーの更新プログラムには以下が含まれます :
・Simulink :
○ JITコンパイラをアクセラレータモードで実行中のシミュレーションに使用してパフォーマンスを向上
○ 初期化、リセット、終了処理を実行するサブシステムにより動的なスタートアップやシャットダウンの振る舞
いをモデル化
○ State ReaderおよびWriterブロックを使用して、モデルのどこからでもリセットの振る舞いを完全に制御
○ Raspberry Pi 3およびGoogle Nexusハードウェアのサポート
・SimulinkおよびStateflow : プロパティインスペクター、モデルのデータエディターおよびシンボルマネージャーに
より、パラメーターおよびデータの編集を簡略化
・Simscape : 理想気体、半理想気体および実在気体システムのモデル化のためのブロックライブラリの拡張
信号処理・通信の更新プログラムには以下が含まれます :
・Signal Processing Toolbox : 複数の時系列の時間領域と周波数領域の解析を実行するシグナルアナライザーアプ
リ
・Phased Array System Toolbox : 多重伝播の広帯域モデル、及び狭帯域と広帯域モデルに対する大気効果のサ
ポート
・WLAN System Toolbox : IEEE 802.11ahサポートおよびマルチユーザーMIMO受信機の機能
・Audio System Toolbox : VSTプラグインをMATLABで直接実行およびテストするオーディオプラグインホスティ
ング
コード生成の更新プログラムには以下が含まれます :
・Embedded Coder :
○ 以前のリリースから生成されたコードを再利用するためのクロスリリースコードの統合
○ あらゆるソフトウェア環境で組み込み可能な、動的なスタートアップおよびシャットダウンの振る舞いを含む
コード生成が可能
○ Diagnostic Event Manager(DEM)および NVRAM Manager(NvM)を含むAUTOSAR基本ソフトウェ
アのシミュレーションをサポート
・HDL Coder : 対象のクロック周波数での自動パイプライン挿入を促進する適応パイプライン、遷移と状態を可視化
および解析するロジックアナライザー(DSP System Toolboxを使用)
検証と妥当性確認の更新プログラムには以下が含まれます :
・Simulink Verification and Validation : モデル設計時にモデリング標準への準拠の問題を確認および検出する編集
時チェック機能
・Simulink Test : テスト評価のためのカスタムの指標の定義
・HDL Verifier : 内部FPGA信号をプロービングして MATLABまたはSimulinkで解析するためのFPGAデータの取得
・Polyspace Bug Finder : サイバーセキュリティ脆弱性検出のためのCERT Cコーディング規約のサポート
R2016bは世界中で今すぐに入手可能です。詳細については、R2016b Highlightsをご覧ください。
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MathWorksについて
MathWorks(マスワークス)は、数学的計算で業界をリードする世界的なソフトウェア開発会社です。MATLABは、Language of Technical Computing(技術計算のための言語)として、アルゴリズム開発、データ解析、視覚化、数値計算のためのプログラミング環境を提供します。Simulinkは、マルチドメインシミュレーションやダイナミックシステムおよび組込みシステムのモデルベースデザインのためのグラフィカル環境です。世界中のエンジニアや科学者が、自動車、航空宇宙、エレクトロニクス、金融機関、生命工学、製薬などの産業分野において、発見、革新、開発を加速させるためのツールとしてこれらの製品ファミリーを活用しています。また、MATLABおよび Simulinkは、教育および研究に欠かせないツールとして、世界各国の大学や教育機関において活用されています。MathWorksは1984年に創業、現在は、マサチューセッツ州ネイティックを本拠地とし、世界 15か国で 3500名以上の従業員が活躍しています。詳細については、mathworks.comをご覧ください。
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