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発想の転換:回路基板の裏に装着されたパワー・コンバータにより、再定義されるエレクトロニクス【日本テキサス・インスツルメンツ】
2016年6月23日
設計エンジニアは回路基板で作業を行い、1枚の回路基板にさまざま可能性を思い描きます。その際、慎重に部品を選び、それを巧みに配列して、機能と性能を回路基板に組み込んでいきます。パワー・コンバージョンの画期的な技術革新のおかげで、回路基板上のスペースが開放され、回路設計における可能性を大きく広げることができるようになりました。
当社のSWIFT™ 『TPS54A20』シリーズのコンデンサ式バックコンバータは、2016年5月に発売され、電源を従来のサイズを20%以下にまで縮小することで、一般的な電子システムの基板スペースを大きく開放しました。
新しいトポロジーに基づいて造られたこの革新的な技術は、何年にもわたり、効率を落とすことなく、より多くの機能と電源を、より小さく密集したスペースの中に詰め込む方法を模索しながら、徒労に終わったシステム設計者に限りない機会を与えます。また、それにより、隅々まで切り詰めることなく、コストを削減できるというメリットもあります。コンバータを電源とするシステムは、より小型で少ない部品が求められるため、全体のソリューションのコストが下がる場合があります。詳細は、ホワイトペーパーをご覧ください。
設計者の望みを叶える
電力はどこでも必要となります。私たちの生活の中でさまざまなデバイスの接続やデジタル化が一層進むのに伴い、あらゆるシステムの中でパワー・コンバータを設計しなければなりません。パワー・コンバータは、ある電圧から異なる電圧に変換させることで、USBポートやマイクロプロセッサ、コンピュータやスマートフォンのスクリーン、Wi-Fi、Bluetoothモジュール、オーディオ回路、およびその他の非常に多くのデバイスが限られたスペースに合わせて動作できるようにします。
回路設計と機能によりますが、システムの中には50個ものパワー・コンバータを必要とするものがあり、それによりそのシステムの回路基板のスペースの最大半分までパワー・コンバータに占められます。
しかし、当社が設計・製造するパワー・コンバージョン回路は、1ソリューションの中にわずか1個の部品しかありません。しかも、その中にコンデンサやコイルが含まれます。従来、これらの部品は大きく、設計者はより薄く、設計面積が少なくて済む全体的なソリューションを長い間、待ち望んできました。
当社の最新のパワー・コンバータは、この設計者の望みを叶えます。
設計者への活力
この回路のデザイン、業界最高水準のスイッチング周波数、および機能性は、この全体的なパワー・コンバータ・ソリューションの電力効率を落とすことなく、従来品よりも高さを1/4、サイズを1/5に縮小しました。これは世界最小の12V、10Aの電源となり、現在最先端製品よりも10倍も高速な動作周波数を備えています。
このデバイスの小型・超薄型によって、設計者は電源回路を基板の裏側に実装することができますので、回路ボードを非常に狭いスロットに納めなければならないようなサーバーや通信機器の設計回路の実面積を大きく広げることができるようになり、貴重な表面のボードスペースを開放し、特徴や機能を強化できるようになります。
このソリューションの最初のターゲットは、通信インフラ設備やサーバー、計測機器のアプリケーションになるでしょう。しかし、あらゆるデジタル装置が電力を必要と、一層の小型化を進めています。将来のアプリケーションには、産業用やFA(ファクトリ・オートメーション)、オートモーティブ、コンピュータ、テレビ、パーソナル・エレクトロニクス、さらには軍事用途が含まれることになるでしょう。
このデバイスは電力を提供しますが、同時に長きにわたるサイズや高さの制約を克服し、より多くの特徴と機能を提供するための活力であり、また生活を改善するための新しく創造的な方法を思い描く設計者に向けた活力でもあります。
参考情報
・ブログ(英語) : 電圧レギュレータの小型化の方法
・ビデオ(英語) : 10A DC/DCコンバータ設計におけるインダクタ・サイズの縮小方法
・『TPS54A20』サンプル/評価モジュール情報
※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。
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