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インドネシア新エンジン工場、生産開始【トヨタ自動車】

2016年3月7日

トヨタのインドネシア新エンジン工場、生産開始
-持続的成長を支える、「競争力ある工場づくり」を推進-


トヨタ自動車㈱(以下、トヨタ)のインドネシアにおける車両生産会社であるPT. Toyota Motor Manufacturing Indonesia(以下TMMIN)は、新エンジン工場を建設し、本年2月に生産を開始した。
同工場は、西ジャワ州カラワン市に位置し、生産能力は年産21万6千基、投資額は約2兆3千億ルピア(約205億円 1円=112インドネシアルピアで換算)、新規雇用は約400名。排気量1.3Lおよび1.5LのNRエンジンを生産し、一部は輸出する。

トヨタは「持続的に成長し続ける企業」を目指し、「量を求めた工場づくり」から発想を大きく転換し、「競争力のある新しい工場づくり」に取り組んでいる。
本工場づくりにおいても、「シンプル&スリム」「フレキシブル」をキーワードに、日本の工場でも導入を進めている革新的生産技術を織り込むと同時に、より安全で環境に優しい工場づくりを追求した。その結果、トヨタとして初めて、エンジン工場の主要工程(鋳造・機械加工・組み付け)を一つの建屋に集約し、コンパクトで需要変動に強い工場が完成した。

従来、鋳造工程は大型設備と広範な作業スペースを必要とし、工程で生じるヤニ・チリ・熱が、後工程(機械加工・組み付け)へ悪影響を及ぼすため、鋳造工程とそれ以外の工程を、別々の建屋に設置していた。
今回、設備小型化と作業工程の削減、ヤニ・チリ・熱が後工程に及ぼす影響の最小化を進めた結果、鋳造工程と他の工程を一つの建屋に集約できた。これらにより、工場設備の初期投資部分について、2008年と比較して約40%低減を達成。さらに、中間在庫をもたないよりリーンなエンジン生産体制を実現した。

なお、同工場の開所式を、現地時間3月7日(月)9:25(日本時間11:25)に同工場敷地内で実施。開所式には、サレ・フシン インドネシア共和国工業大臣をはじめとした政府関係者や、現地販売店、サプライヤーなど多数の来賓をお迎えし、トヨタの嵯峨専務、TMMINの野波社長らが出席。

トヨタの嵯峨専務は「画期的な生産技術が導入された、新エンジン工場の開所に立ち会えたことを、嬉しく思う。トヨタは、TMMINを、車両のみならずエンジンの生産・供給拠点としても位置付けており、自動車事業を通じて、インドネシアの更なる発展に貢献していきたい」と挨拶した。


カラワン新エンジン工場に導入した、主な生産技術は下記の通り。

1.手元溶解(トヨタの海外工場初) :

【概要】
大型部品を鋳造する工程では、大量の溶湯(溶解させた金属)が必要となる。従来、鋳造機から離れた場所にある大型溶解炉で金属を溶かした後、鋳造機へ溶湯を運搬していた。
熱源の改良などにより溶解炉を小型化。鋳造機に直結させた溶解炉で、金属を溶解させる方式(手元溶解)に変更した。小型部品(駆動系部品)の鋳造工程への導入実績はあるが、エンジンのような大型部品の鋳造工程への導入は海外初となる。

【効果】
溶湯運搬という危険作業をなくし、安全性が大幅に向上。運搬作業で必要なスペースを、大幅に低減
溶解炉の小型化に伴う初期投資低減に加え、需要量に応じて溶湯製造量を細かく調節できるため、需要変動に強くな
 る

2.無機砂中子(トヨタの海外工場初) :

【概要】
鋳造で使用する中子は、砂に有機物を添加したものを使用しており、有機物が燃焼することでヤニ・臭気が発生していた。それらを除去するため、大型の集塵機・脱臭機が必要であった。今回、中子の造形性を高める工法を開発したことで、砂に添加する有機物を無機物へ変更した。
*中子(なかご)とは、中に空洞がある鋳物を造る時に空洞にあたる部分として、鋳型の中にはめ込む砂型。
 鋳型の中に砂型を入れ、溶湯を流し込んだ後、最後に砂型を崩壊することによって複雑な形状を造る。
 中子の精度は重要であり強度、耐熱性、造形性に加えて、崩壊性の良さが要求される

【効果】
組み付け工程の不具合原因となるヤニ発生を限りなく抑制でき、集塵機の小型化が可能
 ヤニ清掃などの維持作業を大幅に低減することに加え、ヤニによる火災リスクを大幅に低減させ、工程の安全性向上
 に寄与
臭気発生がなくなることで、脱臭機が不要となり、初期投資低減に寄与


〈ご参考 : TMMIN概要〉


〈ご参考 : TMMIN工場概要〉








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