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大電流対応 「車載用パワーチョークコイル」を製品化【パナソニック】

2016年5月31日

車載ECUの電源回路に適した12mm角サイズ(面実装タイプ)で大電流化を実現
大電流対応 「車載用パワーチョークコイル」を製品化
車載ECUのエンジンへの直接搭載や機電一体化の実現に貢献



パナソニック㈱ オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、HEV、EV、ガソリン車などの車載ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)の電源回路に適した、12mm角サイズ(面実装タイプ)で大電流対応(20A~50A)の「車載用パワーチョークコイル[1]」を製品化しました。エンジンECUの電源回路への搭載が可能となり、車載ECUのエンジンへの直接搭載や機電一体化[2]の実現に貢献します。



環境対応車の燃費改善や環境規制への対応を背景に、エンジンをより高精度に制御することを目的に、車載システムの電子化が加速しています。そのためECUの大容量化が進み、その搭載場所はエンジンルームだけでなく、エンジンへの直接搭載や機電一体化が求められています。その結果、ECUには大電流対応と、より厳しい高温環境や振動条件下での設置が求められています。ECUの電源回路にはノイズ除去などを目的にチョークコイルが搭載されています。今回、当社ではECUのニーズに応える小形ながら大電流対応で、優れた耐熱性と耐振動性を実現した「車載用パワーチョークコイル」を製品化しました。

【特長】

1.12mm角の面実装タイプで小形ながら大電流化を実現、ECUのエンジンへの直接搭載や電源回路の省スペース化に貢献
・形状:縦12.6×横12.8×高さ8.0mm(面実装タイプ) 当社従来品(※)体積比 約50%減
・電流値:面実装タイプで20A~50A達成 当社従来品(※)20A以下
2.小形ながら優れた耐熱性と耐振動性を実現し、ECUのエンジンへの直接搭載に貢献
・耐熱性:面実装タイプで160℃/2000時間
・耐振動性:面実装タイプで5Hz~2kHz/30G
3.面実装化により基板への自動実装対応を実現、お客様の工程の合理化に貢献

※ : 車載用リードタイプのチョークコイル(18E-Lタイプ)

【用途】

HEV、EV、ガソリン車のDC/DCコンバータ回路[3]、高機能ECU電源回路、機電一体型ECU回路

【備考】

ECUの回路設計ツール「LCシミュレータ」を2016年5月31日から公開します
ホームページURL:http://industrial.panasonic.com/jp/lc-simulator

【商品のお問合せ】

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 デバイスソリューション事業部
ホームページURL : https://industrial.panasonic.com/jp/contact-us?ad=press

【特長の詳細説明】

1.12mm角の面実装タイプで小形ながら大電流化を実現、ECUのエンジンへの直接搭載や電源回路の省スペース化に貢献

ECUの設置場所はエンジンルームだけでなく、エンジンへの直接搭載が求められる中、ECUに搭載されるコイルには、小形で大電流対応が要求されています。従来、大電流対応のコイルはリードタイプでサイズが大きいという課題がありました。当社では独自の金属磁性材料を用いたメタルコンポジット材料[4]と太銅線を用いた巻線コイルを採用し、さらに同材料と巻線コイルを隙間なく一体成形したギャップレス一体構造を開発しました。コイルの発熱や損失(ロス)が低く、当社従来品に比べ体積を半減に抑えた12mm角(面実装タイプ)の小形ながら20A~50Aの大電流対応を実現しました。これによりECUのエンジンへの直接搭載や電源回路の省スペース化に貢献できます。

2.小形ながら優れた耐熱性と耐振動性を実現し、ECUのエンジンへの直接搭載に貢献

ECUには、エンジンへの直接搭載が可能な過酷な熱環境、振動条件下でも設置できることが求められており、搭載されるコイルにも、優れた耐熱性と耐振動性が要求されています。今回、メタルコンポジット材料の組成を工夫することで、160℃の高耐熱を実現しました。また、コイルを構成する太銅線を引き出して、端子として活用すると同時に、底面にカシメ構造を設け、端子とメタルコンポジット材料のボディを固定する独自構造を採用し、基板実装後の耐振動性を向上させています。これによりエンジン周りやエンジンへの直接搭載、またモータの近傍での搭載も可能です。

3.面実装化により基板への自動実装対応を実現、お客様の工程の合理化に貢献

従来、大電流対応のコイルの端子はリードタイプでサイズが大きく面実装化が出来ないため、ECUの製造工程では、自動実装対応が困難で、別工程での実装が必要でした。本製品は、コイルを構成する太銅線を直接、端子に活用した独自の端子構造を開発、面実装化を実現しました。これにより、基板への自動実装が可能となるため、お客様の工程の合理化に貢献します。

(*1) : 100kHzにて測定
(*2) : 温度上昇値が40度となる電流値

【用語説明】

[1]パワーチョークコイル
DC/DCコンバータ回路などに使用される電子部品で、エネルギーの蓄積やノイズを除去するフィルタの役割を持つ。    
[2]機電一体化
機械駆動部分とECUを一体化すること。従来は機械駆動部分とECU(制御電子回路)は離れて配線で結ばれていたが、制御の高精度化、設置場所の自由度向上、省線化などの目的で導入が進んでいる。
[3]DC/DCコンバータ回路
ある電圧の直流電流を異なる電圧の直流電流へ変換する回路。    
[4]メタルコンポジット材料
金属磁性材(鉄族)をベースとした粉末を、樹脂により絶縁し圧縮成型した磁性材料。    
[5]インダクタンス値
コイルの性能を表す指標のひとつ。コイルに変化する電流を流すと、その電流変化を妨げる方向に電流を流す電圧が発生する。この発生する電圧の度合いをインダクタンスという。    
[6]直流抵抗
巻線(銅線)の抵抗成分。これが低いほど電力の損失が小さくなる。直流抵抗が低いほどロスが減り、電源効率を改善できる。








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