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SUPER GT 第8戦 MOTEGI GT 250km RACE カルダレッリ/平川組 LEXUS RC Fがポール・トゥ・ウィンで今季2勝目!【トヨタ自動車】
2015年11月15日
SUPER GT 第8戦 MOTEGI GT 250km RACE
カルダレッリ/平川組 LEXUS RC Fがポール・トゥ・ウィンで今季2勝目!
GT300クラスの嵯峨/中山組トヨタ プリウスも圧倒的な速さで2勝目を挙げる
SUPER GTの今季最終戦(第8戦)がツインリンクもてぎで行われ、ウェットスタートから乾いていく難しいコンディション、途中セーフティカー導入という波乱のレースを、アンドレア・カルダレッリ/平川亮組 KeePer TOM’S RC F 37号車がポール・トゥ・ウィンで制し今季2勝目を挙げた。GT300クラスでも、ポールポジションから圧倒的な速さを見せた嵯峨宏紀/中山雄一組 TOYOTA PRIUS apr GT 31号車が、セーフティカーランでマージンを失い、順位も落とすも、後半猛烈な追い上げを見せ、ポール・トゥ・ウィンで今季2勝目を挙げた。
11月14日(土)~15日(日)の両日、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎでSUPER GTの第8戦(最終戦)「MOTEGI GT 250km RACE」が開催された。
前戦オートポリスからわずか2週間。全8戦で戦われてきた2015年のSUPER GTも最終戦を迎えた。今季のSUPER GTは6チームがタイトル獲得の可能性を残しての最終戦となった。
LEXUS GAZOO Racingでは、今季未勝利ながら2位2回、3位1回と着実にポイントを重ねて来た立川祐路/石浦宏明組のZENT CERUMO RC F 38号車が首位と13ポイント差の3位、夏の鈴鹿1000kmを制した伊藤大輔/ジェームス・ロシター組PETRONAS TOM’S RC F 36号車が17ポイント差の6位につけ、優勝で20ポイント獲得出来る最終戦での逆転の可能性を残して今大会に臨んだ。
今大会は全車ウェイトハンデ無しの真っ向勝負。SUPER GTの中では短い250kmで争われた。
◆ 予選 ◆
14日(土)、予選日のもてぎは朝から雨に見舞われ、路面は完全なウェット。気温13度、路面温度15度のコンディションで、午後2時よりノックアウト方式の予選が行われた。
ウェットという事もあり、予選Q1(15分)のセッション開始から全車コースイン。予選前までは弱くなっていた雨が、セッション開始と共に強さを増していったが、各車タイヤを温めタイムアップ。セッション中盤にはLEXUS RC Fがトップ5を占めた。
その後、ライバルにタイムを塗り替えられるも、逆転タイトルを狙う石浦の38号車が2番手、伊藤の36号車が3番手、ヘイキ・コバライネンのDENSO KOBELCO SARD RC F 39号車が4番手、アンドレア・カルダレッリのKeePer TOM’S RC F 37号車は若干のミスがありながらも5番手タイム。関口雄飛のWedsSport ADVAN RC F 19号車が8番手につけ、LEXUS RC Fは5台がQ2へ進出。
国本雄資がアタックしたENEOS SUSTINA RC F 6号車はタイムが伸びず10番手でQ1敗退となった。
予選Q2(12分)はさらに雨が強さを増す厳しいコンディションに。38号車の立川は2度にわたってコースオフを喫するなど、各車ぎりぎりでのタイムアタックを展開。
セッション中盤以降、次々にタイムが塗り替えられていく中、37号車の平川が他車を大きく引き離すトップタイムをマーク。終盤にかけ、ライバル勢もタイムアップを図るも、平川のタイムは上回れず、37号車が開幕戦以来今季2度目となるポールポジションを獲得。
36号車が4番手、38号車は6番手、39号車が7番手、19号車が8番手から明日の決勝に挑むこととなった。
GT300クラスでは、朝の公式練習走行終盤にコースオフを喫し、車両にダメージを負ったTOYOTA PRIUS apr GT 31号車が何とか修復を終え、Q1(15分)の残り11分を切ったあたりでコースイン。限られた周回ながら中山雄一が健闘を見せトップタイム争いを展開。2番手をコンマ6秒以上引き離す速さを見せ、暫定トップでQ2進出を果たした。
SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車は20番手でQ2進出ならず。
Q2(12分)はQ1よりも雨脚が強まり、31号車の嵯峨は一旦コースインしたものの、すぐにピットへ戻り、タイヤを交換。このタイヤ交換作戦は効を奏し、強まる雨にスピンやコースオフが多発する中、嵯峨宏紀が快走。他車を2秒近く引き離す圧倒的なタイムをマークし、今季2度目となるポールポジションを獲得した。
◆ 決勝 ◆
15日(日)も雨が残り、朝のフリー走行もウェットコンディション。しかし、決勝レースの行われる午後には雨は止むという予報のため、路面が乾き始めていた決勝前のウォームアップランは、通常8分間のところ、18分間に延長して実施された。
しかし、決勝レースが始まる直前、午後1時過ぎには再び雨が降り始め、全車ウェットタイヤを装着して走行開始。路面は濡れているものの雨はほぼ止み、雲の切れ間から青空が覗く、難しいコンディション下で、午後1時40分、パレードラップとフォーメーションラップに続き、決勝レース(53周)のスタートが切られた。
まだ水煙が上がるコンディションの中、ポールポジションの37号車カルダレッリは首位をキープ。後方では、4位の36号車から6位の38号車まで3台によるバトルとなり、これを制した立川の38号車が4位で1周目を終えて戻って来た。4位に浮上した38号車は、さらにその勢いで3位の車両にも迫ると、やがて2位の車両のペースが落ちてきたこともあり、3台での2位を争いを展開した。
10周目、6位を走行していたロシターの36号車がメインストレート上で突然スローダウン。駆動系のトラブルに見舞われ、そのままピットロード出口に車両を停めることに。逆転タイトルの可能性を残していた36号車だったが、ここでレースを終えることとなってしまった。
ひとりのドライバーが走らなくてはならない最低周回数18周を過ぎると、ドライバー交代、タイヤ交換のために各車ピットへ。苦戦しポジションを落としていた6号車が19周目、22周目終了時には38号車、その翌周首位の37号車がピットイン。38号車はリアタイヤの交換時に若干のタイムロス。
ライバル勢も次々にピットイン。一足先にピットインしていた38号車の石浦は、ライバルよりも温まっているタイヤの優位性を活かし、ポジションアップを狙ったが、GT300クラスの車両をかわそうとして、まだ濡れている路面に足をすくわれコースオフ。ポジションを落としてしまった。
27周目、接触で大破した車両の部品がコース上に散らばったため、セーフティカーが導入。首位の37号車は10秒以上あった後続との差を失うことになってしまった。
32周目、残り22周でレースは再開。この再スタート直後、前を行く周回遅れをかわそうとして、37号車の平川はライバルの先行を許すことに。2位に後退した平川は、再逆転を狙い、コーナー毎に並びかける猛追。39周目の最終コーナーでインをついて前に出たかに思われたが、アウトにはらみ、その隙を突かれて一気に4位に後退。
しかし、平川は諦めることなく追い上げを継続。周回遅れで混み合う中、まだ濡れているラインもものともせず、縦横無尽のライン取りですぐに2位へ復帰。その勢いのまま再び首位に追いつくと、再三のプッシュを続け、43周目にはついに首位を奪還。難コンディションでの37号車平川のオーバーテイクショーが、観客を魅了した。
セーフティカー導入でマージンがリセットされてからの後半戦は、首位と同一周回の上位7台が5秒以内の接近戦のまま推移。最後まで、気の抜けない戦いが続いたが、首位に立った37号車の平川が逃げ切り、開幕戦に続き、今季2勝目をポール・トゥ・ウィンで飾った。LEXUS GAZOO RacingのLEXUS RC Fは、参戦2年目のシーズンを、3勝という結果で終えた。
逆転タイトルの可能性を残し、最後まで健闘を見せた38号車は追い上げ叶わず5位でフィニッシュ。惜しくも逆転タイトル獲得はならず、立川/石浦組はランキング4位となった。今季2勝目を挙げたカルダレッリ/平川組は5位へとランキングを挙げてシーズンを終えることとなった。
後半、コバライネンが速さを見せた39号車が6位、6号車は9位。19号車は10位でフィニッシュし、今季全レースでのポイント獲得を果たした。
