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超高速シリアルバス搭載 強誘電体メモリ「FeRAM MR44V064B/MR45V064B」を開発【ラピスセミコンダクタ】

2016年2月2日

超高速シリアルバス搭載
強誘電体メモリ (FeRAM MR44V064B / MR45V064B)を開発

∼ 業界トップクラスの最低動作電圧、動作周波数を実現し、IoT分野の進化に貢献 ∼

要旨

ラピスセミコンダクタは、高頻度のログデータ取得や緊急時の高速データバックアップが必要なスマートメータ、ヘルスケア機器、カーナビなどに向けて、シリアルバス搭載64Kビット強誘電体メモリ(注1)(以下 FeRAM)「MR44V064B/MR45V064B」を開発しました。
次世代の不揮発性メモリとして期待されるFeRAMは、一般的に普及している不揮発性メモリに対して、「高速データ書き換え」「高書き換え耐性」「低消費電力」という特長があるため、アプリケーションの省電力化と高機能化に貢献するデバイスです。
新商品は、加えて業界トップクラスの最低動作電圧1.8Vを実現しており、ニッケル水素充電池2個でもFeRAMを使用できるようになります。単4の充電池2個で約11年書き換え(1秒ごとに64Kビット書き換え時)が可能になるなど、アプリケーションのさらなる長時間駆動に貢献し、ポータブル機器やIoT分野にも展開することが可能です。また、最大動作周波数も40MHz(SPIバス)まで対応しており、64Kビットのデータ書き換時間をわずか1.64msecで実行できるため、システム異常に対して超高速バックアップによる高いデータ信頼性も実現します。さらに、シリアルバスの異なる2品種(I2Cバス、SPIバス)を準備しており、お客様のシステム仕様にも柔軟に対応します。
なお、本製品は2016年1月より量産出荷を開始(サンプル価格 500円 / 個 : 税別)しています。生産拠点は前工程がローム本社工場(京都市)、後工程がROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)になります。
ラピスセミコンダクタは、今後も省電力で高性能な製品を開発し、お客様の要望に応じた様々な容量やインターフェースなど商品ラインアップの拡充を計っていきます。

【用語解説】
注1 : 強誘電体メモリ
強誘電体メモリ (Ferroelectric Random Access Memory) は、電源を切っても記憶データを保持する不揮発性メモリの一つで、記憶素子に強誘電体キャパシタを利用し、高速データ書き換え、高書き換え耐性、さらに低消費電力の特長をもつ。

背景

近年、省エネ化の流れにより、車載・産業機器に限らず、あらゆるアプリケーションでシステム全体の低電圧化が求められています。同時に、高機能化に伴いデータ量が増え、高速で情報をメモリに読み書きすることも求められています。
ラピスセミコンダクタは、ロームの強誘電体メモリの製造技術とラピスセミコンダクタのメモリ設計技術のシナジーを生かして、2011年よりFeRAMシリーズを展開してきました。

新製品の特長

■ 1.最低動作電圧1.8Vでバッテリーでの長時間駆動が可能
ロームのローパワー対応の強誘電体搭載プロセス技術と、低電圧下でのメモリ選択トランジスタのゲート電位を確保することにより業界トップクラスの最低動作電圧1.8Vを実現しました。
これにより、ニッケル水素充電池2個でもメモリを使用することが可能になります。例えば、単4の充電池2個で1秒毎に1回64Kビット (原稿用紙約10枚) のデータを書き換え続けても約11年動作できるため、長時間にわたりバッテリー駆動が必要とされるIoT分野にも利用可能です。




■ 2.業界トップクラスの高速動作を実現

データを記憶させる強誘電体キャパシタの選択時のセレクタの負荷を軽減することで超高速アクセスを実現しました。I2Cでは業界トップクラスの動作周波数3.4MHzのHs-modeをサポート。SPIでも業界トップクラスの最大動作周波数40MHzに対応し、FeRAMの長所である高速データ書き換えの特徴を強化しています。
64Kビットのデータ書き換時間をわずか1.64msecと非常に高速にできるため、停電などの予期せぬ電圧低下が発生しても、電源が落ちる前にデータをバックアップできるのでデータ損失のリスクが低く、停電に備えて電源供給を延長する部品を配置する必要はありません。高速性に加えてデータ保持の高いセキュリティが求められる用途に適しています。

用途

産業機器、車載アクセサリ、医療機器、ポータブル機器、IoT分野

販売計画

商品名 : MR44V064B / MR45V064B
量産出荷時期 : 2016年1月より
量産出荷数 : 月産50万個
サンプル価格 : 500円 / 個(税別)

仕様

お問い合わせ

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