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解析シミュレーションのクラウドサービス「TCクラウド」を販売開始【富士通】

2011年12月5日

事前動作検証により、主要解析アプリケーションの利用環境が短期で構築可能に

当社は、解析シミュレーションのクラウドサービス「TCクラウド」として、解析シミュレーション実行用の計算環境を提供する「解析プラットフォーム・サービス・スタンダードクラス(注1)」、および「解析プラットフォーム・サービス・ハイパフォーマンスクラス」、解析シミュレーションの業務を支援する「解析ヘルプデスク」を本日より販売開始します。

具体的には、「解析プラットフォーム・サービス・スタンダードクラス」は、中規模の並列計算に適した解析シミュレーション実行用の計算環境を最小構成1ノード、利用期間1ヶ月から利用できるサービスです。「解析プラットフォーム・サービス・ハイパフォーマンスクラス」は、高速ネットワークで接続されたHPC環境を提供し、大規模な並列計算に適したサービスです。「解析ヘルプデスク」は、解析シミュレーションを行う際の導入や運用の支援、教育などを行うサービスです。

なお、これらのプラットフォーム上で、当社やISV各社が販売する解析アプリケーション(構造解析、加工解析、電磁波解析、熱流体解析など)の動作検証をしており、これらと合わせて計算環境を短期に構築、利用することが可能です。

本サービスにより、変動する解析需要に応じて計算資源をタイムリーに増減することができるため、計算資源への投資の最適化や、急な解析需要への柔軟な対応が可能になります。さらに、ICTの運用保守などが不要なため、解析業務に専念することができます。


製造業を中心に、製品の信頼性や安全性の向上、開発スピードの短縮などから、コンピュータを利用した解析シミュレーションは設計、開発に不可欠なものとなっています。当社は、時期によって変動する解析需要に対し、計算資源やアプリケーションのライセンス数をタイムリーに変更できるクラウドサービスとして、2011年8月に解析シミュレーションの実行に適したテクニカルコンピューティング分野向けのクラウドサービス「TCクラウド」のコンセプトを発表しました。

このたび、このコンセプトに基づき、クラウド上で解析シミュレーション実行用のプラットフォームを提供する「解析プラットフォーム・サービス・スタンダードクラス」、「解析プラットフォーム・サービス・ハイパフォーマンスクラス」、および解析シミュレーションの導入や運用の支援を行う「解析ヘルプデスク」を販売開始します。

「解析プラットフォーム・サービス・スタンダードクラス」について

解析シミュレーションを実行するためのプラットフォームをクラウドサービスとして提供します。32並列程度までの中規模な並列計算に適したクラスです。

「解析プラットフォーム・サービス・スタンダードクラス」の特長

1. 1ノード、1ヶ月から利用可能なオンデマンドサービス
1ノードあたり8CPUコア(Intel Xeon 2~3GHz)を持つ計算リソースを、最小構成1ノード、利用期間1ヶ月から利用でき、また最短1週間、1ノード単位で増設可能です。解析需要に応じた最適な計算リソースを利用することができます。

2. 運用保守が不要で解析業務に専念可能
ハードウェアやミドルウェアなどの運用保守を含んだサービスのため、わずらわしい運用保守の作業が不要で、解析業務に専念できます。

3. ポータルによる一元操作
各種操作を行うためのポータル画面(GUI)を提供します。ユーザー認証、解析ジョブの実行や管理、入出力ファイルの管理、利用状況や課金明細の表示など、ポータルから一元的に操作することができます。

4. 高信頼性、業務継続性を備えたクラウド環境
耐震設備、自家発電、無停電電源など最新の設備を備えた当社のデータセンターを利用するため、災害時の業務継続性を確保しています。また、契約者ごとに物理的に隔離された信頼性の高いプライベートクラウド環境を提供します。


「解析プラットフォーム・サービス・スタンダードクラス」のオプションサービス

1. プレポスト環境利用サービス
お客様が、解析のプレ処理(注2)やポスト処理(注3)を実行するため、クラウド上のデスクトップ画面をお客様の端末に転送するサービスです。入出力データをクラウド環境においたままでプレ処理、ポスト処理が実行できます。

