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アイドリングストップ車用次世代鉛バッテリー 「Tuflong G3」を発売【日立化成】
2016年5月17日
日立化成㈱(本社:東京、執行役社長:丸山寿、以下 日立化成)は、このたび、アイドリングストップシステム(ISS*1)車向けに、耐久性を当社従来品と比べ1.5倍*2に高めた次世代鉛バッテリーの新製品「Tuflong G3」を発売いたします。軽自動車向けM-44*3サイズを先行して6月に発売し、乗用車向けは秋に発売する予定です。
ISSは燃費改善、二酸化炭素削減による環境負荷低減などの目的で多くの自動車に採用されており、日本をはじめとしてグローバルで急速に市場が拡大しています。ISS車は、エンジン停止後の再始動時にバッテリーから大容量の電力が放出されるため、走行中に短時間で電力を蓄える必要があります。このためISS車に搭載するバッテリーは、ISS車以外の通常車に搭載するバッテリーと比較して頻繁に充電と放電を繰り返すことで、大きな負荷がかかり、その結果バッテリーの劣化が生じて、ISS機能が働かなくなる場合があります。そうしたことから、これまで以上に耐久性および充電受入性能を向上させたISS車用鉛バッテリーが求められています。 このたび発売する「Tuflong G3」は日立化成グループの強みである材料技術、解析技術等を生かし、当社の従来ISS車用バッテリーと比較して、耐久性を1.5倍*3に高めました。
「Tuflong G3」の特長は、
1 ISS車に搭載するバッテリーは頻繁に充放電を繰り返すため、大きな負荷がかかります。これにより、バッテリーの
劣化の原因となる電解液の成層化*4現象が起こりやすく、耐久性が低下します。本製品には成層化を抑制し、耐久
性を高めることができる新型セパレータ(G3セパレータ)を採用し、耐久性1.5倍を実現しました。これにより製
品保証を、ISS車用鉛バッテリーとしては業界初*5の38カ月(距離無制限*6)保証としました。
2 車両搭載時の経年劣化が少なく、エンジン始動を数万回分繰り返した状態でも当社従来ISS対応品と比較して車両の
燃費効果が高いことを実証しました*7。
日立化成は今後も環境負荷低減をめざした新しい車両システムに搭載するバッテリーの技術革新に継続して取り組みます。
*1 ISSとは、車両の停止・発進に合わせて、エンジンの停止・スタートを自動的に行うシステムのこと。
*2 バッテリーの耐久性1.5倍は当社従来ISS車用バッテリーとの比較。
当社基準のPSOC(部分充電状態)条件の耐久性試験において上記性能を実現。
*3 M-44とは、SBA(電池工業会規格)に準拠したISS車用バッテリーのこと。
M-44のMは外形寸法区分、44は性能ランク(現時点では業界最上位水準)。
*4 成層化とは、部分充電状態の環境下で、硫酸イオンが電池下部に沈降する現象のこと。
*5 国内自動車用バッテリーメーカー、ISS車において。2016年3月当社調べ。
*6 38カ月以内で、走行距離と関係なく保証します。
*7 アイドリングストップを模擬した充放電パターンにおいて、2万7500回のエンジン始動回数相当(当社独自の試験
パターン)が経過したバッテリーを軽自動車に搭載し、第3者機関で一般走行モード(JC08Hモード)の燃費試験
を実施した結果、当社従来ISS対応品と比較して燃費が10%向上した。
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