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ガソリンの代わりに水を使用【ボッシュ】
2016年8月31日
ウォーター インジェクション
ガソリンの代わりに水を使用 :
ボッシュのイノベーションにより燃費が最大13%向上
● ボッシュが唯一かつ初のサプライヤーとしてウォーター インジェクションを提供
● 水を使用して燃料を節約し、エンジン出力をアップ
● ウォーター インジェクションの仕組みが分かるスペシャルサイト(英語)
www.bosch-waterboost.com
最新型のガソリンエンジンであっても、燃料の約5分の1が駆動以外のことに使用されているのをご存知ですか?実はガソリンの一部は、特に高回転域で冷却のために用いられているのです。そこでボッシュは、このガソリンによる冷却を水で代替するウォーター インジェクション システムを発表しました。このシステムは、速やかに加速する時や高速道路を走行する時などに水を加えて噴射し、燃費を最大13%向上することができます。ボッシュ取締役会メンバーとしてモビリティ ソリューションズ セクターを統括するロルフ・ブーランダー(Rolf Bulander)は、「ボッシュのウォーター インジェクションを組み合わせると、内燃機関の可能性がさらに広がります」と述べています。このボッシュの技術を採用すれば、特に3気筒や4気筒のダウンサイジングエンジン、つまり平均的なミドルサイズの車両のエンジンフードの下に収まるエンジンで燃費を向上することが可能になります。
ターボエンジンのパワーをアップ
ボッシュの新システムは、燃費だけでなく、出力とトルクの面でも大きなプラスとなります。ボッシュでガソリン システム事業部長を務めるシュテファン・ザイベルト(Stefan Seiberth)は、「このウォーター インジェクションを採用することで、ターボエンジンのパワーがさらに上がります」と説明します。ノッキングを起こすことなく点火のタイミングを進角できれば、エンジンはより効率的に動作するため、もともと高出力・高トルクのスポーツカーでも、パワーをさらに追加できるようになります。
この革新的なエンジン技術は、エンジンが過熱しないようにするためにはどうすれば良いかという発想から生まれました。昨今のほぼすべてのガソリンエンジンは、補助的に燃料を噴射して過熱を防いでいます。燃料の気化熱が、エンジンブロックの冷却要素として用いられているのです。この物理的原理を有効に活かしたのが、ボッシュのウォーター インジェクションで、燃料に着火する前に霧状の水をインテークマニフォールド内に噴射し、水の高い気化熱でより効率的に冷却を行います。
水の気化熱が高いことは、必要な水の量が非常に少なくてすむという理由にもなります。100km走行毎に必要となる水はわずか数百ミリリットルなので、ウォータータンクのサイズをコンパクトに抑えることができ、この噴射システムへの蒸留水の補充も数千km毎に行えば十分です。
また、このウォータータンクが走行中に空になったとしても、心配は無用です。ウォーター インジェクション システムによる高トルクと優れた燃費性能が得られなくなるだけで、エンジンはそのまま滑らかに回転するからです。
ウォーター インジェクション システムに関するQ&A
この技術はすでに量産に移行していますか?
画期的なウォーター インジェクション システムを搭載した初の量産車が「BMW M4 GTS」です。このモデルは直列6気筒ターボエンジンを搭載し、圧倒的なパワーを実現するだけでなく、高回転域でも優れた燃費性能を発揮します。ボッシュはこの「BMW M4 GTS」にウォーター インジェクションのコンポーネントを供給しています。
燃費試験でどのくらいの燃費性能を発揮したのでしょうか?
新燃費基準のWLTCにおいて、ウォーター インジェクション システムを搭載したエンジンは、最大4%の燃費向上が可能です。実走行ではこの数字がさらに上がるポテンシャルがあり、特に速やかな加速時や高速道路の走行時には、最大で13%もの燃費向上が可能になります。
ウォーター インジェクション がエンジンの錆につながることはないのでしょうか?
それはありません。燃焼室に水分がまったく残らないからです。エンジンで燃焼が行われる前に水はすべて蒸発し、排出ガスと一緒に車外に排出されます。
水はどのように補充するのでしょうか?
ウォーター インジェクションが走行中に使用する水はごくわずかで、平均して走行3,000km毎に補充すれば十分です。蒸留水の補充は独立したウォータータンクに行います。
ウォータータンク内の水が凍結してしまうことはないのでしょうか?
エンジンが停止すると、水はウォータータンクに戻り、そこで凍結する場合があります。しかし、エンジンを再始動すれば水は解けますので問題ありません。
シリンダー内に直接水を噴射する方式も考えられますか?
はい。しかし、ボッシュは低コストと明確な技術的メリットを両立させたポート噴射式を採用しています。これにより、ウォーター インジェクション システムは量産に対応しただけでなく、幅広い車両セグメントに提供できるようになりました。
このプレスリリースは2016年8月31日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
原文をご覧ください。
世界のボッシュ・グループ概要
モビリティ ソリューションズは、ボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2015年の売上高は417億ユーロで、総売上高の59%を占めています。モビリティ ソリューションズの売上により、ボッシュ・グループはリーディングサプライヤーの地位を確立しています。モビリティ ソリューションズは、自動化、電動化、ネットワーク化の3つの領域においてグループの専門知識を統合させ、お客様にトータルソリューションを提供します。その事業領域は主に、内燃機関の燃料噴射テクノロジー/パワートレイン周辺機器、パワートレイン電動化のさまざまなソリューション、車載向け安全システム、ドライバー アシスタンス システム/自動化機能、ユーザーフレンドリーなインフォテインメントやVehicle-to-Vehicle(車車間)およびVehicle-to-Infrastructure(路車間)通信、オートモーティブ アフターマーケット向けのリペアショップコンセプト/テクノロジー/サービスなどです。さらにボッシュは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)、ディーゼル用コモンテールシステムなどの自動車の重要な革新技術を生み出してきました。
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2015年の従業員数は約37万5,000人(2015年12月31日現在)、2015年の売上高は706億ユーロ(約9.5兆円*)を計上しています。現在、事業はモビリティ ソリューションズ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・建築関連テクノロジーの4事業セクター体制で運営しています。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社440社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含む世界的な製造・販売ネットワークは約150カ国を網羅しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界約118の拠点で5万5,800人の従業員が研究開発に携わっています。私たちボッシュ・グループはコネクテッドライフに向けたイノベーションの提供を戦略的な目標に定め、革新的で人々を魅了する全製品とサービスを通じて生活の質の向上に貢献します。つまり、ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」-人と社会に役立つ革新のテクノロジーを生み出していきます。
*2015年の平均為替レート(1EURO=134.3円)で換算
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