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テクノポリマー、きしみ音低減樹脂を開発~工程削減と製品の信頼性向上に貢献~【JSR】
2011年10月31日
JSR㈱(社長:小柴満信)の100%子会社でABS樹脂等を製造・販売するテクノポリマー株式会社(社長:川崎弘一)は、これまでの材料開発で培った技術力を活かし、プラスチック部品の嵌合部等から発生するきしみ音の低減を可能とするスチレン系特殊熱可塑性樹脂を開発しました。市場開拓を進めた結果、採用実績もでき、商品のグレード構成も充実してまいりましたので、「HUSHLLOY(ハッシュロイ)*1」シリーズと命名し、本格販売を開始します。
今回上市する特殊スチレン系熱可塑性樹脂「HUSHLLOY™」の特徴は、プラスチック部品の接触部分から発生するきしみ音等の不快音低減に大きな効果があることです。
ドイツ自動車工業会の標準条件によるきしみ音の発生リスク評価*2(10段階)では、一般的なABS樹脂が「6~10」であるところ、「HUSHLLOY™」は、「1~3」であり、この不快音低減効果が評価され自動車部品やエレクトロニクス部品の分野で採用が始まっています。
*1 : 「HUSHLLOY」はテクノポリマー株式会社により商標出願中です。
*2 : ドイツZeigler社スティックスリップ試験機SSP-02(ドイツ自動車工業会標準試験機)
10段階評価で、1(低い← きしみ音発生リスク →高い)10
現在、きしみ音低減の対策として、プラスチック部品へのグリス塗布や不織布貼付などが行なわれていますが、「HUSHLLOY™」を用いることにより、これらの工程が不要になり、グリス・不織布コスト、工程コスト、検査コストなどの製造コストが削減できることに加えて、効果が永続的に持続することによりグリス等の老朽化による低減効果の減衰を防止することも可能になります。
<適用用途>
自動車部品(インジケーター、エアコンリテーナー、カップホルダー、メーターハウジング等)
エレクトロニクス部品(デジタルビデオカメラ、ディスクトレイ、カーナビゲーション等)
日用品(ベッド、椅子等)
製品ラインアップについては、耐熱、つや消し、ガラス入り、PCアロイを取り揃えており、いずれも従来のABS樹脂の特徴である物性バランスや成形加工性の良さ及び安定した成形収縮率を維持したまま、きしみ音低減の機能を加えたものです。「HUSHLLOY™」の機械物性及び成形収縮率は、従来のABS樹脂やPCアロイと同等であるため、現行金型をそのまま使用して頂くことが可能です。
テクノポリマーは、独自のポリマー設計と着色コンパウンド(複合化)技術により、今後も新たな製品開発を進め、幅広くユーザーへソリューションを提供することで、事業規模の拡大を目指していきます。
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