2. データ配送サービス
大容量の解析結果など、ネットワーク経由でのファイル転送が困難なデータを可搬式ハードディスクなどに格納し配送するサービスです。可搬式ハードディスクの脱着、およびお客様指定の配送業者への配送手続きを実施します。

「解析プラットフォーム・サービス・ハイパフォーマンスクラス」について

計算リソース間を高速ネットワークで接続したHPC環境をクラウドサービスとして提供します。多数のCPUを利用した大規模な並列計算に適したクラスです。HPC環境を持たないお客様でも大規模な解析を高速に処理することが可能になります。

お客様の計算環境に対するニーズに応じて、個別に対応します。

「解析プラットフォーム・サービス」上で利用する解析アプリケーションソフトウェアについて

「解析プラットフォーム・サービス」において各種解析アプリケーションソフトウェアが利用可能です。

当社が販売する解析アプリケーションソフトウェアでは、非線形動的構造解析ソフトウェア「LS-DYNA(注4)」、板成形加工解析「eta/DYNA FORM(注5)」、電磁波解析ソフトウェア「Poynting(注6)」、計算化学統合プラットフォーム「SCIGRESS(注7)」が利用可能です(一部は動作検証中です)。これらのソフトウェアは、利用CPUコア数に応じて月額単金が変わる価格体系を採用しているため、解析需要の変動にあわせて必要なCPUコア数を変更することで、最適なコストで解析アプリケーションを利用できます。


当社提供の解析アプリケーションソフトウェア

また、以下のISV各社から提供されているソフトウェアについても共同で動作検証を進めています。


ISV提供の解析アプリケーションソフトウェア(五十音順)

「解析ヘルプデスク」について

解析シミュレーションの問題解決支援サービスです。これまでの解析分野におけるソリューション提供を通じて蓄積してきたノウハウを活かして、ソフトウェアに関する問題解決支援など、下記のサービスを提供します。

1. 受託解析サービス
解析専門スタッフが、解析モデルの作成、ソルバ(注8)の実行、解析結果の可視化などの解析業務を代行するサービスです。

2. 教育サービス
当社が提供する解析アプリケーションについて、操作実習や事例解説などの導入教育を実施するサービスです。

3. 導入支援サービス
ISVソフトウェアなどを解析プラットフォーム上にセットアップするサービスです。ソフトウェアの実行環境を整え、基本的な動作確認などを実施します。

4. 運用支援サービス
解析プラットフォーム上で解析アプリケーションを利用する際の問題解決を支援するサービスです。トラブル時のQA受付やアプリケーションのバージョンアップなどに対応します。

サービス価格

サービス価格一覧

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

 

注釈

注1  解析プラットフォーム・サービス・スタンダードクラス:
2011年8月の「TCクラウド」発表時に「解析プラットフォーム・サービス・プレミアムクラス」と呼称していたサービス。

注2  プレ処理:
解析処理の前に、解析処理の入力データとなる解析モデルを作成する処理。

注3  ポスト処理:
解析処理の後に、解析処理の出力データの可視化などを行う処理。

注4  LS-DYNA:
米国LSTC社が開発し、当社が販売する、陽解法により構造物の大変形挙動を時刻履歴で解析するソフトウェアで、衝突・衝撃解析、落下解析、塑性加工解析、貫通・亀裂・破壊解析などに威力を発揮し、これらの分野では世界有数の導入実績を誇る信頼性の高いソフトウェア。

注5  eta/DYNA FORM:
米国eta社が開発し、当社が販売する、板成形加工解析向け統合CAEアプリケーション。板成形解析を行う上で役立つプリ・ポスト機能と簡易解析向けのワンステップソルバを搭載する。ソルバとしてLS-DYNAを使用することで高精度な解析が可能。

注6  Poynting:
当社が開発・販売するFDTD法を用いた汎用電磁波解析ソフトウェア。高周波解析向け「Poynting for Microwave」と光学解析向け「Poynting for Optics」がある。

注7  SCIGRESS:
当社が開発・販売する計算化学統合プラットフォーム。低分子、高分子、結晶、アモルファス、溶液など多岐にわたるモデリング機能と、分子力学法、分子軌道法、分子動力学法、密度汎関数法などさまざまな手法による計算化学ソルバを搭載する。

注8  ソルバ:
数値解析シミュレーションを行うソフトウェア。


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