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最新の衝突試験スレッドを稼働へ : 中国安亭の研究開発センターへの設備投資を増強【ZF TRW】
2016年4月13日
*本リリースは、4月12日(現地時間)に世界配信されたリリースの日本語抄訳版です。
・最新型のINSTRON® サーボ式スレッドおよびダミー設定調整装置を設置
・高性能の側面衝突試験が可能に
・包括的セーフティ・システム・エンジニアリングの既存設備を増強
ZFフリードリヒスハーフェン社(以下、ZF)のアクティブ&パッシブ・セーフティ事業部であるZF TRWは本日、中国の安亭(アンチン)研究開発センターに「衝突試験スレッド部門」を新設しました。これは、ZF TRWの中国への投資に対するコミットメントを裏付けるものであり、それに伴い、同センターをZFの世界の拠点における4番目の衝突試験ラボとすべく、最新型のサーボ式スレッドを設置予定です。
安亭研究開発センターは、2014年に公式に開設され、ZF TRWでは世界最大となる66,000平米の敷地を有し、現在ではエンジニアリング、研究、および技術担当の社員約1,200人以上が勤務しています。センター内には、ZF TRWの主力である運転支援システム、ブレーキ、ステアリング、乗員安全、エレクトロニクス等の事業をサポートする20種以上の科学試験用のラボが収容され、 中国市場のみならず、広くアジア太平洋地域の自動車メーカー顧客に対し、高度安全システムの導入を支援しています。
乗員安全システム(OSS)エンジニアリング担当グローバル副社長である、ノーベルト・カーゲラー(Norbert Kagerer)は次のように述べています。
「OSS試験・検証プログラムは、当社の研究開発計画および総合事業戦略に欠かせない重要な要素のひとつです。この度、世界で4番目となる衝突試験ラボをこの最先端の研究開発施設に開設することができ、大変誇りに思います。安亭研究開発センターにこのスレッドを設置したことで、当社の中国におけるさらなる成長を視野に入れた支援体制が強化され、特に中国市場に向けた各種試験を行う国内および海外メーカーとのこれまで以上に緊密な連携が可能となります。
先端技術の中国市場への投入とともに、エンジニアリングや各種試験、そしてコンポーネントの生産を中国現地にて行うという当社の目標が、実現に向けて一歩前進しました。スレッドを用いた衝突試験機能の確立は、安全システム技術の包括的ラインアップを拡張し、当社のグローバルなOSS事業拠点の中でも重要なマイルストーンとなります。」
最新の試験装置は、現実に近い正面衝突シミュレーションを、3Dで再現可能な静的縦・横方向荷重を用いた高度な前面衝突試験を実施可能であり、それは米国NCAPの時速90kmでのOMDB(斜行移動台車)試験基準を上回ります。また、側面衝突試験ではIHS、米国NCAP、ユーロNCAP、中国NCAP、UN R95等のMDB(移動台車)試験基準に適合した荷重条件を再現できます。座席別の試験に関しても、前席や後席衝突のみ、あるいはその両方を組み合わせた試験が可能で、座席配置仕様の変更にも対応できます。
さらには、上記の各試験条件における反対座席からの衝撃や乗員同士の衝突のシミュレーションに耐えうる十分な大きさをもつスレッドとなっています。カメラのフレキシブルマウント数も増加したため、試験監視時の角度や衝突画像の種類を増やすことができます。また、スレッドは条件設定が柔軟に組めるため、複数の顧客向けの同時試験実施時においても設定条件の機密が保持できます。試験ごとの条件変更時間が短縮できる固定具や手順の定義済み設定が功を奏し、平均で年間1,000回以上の試験を実施できる性能を持っています。
ZF(ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン)について
ZFはドライブライン、シャシ・テクノロジーおよびアクティブ&パッシブ・セーフティ・テクノロジーの分野で世界をリードする自動車関連部品のグローバル・サプライヤーです。2015年5月15日にTRWオートモーティブ社を買収し、現在は世界40カ国に230の生産拠点を展開しています。2015年のZFの総売上は約290~300億ユーロ、総従業員数はおよそ13万8,000人の見込み(いずれも速報値)です。また、ZFは世界の自動車関連部品サプライヤーのトップ3に位置しています。
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