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業界最大、リチウムイオン電池二次保護LSIで14直列セルを実現した「ML5232」を開発【ラピスセミコンダクタ】
2016年3月18日
業界最大※、リチウムイオン電池二次保護LSIで
14直列セルを実現した「ML5232」を開発
∼ 電池監視システムの機能安全とシステムの小型化を実現 ∼
※2016年3月ラピスセミコンダクタ調べ
要旨
ラピスセミコンダクタは、電動自転車や蓄電システム、UPSなどのリチウムイオン電池システムの機能安全注1を実現する、業界最大の14直列セル、最大80Vに対応したリチウムイオン電池二次保護LSI「ML5232」を開発しました。
近年、エネルギー密度の高いリチウムイオン電池を使用するアプリケーションが急増しています。しかし、リチウムイオン電池には、人体、財産を守る機能安全規格に対する準拠がなされ、より高い信頼性が要求されています。また、リチウムイオン電池は、過充電や過放電への対策が必須でありますが、用途が拡大するのに伴い、さらなる信頼性の確保が社会的に求められており、万が一の対策として、二次保護LSIを使用するケースがますます増えてきています。
ラピスセミコンダクタはこれまで電池監視LSIの開発に注力してきましたが、これらの社会要望に伴い、二次保護注2 LSIラインアップを開始しました。二次保護LSIとは、リチウムイオン電池監視システムに搭載される電池監視LSI側のシステムが不具合により機能しなくなった場合に、リチウムイオン電池の事故を防ぐ機能を果たします。
今回開発した「ML5232」は、最大14直列セルまでの検出が可能で、従来の4直列対応の二次保護LSIと比較し、部品点数の大幅に削減と、回路の簡略化を実現します。これまではリチウムイオン電池の二次保護を実現するために、複数の二次保護LSIとその周辺回路が必要でしたが、それらを「ML5232」1個で置き換えることが可能となりました。さらに過充電検出時にヒューズを切断すると同時に、充電制御用MOS FETもオフにすることができる2種類の保護信号を搭載しているため、システムの高信頼化も実現します。
現在サンプル出荷中で、ラピスセミコンダクタ宮崎(宮崎市)から、2016年9月から量産出荷を開始する予定です。また、ホームページからユーザ登録していただくことで様々なマニュアルやツールが利用できるなど充実したサポート体制を提供しております。
今後もラピスセミコンダクタは、多直列セル構成のリチウムイオン電池監視LSIで産業機器市場の高電圧電池監視システムのご要求にお応えしていきます。
【用語解説】
注1 : 機能安全
システムや機器が故障したり機能しなくなった場合に、その対策が機能不能の状態に陥らないような処置を実施す
るための安全方策の一つ。機能安全を実現する規格にはJIS C 0508、IEC61508がある。
注2 : 二次保護
電池監視LSI、MCU等による、リチウムイオン電池の一次保護が機能しなくなった場合に備え、二次的に保護する
こと。
新製品の特長
1.業界最大、14直列セルの接続を可能にし、約50%のシステムの小型化に貢献
従来、電池二次保護LSIは、4直列、または5直列対応品のみでしたが、「ML5232」はミックスドシグナル回路と高耐圧プロセスを駆使したことにより、最大14直列セルまでのリチウムイオン電池監視システムに対応可能になりました。
これにより、部品点数を削減でき、約50%の実装面積を実現し、システムの小型化に貢献します。また高電圧のシステム構築も可能になったことにより、幅広いアプリケーションでプラットフォームの共通化も実現しました。
2.過充電検出時の独自の2種類の保護信号を搭載
リチウムイオン電池監視システムに搭載される一次保護LSI側のシステムが不具合により機能しなくなった場合、本LSIが即座に保護信号を出力します。
「ML5232」は、NchオープンドレインタイプとCMOSタイプの2種類の充電経路を遮断する出力端子を搭載し、過充電検出時にヒューズを切断すると同時に、充電制御用MOS FETもオフさせることができ、システムの一層の高信頼化を実現します。
アプリケーション
● 電動自転車、蓄電システム、無停電電源装置 (UPS)
販売計画
● 商品名 : ML5232
● サンプル出荷時期 : サンプル出荷中
● サンプル価格 (参考) : 700円 (税別)
● 量産出荷予定 : 2016年9月より
仕様
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