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高度に統合された48Vマイルドハイブリッドにより燃費をさらに向上【シェフラージャパン】
2016年5月11日
第37回国際ウィーンモーターシンポジウムで第2世代のガソリン技術車を公開
高度に統合された48Vマイルドハイブリッドにより燃費をさらに向上
● シェフラーとコンチネンタルの共同開発による第2世代のガソリン技術車が燃費を約25%向上
● 革新的な48V P2ハイブリッドアーキテクチャ の採用
● 48V EMICAT®電気加熱触媒の初の実用化
自動車および産業用機械分野のサプライヤーであるシェフラーは、第37回ウィーンモーターシンポジウム(オーストリア、2016年4月28、29日)において、第2世代のガソリン技術車(Gasoline Technology Car、以下GTC II)を世界で初めて公開しました。
2014年のウィーンモーターシンポジウムで展示された第1世代のガソリン技術車(GTC I)は、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)において基準車と比較して燃料効率が最大17%向上し、CO₂排出量も95g/km以下に削減されており、大きな話題となりました。なお高効率のFord Focus基準車には、3気筒1リッターのターボエンジン(GTDI)と12Vスタート・ストップシステムが搭載されていました。
今回、プロジェクトパートナーであるコンチネンタルとシェフラーは、フォードとの緊密な連携のもと、第1世代のGTC Iに続く第2世代のガソリン技術車(GTC II)を開発し、ウィーンモーターシンポジウムにて公開しました。
GTC IIは、インテリジェントな最新世代の48Vハイブリッドアーキテクチャを最も高度な形で紹介するものです。GTC IIでは、GTC IのNEDCに基づく燃費がさらに約13%向上しています。GTC IIとGTC Iの最も顕著な違いは、第2世代モデルでは、電気モーターをエンジンとトランスミッションの間に統合し、高い効率を実現したことです(P2アーキテクチャ)。
コンチネンタルの取締役会メンバーでパワートレイン部門のプレジデントを務めるホセ・アヴィラ氏は、「GTC IIは、48V電気システム、エンジン、動作方針をひとつのシステムとして最適化した、マイルドハイブリッドの大きな可能性を示すものです」と述べています。
シェフラーの研究開発担当役員であるペーター・グッツマーは、「GTC IIは、GTC Iと同様、高効率のハイブリッド動作方針をマニュアル・トランスミッション車に組み込んだという点で画期的です。GTC IIの電子クラッチは、電気始動、アイドリングストップからの復帰、車両停止時のエネルギー回生などの機能をサポートしています」と述べています。
欧州フォードのエンジン・パワートレインシステム研究開発担当マネージャーであるカルステン・ウェーバー氏は、「1.0リッターエコブーストエンジンを搭載し、『インターナショナルエンジンオブザイヤー』を複数回受賞しているFord Focusは、ハイブリッド車におけるすばらしい原点を提供しており、このような高い水準から始まるエンジンのハイブリッド化の可能性を示しています。GTC IIコンセプトの統合で注力したのは、パワートレイン全体の最適化でした」と述べています。
効率性の飛躍 ― 次世代の48Vテクノロジーを搭載したGTC II
基本的な方針において、GTC IIはGTC Iと共通する点が多数あります。どちらも、小型ガソリンエンジン搭載車の48Vマイルドハイブリッド化の可能性を示しており、搭載された技術のインテリジェントな相乗効果によって、基準車よりも燃費が向上しています。これらのハイブリッド動作方針は、車全体の性能がその構成パーツの総和に勝る統合的アプローチに基づいています。
しかし、GTC IIはGTC Iよりもさらに一歩前進し、電気駆動システムとエンジンに関して、前のモデルではなし得なかった可能性を引き出しました。
GTC IIの電動モーターは、内燃機関とトランスミッションの間のベルトによって、ドライブトレインに組み込まれています。ベルトの上流側と下流側に1つずつある2つのクラッチにより、エンジンは要求に応じて完全に切り離され、電動モーターを独立して使用できます。これにより、GTC IIは低負荷かつ一定速度での電気走行、およびアイドリングストップなどの電気始動の両方をサポートします。
減速段階においてエンジンブレーキの影響が無いということは、より多くの運動エネルギーを回生に利用できるということです。また、オーバーランが回避されるため、エンジンや後処理システムの冷却が減ります。この効果は、GTC Iで実証済みの熱マネージメントシステムでさらに高められていますが、エンジンオフ走行が走行サイクルの中で比較的大きな割合を占めるハイブリッド車では重要な利点です。そして、コンチネンタルの高性能な48V EMICAT®電気加熱触媒の利用により、長時間のエンジンオフの後でも、エンジンアウトの排出量が迅速に低減されます。この戦略は、GTC IIがEuro 6cの排出ガス基準(2017/2018)の厳しい要件を徹底して順守する上で大きな役割を果たしています。
熱効率の向上
また、GTC IIには、エンジンの熱効率のさらなる最適化、圧縮比の向上、吸気バルブの閉じるタイミングを遅らせたエンジンサイクル(アトキンソンサイクル)による燃料消費量の削減といった措置が講じられました。また、このエンジンに最適化され、ラジアルアキシャルタービンを搭載したコンチネンタルのターボチャージャーは、特にエンジン低速時に迅速に反応します。これを電気トルク支援と組み合わせることで、より柔軟に動作方針を規定するとともに、運転しやすさを向上させて顧客の理解も促進させます。
本リリースは2016年4月21日にウイーン、レーゲンスブルク、ヘルツォーゲンアウラッハ、ケルンで発表されたプレスリリースの抄訳です。
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