GT300クラスでは、ポールポジションの31号車が、ウェットの難しいコンディションながら嵯峨のドライブで快走。ライバルを1周あたり2秒上回る圧倒的な速さを見せ、15周目を終えた時点で2位に30秒以上の大差で独走した。
しかし、25周目にセーフティカーが導入されると、このマージンが帳消しとなっただけでなく、上位グループで唯一ピットインしていなかった31号車は、ピットインでライバルの逆転を許すことに。前半の独走で、5位以下を周回遅れにしていたことと、セーフティカーランの最後の周にピットがオープンとなり、このタイミングでピットインしたことでタイムロスを最小限に抑えることが出来、首位から大きく離されることなく4位で再スタート。
交代した中山雄一もハイブリッドパワーを活かし、追い上げを開始。5秒以上あった前走車との差をみるみるうちに詰めていき、再スタートから僅か4周で3位、その翌周には2位に浮上。39周目には首位に再浮上して見せた。
その後は2位を引き離し、再びの独走。終盤やや詰められたものの逃げ切り、開幕戦に続く今季2勝目をポール・トゥ・ウィンで飾った。この結果、嵯峨/中山雄一組はドライバーズランキング3位でシーズンを終えることとなった。
60号車は17位で完走を果たした。
LEXUS GAZOO Racing、TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。来季も応援の程よろしくお願いいたします。
KeePer TOM’S RC F 37号車 ドライバー アンドレア・カルダレッリ :
週末を振り返って、良いレースウィークだった。全力を尽くして戦い、ポール・トゥ・ウィンは最高の気分だ。レース自体は非常に困難だった。スタートはウェットで、タイヤの選択には悩んだ。最終的に選んだハードタイヤが良い選択だった。もちろん、それでも最初は難しかったが、出来る限りプッシュした。なんとかギャップを作れば、晴れてきたので上手く行くと思っていたし、ピットインのタイミングも良かった。そのおかげで後半も上手く行ったと思う。今回勝つことが出来て嬉しい。
KeePer TOM’S RC F 37号車 ドライバー 平川亮 :
僕のスティントでセーフティカーが入ってしまい、彼(カルダレッリ)の作ってくれたギャップを全て失うことになってしまった。ウェットのアウトラップなども速いペースで走ることが出来ていたので、もし、セーフティカーがなければもっと楽な展開になっていたかもしれない。その後は、バトルを楽しみながらレースが出来た。シーズン中盤から終盤、結果が出ず苦しんだが、最後に優勝することがで出来て良かった。来年はミスなく行きたい。
TOYOTA PRIUS apr GT 31号車 ドライバー 嵯峨宏紀 :
ポール・トゥ・ウィンという結果は申し分ないが、内容的には紆余曲折あった。スタート前からドラマがあり、僕たちはやや濡れた状況でスリックで走るのを苦手としており、スタート前に雨が降らず、スリックタイヤで走ることになっていたら、ライバルに先行されてしまったと思う。あの雨が恵みの雨になった。レインタイヤのペースは我々が勝っていたのでプッシュした。セーフティカーのタイミングが我々にとって悪く、我々以外全車ピットインを終え、かつ我々が入ろうと思っていた矢先にセーフティカーとなってしまった。その時点では混乱でどの位置に戻れるのか分かっておらず、最下位になったものと思っていた。最初のスティントの段階で4位以下を周回遅れにしていたようだ。4位でコース復帰してからは、雄一がまた頑張ってくれてスタートと同じ位置に戻って来てくれた。最後にチームとしてもドライバーとしても最良の結果で終わることが出来、嬉しい。
TOYOTA PRIUS apr GT 31号車 ドライバー 中山雄一 :
開幕戦に続き最終戦でもポール・トゥ・ウィンが果たせて嬉しい。僕のスティントは、セーフティカーによりピットインのタイミングを逸してしまったので、開き直って行くつもりだった。しかし、コースに戻ってみると、4位にいるぞと言われ、またトップは8秒前にいると無線が入り、そこからは落ち着いて行った。スリックタイヤのパフォーマンスは少し心配していたが、かなり路面も乾いていたので、ファステストのペースで追い上げ、トップに立つことが出来た。最後は危なげなくゴールまでクルマを運ぶことが出来、良いレースだったと思う。
第8戦 リザルト
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