ニュース
スマートコミュニティの計画・運営を支援するクラウドサービス「E-PLSM」を提供開始【伊藤忠テクノソリューションズ】
2011年11月4日
風力・太陽光の予測技術や最適化技術を活用して
再生可能エネルギーの導入促進を支援
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:奥田陽一、以下:CTC)は、12月より、低炭素社会・省エネルギー社会を目指したスマートコミュニティの計画・設計から運用までを支援するクラウドサービス「E-PLSM(エプリズム)」を開始します。CTCは、これまで蓄積した風力・太陽光発電の予測技術や最適化シミュレーション技術等を活用し、東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻 宮田秀明教授の提唱するComputational Social System Dynamicsのコンセプト※1に基づき、CTCの堅牢なデータセンターから提供されるクラウドサービスとしてE-PLSMを開発しました。スマートコミュニティの構築を検討している自治体やディベロッパーを中心に営業展開し、付随するコンサルティングやシステム構築を含めて、今後3年間で10億円の売上を目指します。
近年、地球温暖化対策のためのCO2削減や、石油などの枯渇性燃料への対策という観点で、再生可能エネルギーに注目が集まっています。東日本大震災以後も、8月26日の「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」の成立を背景に、地域での再生可能エネルギーの活用が見込まれています。しかし、風力や太陽光の発電量は天候による不安定性があるため、蓄電池の併設や予測技術などを利用し、安定した電力供給を行うことが求められます。また、太陽光パネルや蓄電池の設備導入では適切な経済性評価も重要な課題です。
CTCのE-PLSMは、再生可能エネルギーの導入に伴い、地域でのエネルギー管理の計画から運用・評価の段階までを支援するクラウドサービスです。E-PLSMの“E”は、Energy、Economy、Environment及びEcologyを意味し、“PLSM”は、PLatform for Simulation and Managementを略しています。自治体やディベロッパー等は、E-PLSMを使用することで、スマートコミュニティの計画段階では、地域における風力・太陽光発電の設置、蓄電池の併設等に関し、エネルギー最適化のシミュレーションや経済性評価等を行うことができます。運用段階では、各設備のリアルタイムなモニタリングや電力の売買による経済性評価等を行うことができ、PDCAサイクルに基づくスマートコミュニティ運営が可能になります。
E-PLSMは、地図画面上で一般住宅や商業施設などの電力需要施設と太陽光パネルなどの供給施設等を仮想的に配置することで、地域内の電力需要量のピーク月やピーク時間、再生可能エネルギーの発電量、電力の自給率、最適な蓄電池導入量などのシミュレーションを行うことができます。センサーネットワークを利用すれば、実際の電力利用量や発電量、蓄電量に加え、電気自動車の位置/速度/電費/バッテリー情報等もリアルタイムな表示が可能です。また、気象予測に基づく日々の発電量予測により、電力の需給均衡を目的とした蓄電池の充放電制御計画なども支援します。
今後は、E-PLSMに付随する詳細なコンサルティングやセンサーネットワークなどのシステム構築とともにE-PLSMを提供し、設備の劣化・故障診断、低炭素社会の交通シミュレーション、防災、SNSなどの機能も追加することで、地域社会におけるスマートコミュニティの実現に貢献していきます。
E-PLSMの画面
地図上に電力の需要ノード(一般住宅や商業施設など)や供給ノード(太陽光発電設備など)をドラッグ&ドロップで仮想的に配置することにより、導入計画を支援。
地図上に配置した設備に伴い、地域内の電力需要量、電力発電量、蓄電池導入量などのシミュレーション結果を表示。
※1 Computational Socail System Dynamicsとは
「変動する電力需要と変動する再生可能エネルギー発電とを二次電池による電力貯蔵とITによるマネジメントでスマートに繋ぎ最適な社会システムを設計し日々に経営する」という東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻 宮田秀明教授の提唱する環境未来都市のコンセプト。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社ホームページはこちら