ニュース

トランスミッション用「超長寿命玉軸受」を開発【日本精工】

2011年11月24日

~ 軸受の小型・軽量化、低フリクション化に貢献 ~

日本精工㈱(本社/東京都品川区、取締役 代表執行役社長 大塚紀男、以下NSK)は、トランスミッションの小型・軽量化と燃費向上に貢献する「超長寿命玉軸受(EBR*)」を開発しました。NSKは、今後、国内外の自動車メーカーへ積極的に本製品の拡販を図り、2015年に35億円の売上を目指します。
NSKは11月30日(水)から12月11日(日)まで東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催される「第42回東京モーターショーに本製品を出展します。

* EBR : Enhanced Bearing by Rolling element の略称 転動体を強化することにより長寿命化を図った軸受

開発の背景

近年、世界的な燃費規制強化への対応から、自動車用トランスミッションには、より一層の小型化、軽量化、高効率化が求められています。一方で、トランスミッション内で使用される軸受は、過酷な潤滑環境下で使用されるため、表面を起点としたはく離(表面起点型はく離)に対して十分な耐久性を備えていることが要求されるとともに、燃費向上の観点から、トランスミッション用潤滑油の低粘度化や希薄潤滑化が、今後より一層進むと考えられ、軸受に求められる耐久性は益々高まりつつあります。
NSKは、表面起点型はく離のメカニズムをさらに深く追究し、転動体を強化することによって軸受寿命を より一層改善できることを明らかにしました。本製品は、転動体を強化することによって飛躍的に耐久性を高めており、これまで弊社が培ってきた長寿命化技術(TF化技術)と組み合わせることによって、より一層の小型・軽量化、低フリクション化に貢献します。
NSKは本製品を、今後、国内外の自動車メーカーへ積極的に拡販を図って参ります。

製品の特長

転動体の強化
本製品の転動体は、材料成分の最適化とTF化技術の応用により、表面層の強化を図っており、使用時における表面性状の劣化を大幅に抑制することで、従来比2~3倍の長寿命化を可能としました。

軸受の小型・軽量化
弊社固有の長寿命化技術(TF化技術)と組み合わせることによって、標準品に対して10倍以上の寿命改善効果が可能であり、軸受の小型・軽量化、サイズダウンによる低フリクション化にも大きく貢献します。

本製品の材料基礎技術は、NSKの研究所が研究開発したものであり、今後もNSKは、90年以上にわたって培われたNSKの基盤技術である4コアテクノロジー(トライボロジー、材料、解析、メカトロ技術)により、自動車の小型・軽量・低フリクション化を実現し、自動車の燃費を向上する製品の開発を進めていきます。

表面起点型はく離に対する新しい長寿命化理論

開発品の特長

寿命試験結果


日本精工株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#日本精工
#軸受
#低フリクション