ニュース
疲労特性・加工性に優れたハイテン鋼板の開発と実用化拡大【新日鐵住金】
2016年3月29日
当社では、従来より590・780・980MPa級の熱延ハイテン鋼板を量産しておりますが、更なる自動車軽量化等の市場ニーズに応えるべく、従来よりも疲労特性・加工性・外観に優れた590・780MPa級熱延ハイテン鋼板および780MPa級熱延原板合金化溶融亜鉛めっきハイテン鋼板を開発してきました。これらのハイテン鋼板は自動車足廻り構造部品・ホイール部品を中心に国内および海外の自動車メーカー向けの部品に採用され、累計生産量は約10万トンに達し、量産を拡大しております。
これらの製品は、成分設計と熱間圧延プロセスの高度な温度制御で従来製品を上回る疲労特性を実現するとともに、当社の従来型ハイテン比で伸びを2割以上、穴広げ率を4割以上向上させていることから、形状によっては高強度化が難しかったサスペンションアーム等の難成形部品に適用が可能です。また、外観にも優れることから、ホイール部品等の外観にシビアな品質が要求される部品にも適用が可能です。更に、780MPa級ハイテンにつきましては同様の特性で合金化溶融亜鉛めっき鋼板もラインアップに加えたことから、防錆性能が要求される部品にも適用可能です。
これらの製品メニューの拡大により、自動車におけるハイテンの適用範囲が広がり、自動車の軽量化を更に進展させることができると考えております。
当社は自動車の軽量化等に寄与する環境に優しい鋼材の開発・供給を通じ、またそれらをより広く適用する事を可能にするプレス成形技術をはじめとしたアプリケーション技術の開発を進めて、今後ともお客様や社会の要請に応えて参ります。
<語句説明>
*強度780MPa級
引張強度が780MPa(メガパスカル)以上の鋼板。引張強度は鋼材が破断する強度。
780MPa級は、鋼材に1mm2あたり約80kgの力で引っ張って切れる強さ。
*高張力鋼板(ハイテン)
High Tensile Strength Steelの略称。引張強度が270MPa超の鋼板の略称。
*合金化溶融亜鉛めっき鋼板 :
溶融した亜鉛めっき槽に鋼板を浸漬・めっきし、その後、加熱してめっき層を亜鉛・鉄組成に合金化させた鋼板。防錆性能、プレス成形性、スポット溶接性、コストに優れ、自動車用防錆鋼板として、広く使用されている。
お問い合わせ先 : 総務部広報センター 03-6867-2146
新日鐵住金株式会社ホームページはこちら